消費者金融の借金は時効になる?借りたお金は踏み倒せるのか

借金で首が回らない。お金を返さず踏み倒してしまいたいと感じるかもしれませんが、金融業者からの借金の踏み倒しはほぼ不可能です。借金の時効が成立する例もありますが、条件が整う例はごくわずかです。「消費者金融からの借金を踏み倒せるかどうか」について詳しく解説します。
  • 2021年8月13日
  • 2021年8月12日
借金は時効になる?

金融業者からの借金は利息がつきます。

借り入れを繰り返すうちに返済額が大きくなり、返済が難しい状態になってしまっている人も多いのではないでしょうか。

お金を返さず踏み倒してしまいたいと感じるかもしれませんが、金融業者からの借金の踏み倒しはほぼ不可能です。

時効は存在するものの、時効が適用されるケースはごくわずかで、手遅れになる前に何らかの対策を行うことが重要です。

この記事では、消費者金融での借金について、時効になる条件や借金を放置した際のリスクを詳しく解説します。

借金を放置した際に発生するリスク
  • 延滞損害金の発生
  • 自宅や勤務先への督促が続く
  • ブラックリストに掲載される
  • 差し押さえの危険

そもそも借りたお金は踏み倒せるものなのか

考える女性

冒頭でも少し触れた通り、消費者金融などの金融業者から借り入れたお金の踏み倒しは非常に難しいです。

その理由は、返済をやめて督促を無視しても、返済義務が消滅することがないためです。

ただ「消滅時効」が成立した場合は、借金を返済する必要はなくなりますが、時効の成立には複数の条件があります。

そして、ほんどの場合は時効が成立することはありません。

インターネットで「大手消費者金融からの借金を返済せずに済んだ」などの書き込みを見かけたことがあるかもしれません。

しかし、期待を持ち勝手に返済をやめず、できる限り返済することに努めましょう。

なお借金で苦しいときの対処法については、後ほど詳しく紹介します。

消費者金融の借金が時効になる条件とは

チェックリスト

では、消費者金融の借金が時効になる条件とは、どのようなものなのでしょうか。

消滅時効が成立するための条件は、以下の通りです。

消滅時効が成立するための条件
  • 返済期間から5年が経過している
  • 時効の更新事由がない
  • 時効援用の手続きを行っている

消滅時効が成立するためには、3つの条件にすべて当てはまっている必要があります。

以下、1つずつ詳しく解説します。

返済期間から5年が経過している

1つ目は、返済期間から5年が経過していることです。

民法第166条によれば、時効が消滅するのは以下のケースであるとの記述があります。

第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

引用:民法 | e-Gov法令検索

上記の記述ではいつから時効になるのかがわかりにくいですが、時効のカウントは、事前に定められた返済期日によって以下のように変化します。

消滅時効のカウント方法
  • 返済期日が決まっている場合
    返済期日の翌日が1日目
  • 返済期日が決まっていない場合
    借金をした日の翌日が1日目

たとえば50万円を借り、半年後に返済する契約をした場合について考えてみます。

すると「権利を行使することができるとき」=半年後となり、借り入れから半年後の翌日から時効のカウントをはじめることになります。

ただ消費者金融からの借金は、毎月一定の金額を分割で返済するケースがほとんどです。

分割で返済を行った場合についても考えてみましょう。

たとえば消費者金融から40万を借り、毎月3万円を支払う契約だった場合は、最初の返済期日の翌日から5年経過した時が時効と考えられます。

時効の更新事由がない

2つ目は、時効の更新事由がないことです。

消費者金融から借金をした場合の時効は5年ですが、ある事(更新事由)が起きると時効がリセットされ、1から数え直しとなります。

この時効が数え直しになることを「時効の更新」と呼び、以下のようなケースが時効の更新事由となります。

時効の更新事由
  • 金融業者が裁判所に支払督促申立てを行う
  • 返済者が返済期日の延長を依頼する
  • 返済者が支払い方法について話し合ったり交渉したりする
  • 返済者が借金の一部を返済する

