カードローンを利用している場合、利用残高をこまめにチェックしていると返済計画が立てやすくなります。
反対に利用残高を気にせずに利用していると、借りすぎてしまったり、思ったように返済が進まなかったりといったケースが起こり得ます。
また、「いつの間にか預金残高がマイナスになっていた」といった事態も考えられます。
カードローンの仕組みを理解せずに利用していると、収支のバランスが崩れてしまう可能性もあるので注意しましょう。
この記事では、カードローンにより貯金残高がマイナスになる原因や、利用残高の意味と確認方法、なかなか返済が進まない場合の対処法などを詳しく解説します。
- 「自動融資」により貯金残高がマイナスになる場合がある
- カードローンの利用残高は「現在借入れしている金額」
- 残高確認は会員ページや電話、ATMでできる
- カードローンの利用残高が多いと他社審査に影響する場合がある
カードローンの利用で貯金残高がマイナスに、その理由とは
カードローンを利用していると、紐付けている銀行の預金残高がマイナスで表示されることがあります。
通常口座から残高以上のお金を引き出すことはできないので、預金残高がマイナス表示になることはあり得ません。
しかし、自動融資サービスによって残高がマイナスになるケースがあります。
- カードローンを利用中
カードローン貸付が原因かも - 総合口座を開設&定期預金残高がある
定期預金貸付が原因かも
カードローン貸付とは
カードローン貸付は自動融資機能の1つ。
公共料金やクレジットカードの料金などの引き落とし時に預金残高が不足していた場合、不足額をカードローンで自動的に融資するサービスです。
この機能があれば各種料金の支払いに遅延することがなくなり、利用停止といった事態に陥る心配がありません。
ただし、カードローン貸付が実行されると預金残高が一時的にマイナス表示になります。
マイナス表示されている金額は「カードローン貸付によって補填された金額」です。利息とともに返済が必要です。
一部銀行カードローンなどにはカードローン貸付が自動で付帯しており、外すことができません。
例えば、りそな銀行の『プレミアムカードローン』では、カードローン貸付(自動融資機能)が付帯しています。
りそな銀行の口座で引き落としを設定している方が利用できます。
定期預金担保貸付により残高がマイナスになるケースも
定期預金担保貸付とは、定期預金を担保にお金を借りるサービスです。
カードローン貸付と同じ仕組みで、紐付けしている預金口座が残高不足で引き落としできないときに、自動的に融資されます。
融資される金額は銀行によって異なり、定期預金残高の90%以内と定めているものが多いです。
定期預金担保貸付は、総合口座(普通預金、定期預金、積立定期預金などを一度に管理する口座)を開設すると自動的に設定される場合があるので注意しましょう。
定期預金担保貸付によって融資されたお金も、当然利息を上乗せして返済しなければなりません。
預金残高がマイナスになったら、カードローン貸付または定期預金担保貸付といったサービスが利用されていないか確認しましょう。
どちらも気づかないうちに利用しているおそれがあるため注意が必要です。
カードローンの利用残高とは
ここまでは預金残高の話。「カードローンの利用残高」は全く異なる意味合いを持ちます。
カードローンの利用残高とは借入総額から返済した金額を差し引いたもので、簡単にいうと「現在借入れ中の金額」を指します。
カードローン会社によっては『お借入残高』や『ご利用中残高』などと表現される場合もあります。
利用残高に表示されている金額に利息を加えた金額を返済すると、晴れて完済となります。
なお、『利用限度額』や『利用可能額』といった言葉と混同しないように注意しましょう。
用語 | 概要 |
---|---|
利用残高 (お借入残高/ご利用中残高 ) | 現在借入中の金額 |
利用限度額 (借入極度額/契約極度額) | そのカードローンで借入れができる上限額 |
利用可能額 (利用可能枠/借入可能額 ) | 現在利用可能な借入額 利用限度額から利用残高を引いた金額 |
それぞれの言葉を正しく理解することで「今自分がどれくらい借りているのか」「合計でどれくらい借りられるのか」「あとどれくらい借りられるのか」がわかります。
いずれもカードローンを計画的に利用するうえで大切な指標であるため、カードローンの明細や会員サイトなどでこまめにチェックしましょう。
カードローン残高の確認方法
カードローンの利用残高を確認する方法には、一般的に以下の手段があります。
- ホームページや専用アプリ
- 電話(サポートセンター・コールセンター)
- ATM
ただし、カードローン会社によって方法は異なります。利用中のカードローンの利用残高の確認方法は、ホームページなどでチェックしてくださいね。
それぞれの手段による確認方法を簡単に説明します。
ホームページや専用アプリ
1つ目は、カードローンのホームページや専用アプリで確認する方法です。
カードローンを契約すると、パスワード・IDが付与され会員ページが利用できます。
