限度枠の範囲内で何度でも気軽に借り入れられるカードローンは便利ですが、延滞した場合のリスクについてきちんと理解できていますか。
カードローンの返済に遅れてしまうとカードローンが利用できなくなるだけでなく、遅延損害金が発生したり他のローンの審査に通過できなくなるなどさまざまな良くない事態が起こります。
そこで本記事では、カードローンの延滞についてまとめました。
延滞により起こりうるリスクや返済が遅れそうなときの対処法、延滞しないためのポイントなども解説するので参考にしてください。
- カードローンが利用停止される
- 返済日の翌日から遅延損害金が発生する
- 信用情報に傷が付く
- 一括返済を求められたり強制解約や差し押さえの可能性も
カードローンの延滞とは
カードローンの延滞とは、返済日に約定返済額を返済できないことです。
一般的にカードローンは、毎月決められた日に決まった額を返済します。返済方法は金融機関により異なりますが、主に口座引き落としや振込です。
返済する資金がなく返済が遅れるのはもちろん、口座に入金することをうっかり忘れていて引き落としできなかった場合も延滞と扱われます。
確実に返済するためには、必ず約定返済日の前営業日までに口座に入金または振り込むことが必要です。
カードローンを延滞するリスク
誰にでもうっかりすることはあり、カードローンを利用する以上延滞の可能性はあります。
では、カードローンを延滞してしまうとどのようなリスクがあるのでしょうか。
- 利用停止される
- 遅延損害金が発生する
- 信用情報に傷が付く
- 一括返済や強制解約
利用停止される
カードローンを遅延してしまうと、きちんと返済するまではカードローンの利用が停止されます。
以下はみずほ銀行の公式サイトからの引用です。
カードローンの返済日に残高不足になった場合は延滞となり、カードローンが利用できなくなります。
利用いただくには、延滞分のご返済が必要です。
利用限度枠が残っているかどうかにかかわらず利用できなくなります。
利用停止されるタイミングは金融機関によって異なります。
延滞してすぐに利用が停止されるケースは少ないですが、金融機関からの連絡を放置して返済せずにいると新たな借り入れができなくなるのは確かです。
遅延損害金が発生する
カードローンを延滞してしまうと、その翌日から遅延損害金が発生します。
遅延損害金とは、カードローンの返済が遅れてしまった場合に発生する罰金のようなものです。
多くの金融機関は、遅延損害金の金利は通常のカードローンの金利よりも高く設定しています。
延滞元金×遅延損害金利率×延滞日数÷365日
上記の式から分かるとおり、損害遅延金は日割りにて算出されます。
返済が遅れれば利息だけでなく、遅延損害金の額も大きくなるので1日でも早く返済しましょう。
信用情報に傷が付く
カードローンの延滞すると信用情報機関に一定期間記録され、信用情報に傷が付いてしまいます。
カードローンに限らず、クレジットカードや住宅ローンなどを申し込むと、必ず各社は信用情報を照会して審査を行います。
そのため、契約している金融機関だけでなく他社にも延滞履歴が簡単に知られてしまいます。
信用情報はローンなどの審査において返済能力を判断する重要な材料です。
信用情報に傷が付くと、クレジットカードやローンの審査に通過するのが難しくなります。
延滞した分をすべて返済したからといって信用情報の記録がすぐに消えるわけではないので注意しましょう。
なお、信用情報機関に記録されている情報は自分自身で照会することも可能です。
延滞などの情報が記録されているかどうか心配な方は、信用情報機関に開示の手続きを行ってみてください。
一括返済や強制解約
延滞したまま放置していると、一括返済を請求されたりカードローンを強制解約されるおそれもあります。
強制解約されると、もちろん新たな借り入れをすることはできません。
延滞分をすべて返済したとしても、強制解約されたカードローン会社と再度契約することはまずできないと思っていてください。
他のクレジットカードやローンの契約も難しくなるため、信用情報に記録されている間はローンを一切利用できなくなってしまいます。
カードローンを延滞してしまったら
カードローンを延滞すると具体的にどうなるのでしょうか。
- 借入先金融機関から電話・メール等で連絡がくる
- 督促状が届く
- 一括返済を求められる
- 強制解約や差し押さえ
カードローンを延滞してしまうと、まずは借入先金融機関から電話や郵便、メールなどで確認の連絡が来ます。
入金をうっかり忘れていたという場合もあるので、この段階でいきなり厳しく督促されるわけではありません。
金融機関によっては返済日に返済できなかった場合、その日のうちに入金すれば再度引き落とされるケースもあります。
延滞してしまったら、まずはすぐに入金しましょう。
先述のとおり遅延損害金は延滞の翌日から発生するので1日でも早い行動が大切です。
金融機関からの連絡に対してすぐに対応せず放っておくと、次に督促の電話や督促状が届くようになります。
郵便で届くこともあるため、場合によっては家族に知られてしまう可能性もあるでしょう。
督促が来てもさらに返済せず放置していると、一括返済を求められたりカードローンが強制解約される可能性もあります。
最終的には、裁判所に起訴され財産が差し押さえられるといった事態になりかねません。
返済できないからといって金融機関からの連絡を無視することは絶対に避けましょう。
返済が遅れそうなときはどうする
返済が遅れそうなときの対処法について解説します。
- 速やかに金融機関に連絡する
- 返せる分だけでも返済する
- 債務整理を検討する
速やかに金融機関に連絡する
カードローンの返済に遅れてしまいそうなことが事前に分かったら、なるべく早く借入先に連絡しましょう。
その際、「何日までに何円なら返せる」などと正直に話し、返済する意思があることを伝えることが大切です。
状況や返済できる日にちを伝えることで、場合によっては返済額を一時的に減らしてくれたり返済期日を遅らせるといった対応をとってくれる可能性があります。