消滅時効のカウントから5年が経過するまでに、上記の事由が1つも発生しなければ、時効は成立となります。

なお時効の更新事由については、後ほど詳しく解説します。

時効援用の手続きを行っている

時効の援用とは、消滅時効の成立を債権者に対して主張することです。

上記の2つの条件に当てはまっていても、時効援用の手続きを行わなかった場合は、借金の消滅時効は成立しません。

逆に時効の援用手続きを行えば、借金の消滅時効が成立し、借金が0円になります。

なお時効援用の手続きは、内容証明郵便による「援用通知」の送付が一般的です。

内容証明郵便は書き方に細かな指示があるため、詳しくは郵便局のホームページを確認してください。

上記の2つの条件に当てはまれば、援用通知を送付することで消滅時効は成立します。

ただ援用通知を送付しても、時効が成立していなかった場合は、債権者から反論される場合もあります。

借金の消滅時効の期間については、司法書士に依頼することで確認できます。

判断に悩む場合は自分で行わず、一度司法書士に相談するとよいでしょう。

時効が消滅しないケースとは

クレジットカードとお金

先述の通り「時効の更新事由」が1つでも発生した場合は、時効はリセットされてしまいます。

ここでは、以下の時効の更新事由について詳しく解説します。

時効の更新事由
  • 金融業者が裁判所に支払督促申立てを行う
  • 返済者が債務を承認する

金融業者が裁判所に支払督促申立てを行う

1つ目は、金融業者が裁判所に支払督促申立てを行うことです。

この支払督促申立ては消滅時効を中断させるために行われることが多く、実行されると、裁判所から返済者宛に支払督促が送られてきます

ただ、支払督促が送付された場合は必ずしも時効が消滅する訳ではありません。

もし既に時効期間が満了している場合は、2週間以内に異議申し立て・時効の援用を行うことで、時効を成立させられます。

また時効期間の満了・未満了に限らず、支払督促を無視したままにすると、最悪の場合は給与等を差し押さえられる場合もあります。

支払督促が届いた場合は無視をせず、弁護士などの専門家に相談するとよいでしょう。

返済者が債務を承認する

2つ目は、返済者が債務を承認した場合です。

債務の承認とは、返済者が自身に債務があると認めることを指します。

と言ってもわかりにくいので具体的に説明すると、

  • 返済期日の延長を依頼する
  • 支払い方法について話し合ったり交渉したりする
  • 借金の一部を返済する
  • 借金の減額交渉をする

などの行為により、債務があると認めたことになってしまうのです。

また借金返済を猶予してもらいたいとの申し入れも、債務の承認と見なされます。

借金を放置するとどんなリスクがあるのか

注意点

借金の額がふくらんでいくと、返済が苦しくなり、借金を放置してしまう人も多いです。

また借金を放置すればいずれ時効になり、返済せずに良くなるのではと思う人もいるかもしれません。

しかし借金は放置しても返済額が減ることはなく、むしろ事態は悪化してしまいます。

ここでは、借金放置時に発生するリスクについて解説します。

借金放置時に発生するリスク
  • 延滞損害金の発生
  • 自宅や勤務先への督促が続く
  • ブラックリストに掲載される
  • 差し押さえの危険

延滞損害金の発生

借金を返済しないまま放置すると、「延滞損害金」と呼ばれるペナルティを支払うことになります。

延滞損害金は通常の金利よりも高く、たとえば大手消費者のアコムでは、年率20.0%を延滞日数に応じて支払う必要があります。

計算は「残高×延滞損害金年率÷365日×期間の利益の喪失日の翌日からの経過日数」で求められます。

期間の喪失日、つまり返済期日から日にちが経つほどに、返済額は増えていくことになります。

また当然ですが、返済が遅れた際には延滞損害金だけでなく、通常の金利も増え続けます。

よって返済金額は「元本+金利+延滞損害金」となり、気がついた時には返済金額が、借り入れ金額の何倍にも大きくふくらんでしまっているケースも少なくありません。

自宅や勤務先への督促が続く

また自宅や勤務先への督促が続くことも、大きなリスクの1つです。

返済期日を過ぎてまだ日が経っていない頃は、本人への電話連絡のみで済みます。

しかし電話に出なかったり、督促を無視し続けたりした場合は、自宅への手紙や勤務先への電話連絡が行われる場合も多いです。

家族に黙って借金をしている場合は、家に連絡が来ることで家族にもバレてしまうほか、職場の人にも迷惑がかかることになります。

また督促は返済が遅れるほどに頻繁に連絡が来るようになり、1日に何度も電話が来たり、手紙が送られてきたりすることもあります。

ブラックリストに掲載される

借金を放置すると、信用情報機関に情報が掲載され、ブラックリスト入りしてしまいます。

信用情報機関とは、過去の支払い履歴やローンの契約情報など、支払いに関する個人情報を登録している機関のことです。