会員ページでは、現在の利用残高や利用限度額を始めとする契約内容確認や各種変更手続きができます。
最近では専用のスマホアプリを提供する会社もあります。スマホにダウンロードしておけば、いつでもどこでも利用残高が確認できます。
電話(サポートセンター・コールセンター)
2つ目は、電話で確認する方法です。
カードローン会社は契約者に対して専用のサポートセンター・コールセンターを用意していることがほとんどです。
パソコンやスマホの操作が苦手だったり、カードローンについて相談したいことがある場合などには電話で確認する方法がおすすめです。
カードローンのサポートセンターやコールセンターの電話番号は、各社のホームページや、ローンカードなどの裏に記載されています。
電話で利用残高を確認する場合は、カード番号や氏名、生年月日などで本人確認がおこなわれます。ローンカードを手元に用意して発信しましょう。
なお、近くに利用中のカードローンの店舗窓口がある場合は直接足を運ぶのもおすすめです。
ATM
3つ目は、ATMで確認する方法です。
ローンカードがあれば、自社ATMや提携の金融機関ATM、コンビニATMで利用残高を確認することができます(専用アプリでATMを操作できる場合もあります)。
ホームページや専用アプリで確認する方法と比べて手間がかかりますが、同時に借入れや返済もできる手段です。
また、借入れや返済時に発行される利用明細でも利用残高が確認できることがほとんどです。
ATMの注意点はメンテナンス時間があることです。カードローン会社や金融機関、提携ATMによってメンテナンス時間が異なるため注意しましょう。
カードローンの残高が多いと、他社の審査に影響する?
現在のカードローンの利用残高は、他社カードローン申し込み時の審査に影響します。
これには、『総量規制』という法律が影響しています。カードローンを利用するなら、総量規制に関する知識は必須です。
総量規制とは、過度な借入れから利用者を守るために年収の3分の1を超える貸付を原則禁止とする規制のことをいいます。
年収300万の方が借入れできる金額は最大100万円です。複数社からの借入れがある場合は合算して適用されます。
例えば年収300万円の人がA社で70万円の利用残高がある場合、新しくB社に申し込んでも借入れできるのは30万円までです。
総量規制の対象となる借入れは以下です。
- 消費金融カードローン
- 信販会社カードローン
- クレジットカードのキャッシング
銀行カードローンや、クレジットカードのショッピング枠は総量規制の対象外です。
総量規制に抵触すると、審査に落ちることは確実です。
カードローンなどの利用状況は第三者機関である信用情報機関に登録され、カードローン会社やクレジットカード会社は審査の際に照会します。
そのため、必ず他社の借入れ状況も把握されます。
すでに抱えている多くのカードローン残高は、新たにカードローンを申し込む際不利に働くと言えるのです。
利用残高が減らない理由と対処法
カードローンの利用残高をこまめに確認すると、返済しているのになかなか利用残高が減らない…と思うことはないでしょうか。
これにはいくつか考えられる原因があります。
カードローンの返済は家計を圧迫するおそれがあるため、利用残高が減らない場合はその原因と対処法を理解した上で返済していきましょう。
利息しか返済できていない
利用残高がなかなか減らない原因として多いのは「返済している金額の多くが、利息の支払いに充てられている」というケースです。
借入額に対して月々の返済額が小さいと起こり得る現象です。
仮に、借入金利(年率)14.5%で10万円借入れて毎月10,000円ずつ返済する場合と、毎月3,000円ずつ返済する場合を例にシミュレーションしてみましょう。
回数 | 返済額 | 元金 | 利息 | 残高 |
---|---|---|---|---|
1 | 10,000円 | 8,792円 | 1,208円 | 91,208円 |
2 | 10,000円 | 8,898円 | 1,102円 | 82,310円 |
3 | 10,000円 | 9,006円 | 994円 | 73,304円 |
4 | 10,000円 | 9,115円 | 885円 | 64,189円 |
5 | 10,000円 | 9,225円 | 775円 | 54,964円 |
6 | 10,000円 | 9,336円 | 664円 | 45,628円 |
7 | 10,000円 | 9,449円 | 551円 | 36,179円 |
8 | 10,000円 | 9,563円 | 437円 | 26,616円 |
9 | 10,000円 | 9,679円 | 321円 | 16,937円 |
10 | 10,000円 | 9,796円 | 204円 | 7,141円 |
11 | 7,227円 | 7,141円 | 86円 | 0円 |
合計 | 107,227円 | 100,000円 | 7,227円 | 0円 |
回数 | 返済額 | 元金 | 利息 | 残高 |
---|---|---|---|---|