返済できないことを伝えるのが気まずいからといって放置していても問題は解決されません。
むしろ連絡が取れないと事態は悪化するので、まずは連絡を取るようにしてください。
返せる分だけでも返済する
返済日に決められた返済額が用意できないとしても、返せる分だけでも返済することが大切です。
相談をすることで返済額の減額などの措置をとってくれる場合もあるので、いくらなら返せるのかを伝え、金融機関としっかり相談してください。
債務整理を検討する
どうしても返済できない場合、最終手段として債務整理を検討するのも1つです。
債務整理とは借金返済を解決するための法的な手続きのことを言い、任意整理や自己破産などの方法があります。
- 任意整理
交渉により借金の減額や利息の免除などを受けることで返済しやすくする手続きのこと - 自己破産
裁判所の許可を受けて借金の支払い義務を免除してもらう手続きのこと
いずれも弁護士などに依頼して行うのが一般的です。
債務整理の履歴も信用情報に記録されるため、以後クレジットカードやローンの契約は難しくなります。
当然ながらデメリットもありますが、どうしても返済できないときに借金返済の苦しみから救われる手段でもあります。
多重債務に陥ったり違法な金融機関からの借入を検討したりする前に、債務整理という方法があるということも頭に入れておきましょう。
一人で抱え込まず、まずは相談することが大切です。
カードローンを延滞しないためのポイント
最後に、カードローンを延滞しないためのポイントを解説します。
- きちんと返済計画を立てる
- 支出の見直しをする
- 返済日前に入金できているか再度確認する
- 返済額や返済日を見直す
- 余裕があるときは追加返済する
きちんと返済計画を立てる
まずは借入残高や適用されている金利、利息の額についてしっかり把握しましょう。
カードローンは利用限度枠の範囲内であれば何度でも借り入れられるため、気付かないうちに借り入れ残高が大きくなってしまいがちです。
急な出費にも対応できる便利さの反面、借りすぎてしまうリスクがあります。
必要以上に借りてしまわないよう、常に借入残高や利息額を把握しておくことが大切です。
金融機関によって確認方法は異なるものの、電話やインターネットなどで気軽に確認できます。
また、多くの金融機関はインターネット上で返済シミュレーションツールを提供しています。
借り入れ状況を把握したうえで返済シミュレーションを行い、いつ完済するのかをきちんと決めておきましょう。
あらかじめ返済計画を立てることが確実な返済につながります。
家計の見直しをする
毎月の返済が苦しく感じているなら、改めて家計の見直しをしてみてください。
毎月何にどれだけ支出しているのかをきちんと把握できていますか。使途不明な支出があれば内訳を見直しましょう。
収入をいきなり増やすのは難しいかもしれませんが、支出は固定費の見直しなどを行うことで大きく減らせる可能性があります。
例えば、スマホを格安スマホに乗り換えるだけでも毎月数千円通信料を減らすことが可能です。
電力会社の乗り換えや保険の見直しなども効果的です。ムダな支出がないかを今一度確認しましょう。
返済額や返済日を見直す
契約しているカードローンの返済額を見直すのも1つです。
返済額を減らすことで、家計への圧迫を軽減できる可能性があります。
ただし、返済額を減らせば毎月の負担は少なくなりますが、その分返済期間が長くなり総返済額が大きくなる点には要注意です。
シミュレーションをしっかり行ったうえで慎重に決めましょう。
また、返済日を返済しやすい日に設定することも大切です。
金融機関によっては複数の日にちから選べたり、任意の日にちを指定することも可能です。
給料日のすぐ後に設定しておけば給料が入ったあとにすぐに引き落とされるため、資金不足になる心配がありません。
そのほか、自宅から近くにあるATMで返済できるか、インターネット返済に対応しているかなど、自分にとって返済しやすいかどうかも併せて見直しましょう。
返済日前に入金できているか再度確認する
返済日が近付いたら、口座への入金や振込ができているかを再度確認しましょう。
入金していると思っていても、うっかり入金できていないことは誰にでも起こり得ます。
特に、複数のカードローンを利用している場合、返済日が異なることで日にちを勘違いしてしまうケースもあるでしょう。
金融機関によっては事前にメールなどで通知してくれるサービスも提供しているので積極的に利用しましょう。
余裕があるときは追加返済する
一般的にカードローンは、毎月の約定返済に加えてATMなどで随時「追加返済」も行えます。
追加返済をすると完済までの期間が短縮され、総返済額を減らすことができます。
資金に余裕のある月は、約定返済だけでなく追加返済も積極的に行いましょう。
ただし、追加返済でまとまった額を返済することで家計が圧迫されて延滞してしまうと元も子もありません。
追加返済は早期完済するためには有効ですが、あくまでも無理のない範囲で行うことが大切です。
カードローンは一括返済で得をする!メリット・デメリットと手順を解説カードローンは返済計画を立てて確実な返済を
カードローンの延滞について改めて確認しましょう。
- カードローンが利用停止される
- 返済日の翌日から遅延損害金が発生する
- 信用情報に傷が付く
- 一括返済を求められたり強制解約や差し押さえの可能性も
カードローンを延滞すると、新たな借り入れができないのはもちろん、返済日の翌日から遅延損害金が発生します。
延滞した事実は信用情報として記録されるため、他のクレジットカードやローンの契約も難しくなるでしょう。
督促を放置していると、一括返済を求められたり、強制解約や給与差し押さえといった措置がとられる可能性もあります。
返済できないからといって連絡しないでいると事態は悪化するだけです。返済できないことが分かった時点ですぐに金融機関に連絡しましょう。
返済計画をきちんと立てて無理のない範囲内でカードローンを利用し、延滞することなく確実に返済しましょう!