銀行カードローンは、利用限度枠内であれば何度でも借り入れられる無担保ローンです。
お金が必要になったときに気軽に利用できるため非常に便利ですが、高い金利がかかるため計画的に借り入れる必要があります。
そこで、銀行カードローンを利用するうえで注意すべきことについてまとめました。
返済方法・金利についてや、消費者金融のカードローンとの違いについても解説するので参考にしてくださいね。
- 金利幅が広く、審査を受けるまで適用金利がわからない
- 即日審査・融資には対応していない
- 無利息サービスが利用できない
- ・CFP®資格(日本FP協会)
- ・TLC(生命保険協会認定FP)
- ・損害保険トータルプランナー
北海道出身。立教大学法学部を卒業後、株式会社菱食(現:三菱食品株式会社)に入社。その後、保険業界を約10年経験し、ファイナンシャルプランナーとして活動を行う。
銀行カードローンの利用時に注意すべきこと
必要なときに気軽に利用できる銀行カードローンは便利ですが、注意点もあります。
利用する前に必ず確認しましょう。
- 適用金利は審査を受けてみるまでわからない
- 即日審査・即日融資はできない
- 銀行カードローンは無利息サービスが利用できない
適用金利は審査を受けてみるまでわからない
銀行カードローンの金利は幅広く設定されています。
銀行名 | 金利(年率) | 利用限度額 |
---|---|---|
三井住友銀行 | 1.5~14.5% | 10~800万 |
イオン銀行 | 3.8~13.8% | 10~800万 |
楽天銀行 | 1.9~14.5% | 10~800万 |
実際に借りる際の利率は契約する限度額によって異なります。
そのため、適用される金利は審査を受けるまで分かりません。
例えば、楽天銀行のカードローン「楽天銀行スーパーローン」の借り入れ利率は以下のとおりです。
利用限度額 | 借入利率 |
---|---|
800万円 | 1.9~4.5% |
600~800万円未満 | 3.0~7.8% |
500~600万円未満 | 4.5~7.8% |
350~500万円未満 | 4.9~8.9% |
300~350万円未満 | 4.9~12.5% |
200~300万円未満 | 6.9~14.5% |
100~200万円未満 | 9.6~14.5% |
100万円未満 | 14.5% |
表をみて分かるとおり、利用限度額によって大きく金利が変わる点は頭に入れておきましょう。
一般的に、借り入れ金額が少ないほど利率が上がります。
即日審査・即日融資はできない
カードローンと聞くとすぐにお金を借りられるイメージがあるかもしれませんが、銀行カードローンは即日審査・即日融資に対応していません。
以前は銀行が扱うカードローンも即日融資に対応していましたが、2018年1月より銀行カードローンの審査が厳格化されました。
銀行は警察庁データベースに照会し、契約者が反社会的勢力ではないかを確認することが義務化されています。
そのため、審査をすぐに完了することができないのです。
例えばイオン銀行では、以下のように記載されています。
イオン銀行では年中無休で審査を行っています。審査完了後5日程度でカードをお受け取りいただけます。
銀行によっては審査が毎日行われていない場合もあるので、すぐにお金が必要な方は注意する必要があります。
また、なかにはその銀行で口座開設しなければならない場合もあります。
元々口座を持っていなければ口座開設の手続きから行わなければなりません。
そのため、その日のうちにお金が必要なら即日審査・融資が可能な消費者金融のカードローンを利用しましょう。
銀行カードローンは無利息サービスが利用できない
銀行カードローンでは、基本的に無利息サービスを利用することができません。
無利息サービスとは一定期間内であれば無利息でお金が借りられるサービスです。
多くの消費者金融のカードローンでは、30日間無利息サービスを利用することができます。
無利息期間はカードローンによって異なるため注意してくださいね。
30日間のうちに完済すれば一切利息がかからないため負担を抑えることができます。
しかし銀行カードローンには基本的に無利息期間が定められていないため注意が必要です。
銀行カードローンの返済方法
銀行カードローンの返済手段は銀行により異なりますが、ATMからの入金、返済用口座への振込・インターネット・テレホンバンキングなど複数の手段が用意されていることが多いです。
最近ではインターネットバンキングを利用した返済も増えています。
例えば楽天銀行のカードローン「スーパーローン」の場合、会員専用のインターネットサービス「メンバーズデスク」からいつでも返済できます。
手数料無料で1円単位から返済できるのでとても便利です。
返済方法には、大きく分けて約定返済と臨時返済の2種類があります。
- 約定返済:毎月の返済日に決まった金額を返済すること
- 臨時返済:毎月の返済とは別に追加で行う返済のこと
約定返済
約定返済とは、毎月の返済日に決まった金額を返済する方法です。
約定返済日は銀行によって異なりますが、複数日のなかから自分で好きな日にちを指定できる銀行もあります。