クレジットカードを申込む際や、ローンを組む際はこの信用情報機関の情報を確認されます。

そして「この人物は返済を滞る可能性がある」と判断された場合は審査に落ち、カードを発行したり、ローンを組んだりすることができません。

信用情報機関のブラックリストに掲載されると、あらゆる審査に通りにくくなり、新たに借金をすることが大変むずかしい状態となります。

またブラックリストに掲載されると、クレジットカードの発行や借金が不可能になるだけでなく、携帯電話の本体代金などの分割払いすらできない可能性も高くなります。

差し押さえの危険

また督促を無視し続けていると、給料や財産を差し押さえられる可能性もあります。

督促は、はじめは電話や手紙で行われますが、それでも無視していると、裁判所から訴状や支払督促が届きます。

そして訴状や支払督促が届いているのに対し、何もせずに放置すると、給料や財産などを差し押さえられるケースも少なくありません。

差し押さえは強制的に行われるので、最も恐れるべきリスクと言えるでしょう。

借金で苦しいときの対処法

カレンダーとお金

返済が苦しくなるとどうしても借金を放置したくなりますが、借金の放置には、上記のような数多くのリスクが存在します。

では、借金で苦しいときはどうすればよいのでしょうか。

ここでは、3つの対処法を紹介します。

借金で苦しいときの対処法
  • 消費者金融のコールセンターに電話をかけて相談する
  • より金利の低い金融機関のおまとめローンを利用する
  • 債務整理を検討する

消費者金融のコールセンターに電話をかけて相談する

返済に困ったら放置せず、まずは消費者金融のコールセンターに電話をかけて相談をしてみましょう。

電話口では、「返済日までの返済がむずかしいため、利息のみの支払いを希望したい」と伝えます。

金融業者も、延滞をされるよりは少額でも返済してもらいたいと考えるため、電話口で入金予定日までの利息を計算してくれます。

利息額は借入額よりも少額なので、取り急ぎ今月分の利息だけを支払えば、当月の返済を乗り切れることになります。

また近々入金の予定があり、予定日を過ぎるが支払えそうな場合は、支払いができる日を正直に伝えるようにしましょう。

もし支払いが遅れ、金融業者から電話がかかってきた場合は、返済意思があることや、返済可能な日にちを伝えることが重要です。

より金利の低い金融機関のおまとめローンを利用する

複数社から借り入れを行っている場合は、借り入れ先を1つだけに絞ることも効果的です。

複数社から借り入れを行っていると、毎月の返済日が多くなるほか、金利の高いローンの分、返済額も増えてしまいます。

しかし複数社からの借り入れを金利の低い1社にまとめることで、返済日が減り、毎月の支払い額を減らすことができます。

たとえばA・B・Cの3社から合計100万円を借りていて、金利はそれぞれ18%・17%・18%だったとします。

3社は金利が高いため、毎月の返済額も多くなってしまいます。

しかしこの借金を金利15%のD社にまとめることで、毎月の返済額が下がるほか、3回あった返済日を1回のみにすることも可能になります。

この複数社のローンを一本化できるローンは「おまとめローン」と呼ばれ、様々な金融業者が提供しています。

現在複数社から借り入れをしており、高い金利で借金をしている場合は、おまとめローンへの乗り換えを検討するとよいでしょう。

債務整理を検討する

上記2つの方法でも返済が困難な場合は、債務整理も検討しましょう。

債務整理を行うと、借金の額を減らすことや、可能な範囲内での返済が行えるようになります。

債務整理には、

  • 任意整理:金融業者との交渉により返済額を調整する
  • 個人再生:借金を大幅に減額し、残った借金を返済していく(裁判所を通す)
  • 自己破産:破産申請書を裁判所に提出し、借金を免除する

の3種類が存在し、その人の状況に応じて適切な方法が選択されます。

債務整理を希望する場合は、一度司法書士や弁護士事務所に相談してみてください。

消費者金融からの借金は踏み倒せないと考えた方がよい

JCB CARD W/Plus L

この記事では、「消費者金融からの借金を踏み倒せるかどうか」について解説しました。

最後に、もう一度借金発生時に発生するリスクについてまとめます。

借金放置時に発生するリスク
  • 延滞損害金の発生
  • 自宅や勤務先への督促が続く
  • ブラックリストに掲載される
  • 差し押さえの危険

消費者金融からの借金は、時効の更新事由がなく期間を満了し、時効援用の手続きを行った場合にのみ、時効が適用されます。

しかし借金の放置には多くのリスクが存在するため、時効を待ち、借金を放置することは良い方法とは言えません。

借金額がふくらみ、返済がむずかしくなった場合は放置せず、早めに金融業者や司法書士・弁護士に相談することをおすすめします。