カードローンを利用して、利息の負担が大きいと感じていませんか。
利用したカードローンの元本をまとめて返す一括返済を利用すれば、利息も最小限に抑えることができます。
ただし一括返済には注意が必要で、タイミングを間違えると思わぬ苦労をすることがあります。
そうならないためにも、あらかじめカードローンの一括返済の手順やメリット・デメリットを知っておきましょう。
この記事を読めば、カードローンの一括返済の理解が深まり、上手に返済ができるようになりますよ。
- 支払利息を抑えられる
- 借入可能額が回復する
- 返済能力があることを証明できる
- 無理な返済をすると生活が苦しくなる
- 手続きにひと手間かかる
カードローンの一括返済とは
カードローンの一括返済とは、残高をまとめて返済することです。
通常、カードローンを契約すると、毎月決まった額の返済(約定返済といいます)をします。
しかし、返済額の中には元金の他に利息も含まれています。
約定返済は毎月の返済額を少額に抑えられる反面、毎月利息を支払うことにもなるため、借入した元金の返済に時間がかかります。
だから、支払いが長期化すると利息額も膨らむのです。
一括返済なら、返済額をほぼそのまま借入元金に充当でき、利息を最小限に抑えられます。
手元に十分な資金があるなら、返済総額を抑えられる一括返済がおすすめです。
カードローンの一括返済のメリット
カードローンを一括返済するメリットは大きく分けて3つです。
ここからは、それぞれのメリットについて解説します。
- 支払利息を抑えられる
- 借入可能額が回復する
- 返済能力があることを証明できる
支払利息を抑えられる
カードローンを一括返済する最大のメリットは、支払利息を抑えられることです。
なぜ一括返済で支払利息を抑えられるのでしょうか。
まず、以下のカードローンの支払利息の計算式を理解しましょう。
支払利息=借入残高×金利(年率)×借入日数÷365日
この計算式から、借入日数が少ないほど支払利息が少額で済むことがわかります。
実際に計算してみましょう。
たとえば、100万円を金利15.00%で借入し、それを1年かけて返済した場合の利息額は以下の通りです。
その一方で、100万円を同条件で借入し、それを1ヶ月(30日)で一括返済した場合の利息額は以下の通りです。
借入日数が少ないほど支払利息が少ないので、一括返済は最も支払利息が少なくなることになります。
また、手元に返済原資があることが必要ですが、一括返済は早くすればするほど利息軽減効果が高くなります。
借入可能額が回復する
一括返済をするとカードローンの借入可能額が回復します。
借入可能額の算出方法は以下の通りです。
借入可能額=借入限度額ー借入元金残高
たとえば、借入限度額が100万円の人がすでに90万円を借入していた場合、あと10万円分しか借入ができません。
そこで借入していた90万円を一括返済すると、再び100万円まで借入ができるようになります。
返済能力があることを証明できる
カードローンの一括返済をすると、返済能力を証明できます。
これは、カードローンを一括返済した情報が、個人信用情報機関に登録されるためです。
個人信用情報機関とは、クレジットカードやローンなどの利用情報を登録している機関のことで、一括返済をした場合もローン完済の情報が登録されます。
日本の主な個人信用情報機関は以下の3つです。
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
金融機関は住宅ローンなどの各種ローンの申込を受けた際、必ず個人信用情報機関に申込者の信用情報について照会をかけ、過去の延滞や現在のローンに利用状況などを調査します。
そのため、クレジットカードやカードローンの利用履歴があっても、完済情報があれば、新たなクレジット発行や住宅ローン利用時の審査にプラスに働くでしょう。
カードローの一括返済のデメリット
カードローンを一括返済した場合に考えられるデメリットについて考察してみましょう。
- 無理な返済をすると生活が苦しくなる
- 手続きにひと手間かかる
無理な返済をすると生活が苦しくなる
一括返済をすれば利息を抑えられるからといって、手元資金に余裕がない状態で無理な返済をすると生活が苦しくなります。
ある程度のまとまった金額を一括返済するのは、必ずボーナスなどの臨時収入があったときや、貯蓄に余裕があるときにしましょう。
一括返済をすることで、次の給料日までの生活が困窮してしまっては本末転倒です。
また、複数のカードローン会社に借入をしていた場合、1ヶ所完済したとしても他社の支払いが滞ることは避けてください。
個人信用機関には延滞履歴も記録されるので、完済のメリットは失われてしまいます。