多くの銀行では、毎月の約定返済日に指定した銀行の口座から約定返済額が自動で引き落とされます。
基本的に銀行カードローンでは、返済額を決める方法としてリボ払いが採用されています。
リボ払いにもさまざまな方式がありますが、「元利定額返済方式」か「残高スライド元利定額返済方式」が使われていることが多いです。
2つの返済方式についてもう少し詳しくみていきましょう。
元利定額返済方式
元利定額返済方式とは、元金と利息を合わせた一定額を毎月の返済日に返済する方式のことです。
カードローンの借り入れ残高にかかわらず毎月一定額を返済するため、借り入れが増えても家計への影響が少なく済みます。
利息によって返済額が変わることがないため家計への負担が少なく、返済計画が立てやすいのが特徴です。
その一方で、借り入れ額が大きいとなかなか残高が減らず完済までの日数が長くなります。
その分、利息の負担が大きくなるというデメリットがあります。
残高スライド元利定額返済方式
残高スライド元利定額返済方式も、元金と利息を合わせた一定額を返済していきます。
元利定額返済方式との違いは、借り入れ残高に応じて返済額が変動する点です。
借り入れ残高によって返済額が変わるため、借り入れ額が増えると家計の負担も大きくなります。
一方で、借り入れ残高が減ると返済額も減るため、負担が抑えられるのがメリットです。
例えば三井住友銀行のカードローンの場合、残高が100万円なら約定返済額は15,000円、残高が10万円なら2,000円となっています。
臨時返済
臨時返済とは、約定返済とは別に好きなタイミングで追加で行う返済のことです。
カードローンの利息は借り入れの日数が長くなるほど大きくなる傾向があります。
そのため、お金に余裕ができたときに臨時返済を行うことで、利息の負担を抑えることができます。
銀行カードローン借入額の増額方法
銀行カードローンの金利は利用限度額によって異なると先述しました。
利用限度額が大きくなるほど金利は下がるため、借入額の増額を行うことで利息の負担を抑えられる可能性があります。
銀行カードローンの借入額の増額方法は銀行により異なりますが、電話・インターネット・ローン契約機などで手続きできることが多いです。
例えば、イオン銀行のカードローンの場合、インターネットにて増額申請が行えます。
上記のとおり、カードローン専用のマイページから簡単に手続きすることが可能です。
手順は銀行によって異なるためよくチェックしてくださいね。
増額には審査が必要なので日数がかかります。余裕をもって申請を行いましょう。
また、増額を申請したからといって必ず増額できるとは限りません。
これまでに返済の延滞などがあると増額審査で不利になってしまいます。確実に返済できるよう計画的に借り入れましょう。
また、少なくとも1年程度は利用実績を積んでから増額申請を行うようにしましょう。
銀行カードローンの審査に落ちたら
銀行カードローンを利用したいと考えてはいるものの審査が気になる、という方も多いのではないでしょうか。
これまでに支払いの延滞や債務整理など、信用情報に傷があると審査に通るのは難しいです。
また、他社からの借り入れ金額・件数が多い場合や安定的な収入がない場合も審査に通りにくくなります。
銀行カードローンは消費者金融のカードローンと比べて金利が低い分、審査が厳しい傾向にあります。
そのため、銀行カードローンの審査に落ちてしまった方は、消費者金融のカードローンを検討してみるのも1つの手です。
銀行カードローンの審査に落ちてしまった場合でも、消費者金融のカードローンなら通る場合があります。
なお、消費者金融のカードローンではインターネット上で簡易診断ができるケースもあります。
例えばアコムでは、年齢・年収・他社借り入れ状況の3つの項目を入力するだけで借り入れ可能かどうかを診断できる3秒診断を導入しています。
実際の審査結果と異なる場合があるものの、審査が不安な方は利用してみると良いでしょう。
消費者金融と銀行のカードローンの比較
消費者金融と銀行のカードローンがどう違うのかいまいち分からないという方も多いのではないでしょうか。
消費者金融と銀行カードローンの違いをまとめました。
項目 | 銀行 | 消費者金融 |
---|---|---|
法律 | 銀行法 | 貸金業法 |
担保・保証人 | 不要 | 不要 |
金利 | やや高い | 高い |
限度額 | 800万円程度 | 800万円程度 |
審査 | 厳しい | 柔軟~やや厳しい |
審査のスピード | 最短でも翌日 | 最短即日 |
無利息サービス | ない場合が多い | あり |
担保・保証人が不要な無担保ローンであり、決められた限度枠内で何度でも借り入れるできる点はどちらも同じです。
利用限度額の上限はどちらも800万円程度のところが多いです。
とはいえ、限度額は審査によって決まるため個人によってさまざまです。
それぞれのカードローンには、以下のような特徴があります。
- 銀行カードローン:金利は消費者金融ローンと比べると低めに設定されており、銀行という安心感がある
- 消費者金融のカードローン:審査がスピーディーで最短即日にお金が借りられる