1 | 3,000円 | 1,792円 | 1,208円 | 98,208円 |
2 | 3,000円 | 1,814円 | 1,186円 | 96,394円 |
3 | 3,000円 | 1,836円 | 1,164円 | 94,558円 |
4 | 3,000円 | 1,858円 | 1,142円 | 92,700円 |
5 | 3,000円 | 1,880円 | 1,120円 | 90,820円 |
6 | 3,000円 | 1,903円 | 1,097円 | 88,917円 |
7 | 3,000円 | 1,926円 | 1,074円 | 86,991円 |
8 | 3,000円 | 1,949円 | 1,051円 | 85,042円 |
: | : | : | : | : |
42 | 3,000円 | 2,933円 | 67円 | 2,688円 |
43 | 2,720円 | 2,688円 | 32円 | 0円 |
合計 | 128,720円 | 100,000円 | 28,720円 | 0円 |
見ての通り、毎月3,000円を返済した場合は第1回目の返済時元金は1,792円しか返済されておらず、残りは利息に充てられています。
10,000円返済した場合と比べると、支払額に対する利息の割合が著しく大きいことがおわかりいただけるでしょう。
毎月必ず返済しているのに利用残高がなかなか減らない場合は、支払ったお金が元金の返済に十分回っていないおそれがあります。
毎月返済する金額を見直すか、臨時返済や一括返済による「まとまった返済」をおこなうのがおすすめです。
返済後すぐに融資を受けている
言わずもがなですが、融資を受ければ利用残高は増えます。
いくら返済を着実に行っていても、融資を受ければ当然利用残高は減りません。
カードローンでは返済をおこなうと借入れできる金額(利用可能額)が回復します。
そうすると、ついつい追加融資をおこなってしまいがちですが、利用残高は減るどころか増える可能性があります。
カードローンは便利なサービスですが、自分の収入が増えているわけではありません。あくまでも”借金”です。
そのためカードローンの融資に依存していると利用残高はなかなか減りません。
返済したからとカードローンに頼りたくなる場合でも、まずは一度生活の収支を見直しましょう。
毎月どうしても生活費が足りなくなる場合は、家賃や光熱費、通信費などの固定費を根本的に見直してみてください。
カードローンの各社の残高確認方法一覧
最後に大手消費者金融各社の残高確認方法を紹介します。
- 会員ページ
- 電話:0120-109-437(受付平日9:00〜18:00)
- ATM(アイフルATM・セブン銀行・ローソン銀行・イオン銀行・三菱UFJ銀行・西日本シティ銀行・E-net・十八親和銀行)
- 店頭窓口
- 会員ページ
- 電話:0120-134-567(受付24時間)
- ATM(アコムATM・三菱UFJ銀行・セブン銀行・E-net・ローソン銀行・イオン銀行)
- 店頭窓口
- 会員ページ
- 専用アプリ
- 電話:0120-24-0365(受付24時間/オペレーター対応は平日9:00〜18:00)
- ATM(プロミスATM・三井住友銀行・セブン銀行・ローソン銀行・E-net・ゆうちょ銀行)
- LINE公式アカウント
- 会員ページ
- 専用アプリ
- 電話:0120-09-09-09(受付24時間・オペレーター対応は平日9:00〜18:00)
- ATM(新生銀行・セブン銀行・E-net・ローソン銀行・イオン銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行)
- 会員ページ
- 専用アプリ
- 電話:0120-24-7061(24時間受付)
- ATM(三井住友銀行・セブン銀行・イオン銀行・プロミスATM・セゾンATM・第三銀行・福岡銀行・十八親和銀行・熊本銀行・ローソン銀行)
各社多彩な残高確認方法を用意しています。
場所や時間に関わらず確認できる方法としては、会員ページや専用のスマホアプリがおすすめです。
カードローンの利用残高をチェックして計画的に返済しよう!
- 「自動融資」により貯金残高がマイナスになる場合がある
- カードローンの利用残高は「現在借入れしている金額」
- 残高確認は会員ページや電話、ATMでできる
- カードローンの利用残高が多いと他社審査に影響する場合がある
カードローン利用中に残高でマイナスが表示された場合、カードローン貸付が原因である可能性が高いです。
マイナスで表示されている金額は、カードローンで借入れをしている金額です!
つまり借金なので、返済額や方法をしっかりチェックしましょう。
また、カードローンを利用するにあたって利用残高をこまめにチェックすることをおすすめします。
利用残高は「現在借入れしているお金」であり返済計画に欠かせません。
返済期間が長くなると利息が膨らみ、利用残高が減りにくくなる傾向にあります。
利用残高を確認しつつ、余裕があるときは臨時返済や一括返済を活用して利用残高を減らすよう意識しましょう。