利息を1円でも抑えたいという気持ちはわかるのですが、一括返済はあくまでも余裕があるときにのみ行うようにしましょう。
手続きにひと手間かかる
カードローンは約定返済が基本となっているため、一括返済をしたい場合は別途で手続きが必要になります。
この手続きの詳細は次章で解説しますが、この手続きが煩わしいと感じる方もいるでしょう。
ただ、この手続きをするかどうかで支払総額が大きく変わるので、たとえ煩わしくとも可能なら手続きを済ませてしまうことが大切です。
カードローンの一括返済の手順
ここからは具体的に、一括返済するための手順とその際の返済方法について解説します。
カードローン会社によって細部は異なりますが、大まかな流れは以下の通りです。
- コールセンターやウェブ・アプリで借入残高を確認する
- 一括返済する日程を決める
- 返済日に応じて返済総額を計算してもらう
- 返済方法を決める
- 返済額を返済方法に従って入金する
- 必要に応じて完済証明書を発行してもらう
一括返済をする際には、返済日を明確に決める必要があります。
なぜなら、返済日が変われば利息額も変化するからです。
よって、もしも返済日に変更があった場合は、改めて返済総額を計算し直してもらう必要があります。
また、一括返済を終えたら「完済証明書」を発行してもらうことが可能です。
完済証明書は住宅ローンなどの大きな融資を受ける場合に提出を求められるケースがあるので、必要な方は発行を依頼しましょう。
なお、カードローンは一括返済を行なったとしても自動的に解約されることはありません。
一括返済をすると、カードローンを「完済」したことにはなりますが、解約をしない限りはまた利用することができます。
カードローンの利用を今後やめようと考えたなら、完済後、改めて解約を申請する必要があります。
一括返済する際の返済方法
一括返済する際の返済方法は、以下の方法が一般的です。
- 銀行振込
- 口座振替
- ATM入金
- 店舗窓口
返済方法はカードローン会社によって異なるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
また、ATMを使って一括返済する場合、手数料が発生するケースがあるため、手数料分を見越して支払う必要があるので注意が必要です。
手数料分の支払いが済まないかぎり、完済扱いにはならないので気をつけましょう。
なお、利息額を含めると1円単位の支払いになることが多いので、ATM入金をするときは硬貨の取り扱いのあるATMを利用してください。
一括返済をした方がいいケースとしないほうがいいケース
一括返済は支払総額を抑えられますが、それが常に最良の選択とはかぎりません。
一括返済をしたほうが良いケース・しないほうがいいケースをそれぞれ簡単にまとめてみました。
- 一括返済しても手元資金が十分に残る
- 大きな出費をする予定が当分ない
- ボーナスなどの大きな収入があった
- 一括返済した後の手元資金に不安がある
- 冠婚葬祭など大きな出費をする予定がある
ご自身の中で、一括返済をするメリットとデメリットを比較して、日常生活に支障のない範囲での一括返済を検討しましょう。
繰り上げ返済との違い
「繰り上げ返済」という言葉を耳にしたことがある方もいるでしょう。
繰り上げ返済とは、契約の返済期日より前に繰り上げて返済することです。
その意味で、一括返済は繰り上げ返済の一つと言えます。
- 一部繰り上げ返済
借入残高の一部を繰り上げ返済すること - 全部繰り上げ返済
借入残高の全額を繰り上げ返済すること
一般的に「一括返済」とは、「全部繰り上げ返済」のことを指して言います。
一括返済は難しいけれども、少しでも利息を抑えたい場合は、一部繰り上げ返済をうまく活用しましょう。
普段は約定返済をしつつ、まとまった資金ができた段階で「5万円」「10万円」などの区切りのいい金額を都度、一部繰り上げ返済に回す、という返済スタイルです。
一括返済よりもハードルが低く、約定返済よりも利息を抑える効果があります。
一括返済は無理せず行おう
- 支払利息を抑えられ、毎月返済より総返済額が減る
- 借入可能額が回復する
- 返済能力があることを証明できる
今回は一括返済のメリット・デメリットやその方法について解説してきました。
利息を少しでも抑えたい方に、一括返済はおすすめの返済方法です。
ただし、生活が苦しくなっては本末転倒です。
一括返済をする前に、必ず手元資金に余裕があるかを確認しましょう。
一括返済が難しければ、繰り上げ返済で少しずつ返済するだけでも、約定返済だけで返済するより利息を減らす効果があります。
繰り上げ返済をしながら、時期をみて一括で返済するなど、上手に使い分けて無理なく返済していきましょう。