それぞれの相違点についてもう少し詳しくみていきましょう。
適用される法律の違い
銀行カードローンは銀行法が適用されるのに対し、消費者金融ローンは貸金業法が適用されます。
貸金業法には総量規制が設けられており、年収の3分の1までしかお金を借りることができません。
一方で、銀行法には総量規制がありません。
総量規制がないとはいえ、他社の借り入れ状況も審査に関わりますが、この点は大きな違いだと言えるでしょう。
金利の違い
金利はどちらも高いものの、消費者金融のカードローンと比べると、銀行カードローンはやや低めに設定されていることが多いです。
種別 | 名前 | 金利(年率) |
---|---|---|
銀行カードローン | 三井住友銀行 | 1.5~14.5% |
イオン銀行 | 3.8~13.8% | |
楽天銀行 | 1.9~14.5% | |
消費者金融カードローン | アコム | 3.0~18.0% |
SMBCモビット | 3.0~18.0% | |
プロミス | 4.5~17.8% |
銀行カードローンの場合、上限金利が14.0%前後であるのに対し、消費者金融のカードローンは18.0%程度となっています。
適用金利は限度額により異なりますが、借入額が50~100万円程度の場合、上限金利が適用されることが多いです。
金利を比較する際は上限金利を見るようにしましょう。
審査の違い
銀行カードローンの方が金利が低めに設定されている分、審査は厳しい傾向にあります。
また、銀行カードローンの審査では、警察庁データベースへの照会などが行われるため、審査完了が最短でも翌日です。
銀行の口座開設が必要な場合もあり、その日のうちにお金を借りることはできません。
一方で、消費者金融のカードローンは審査がスピーディーなのが大きな特徴です。
名前 | 審査 | 融資 | 簡易審査 |
---|---|---|---|
アコム | 最短30分 | 最短即日 | 3秒診断 |
SMBCモビット | 最短30分 | 最短即日 | 10秒簡易審査 |
プロミス | 最短1時間 | 最短即日 | 最短15秒事前審査 |
※申込の曜日、時間帯によっては翌日以降の取扱となる場合があります。
※事前審査結果ご確認後、本審査が必要となります。
※新規契約時点のご融資額上限は、50万円までとなります。
最短30分程度で審査が完了し、最短即日にお金を借りることもできます。
金利よりも借り入れまでのスピードを重視するなら、消費者金融のカードローンの方が合っています。
無利息サービスの違い
銀行カードローンでは基本的に無利息サービスを利用できないと先述しましたが、消費者金融カードローンでは無利息サービスが導入されているケースも多いです。
- アコム:30日間金利0円サービス
- SMBCモビット:なし
- プロミス:30日間無利息サービス
決められた期間内であれば利息が一切かからないため、負担を抑えることができます。
うまく利用して、計画的に借り入れましょう。
カードローンを低金利で利用するために気をつけたいこと
なるべく低金利でカードローンを利用するためには以下の点に気を付けましょう。
- 借り入れを急いでいないなら銀行カードローンを選ぶ
- 上限金利をチェックする
- 短期間の借り入れなら消費者金融カードローンの利用を検討する
銀行カードローンは、その日のうちにお金を借りることはできませんが、消費者金融カードローンと比べて金利が低い傾向にあります。
金利が低ければ返済負担を抑えられるので、借り入れを急いでいないなら基本的には銀行カードローンがおすすめです。
カードローンの金利は幅広く設定されていますが、初めての方や50~100万程度の借り入れでは上限金利が適用されることが多いです。
そのため、金利を比較する際は必ず下限金利ではなく上限金利をチェックしましょう。
また、先述したとおり銀行カードローンでは基本的に無利息サービスを利用することができません。
短期間で完済できることがあらかじめ分かっているなら、消費者金融カードローンの無利息サービスの利用を検討すると良いでしょう。
無利息期間内に完済すれば利息が一切かからないため、銀行カードローンよりも負担が少なく済む可能性があります。
無理のない返済計画でカードローンの利用を
銀行カードローンについて、改めて確認しましょう。
- 金利幅が広く、審査を受けるまで適用金利がわからない
- 即日審査・融資には対応していない
- 無利息サービスが利用できない
銀行カードローンは無担保で何度でも借りられる点で非常に便利ですが、高い利息を支払うため注意点もあります。
即日審査・融資には対応していませんが、金利を重視するなら消費者金融のカードローンよりも銀行カードローンがおすすめです。
消費者金融カードローンと比べると金利は低い傾向にありますが、審査を受けるまで適用金利が分からないため、必ず上限金利を確認しましょう。
銀行カードローンは無利息サービスを利用できないため、短期間(30日程度)の借り入れなら消費者金融カードローンも検討しましょう。
いずれにせよ、カードローンの金利は低いとは言えません。しっかり返済計画を立てたうえで借り入れてくださいね。