カードローンの利用を検討しているものの、金利についていまいち理解できていないという方も多いのではないでしょうか。
カードローンを利用するうえで金利への理解は欠かせません。
金利の仕組みをきちんと理解できていなければ、想定以上に返済負担が大きくなってしまう可能性もあります。
本記事では金利を使った利息の計算方法から、お得にカードローンを利用するためのテクニック、金利について知っておくべき基礎知識などについて解説します。
- カードローンの利息は元金に上乗せして支払う利用料
- カードローンの金利は元金に対する利息の割合
- 金利には幅があるが、上限金利(実質年率)を比較
- 増額をする
- 信用度を高める
- おまとめローンや借り換えを申し込む
- 最低限のお金を借りて、なるべく早く返す
カードローンの金利とは
カードローンの金利とは、借入金の元金に対する利息の割合のことで、”%”で表されます。
金利はカードローン各社が定めているため、会社によってさまざまです。
カードローンの金利は「4.0~18.0%」といったように設定されており、この場合、18.0%を上限金利、4.0%を下限金利と言います。
金利が幅広く設定されているのは、カードローンの利用限度額により適用される金利が異なるからです。
利用限度額とはお金を借り入れられる上限のことで、審査により決まるため人によって異なります。
金利とは「利息」を計算するための割合
そもそもカードローンの金利とは、お金を1年間借りると利息がどれだけ発生するかの割合です。
例えば10万円を1年間借りて、利息が1万5,000円発生したとすると、以下の計算式で金利が割り出せます。
「1年間」お金を借りたときの利息の割合というのが、カードローンの金利を理解するためのポイントです。
そのため金利のことを「年金利」「年率」「年利」と表記しているケースも見られます。
なお、マンガなどで違法な金融機関が「10日で5割」といった条件でお金を貸すシーンをみたことがある方も多いかもしれません。
これは10万円を10日間借りた場合、5万円の利息が発生してしまうということです。
いかに法外な金利かということがわかりますね。
一般的に名の知れたカードローン会社であれば、上記のような違法な金利ということはあり得えません。
金利と実質年率の違い
金利と似たような単語として実質年率があります。
金利と実質年率ですが、事実上同じと認識して差し支えありません。
正確には金利に事務手数料などを加えたのが実質年率です。
ですが、多くのカードローン会社では事務手数料などが無料となっています。
そのため、結果としてカードローン会社の金利と実質年率は同じものになるのです。
銀行系カードローン会社では金利(あるいは年金利)と表記し、消費者金融系カードローン会社では実質年率と表記しているケースが多く見られます。
利息は借入額・金利・借りた日数で決まる
利息の計算方法は後ほど詳しく説明しますが、基本的には金利・借入額・借りた日数という3つの要素で決まります。
金利をチェックすることも大切ですが、最低限必要な金額だけを借り、できる限り早急に返すということも忘れてはいけません。
カードローンには上限金利がある
カードローンの金利ですが、利息制限法という法律によって上限が定められています。
- 10万円未満:20.0%
- 10万円以上100万円未満:18.0%
- 100万円以上:15.0%
基本的には借入金額が多くなるほど、利息が小さくなる傾向です。
10万円未満:20.0%
10万円未満ですと、上限金利は20%です。
例えば5万円を1年間借りた場合、最大の利息は5万円×20%=1万円です。
なお、上限20%ギリギリまで金利を設定しているカードローン会社は少ないようです。
例えば、アコムですと10万円未満の金利は18.0%に設定されています。利息は5万円×18%=9,000円です。
10万円以上100万円未満:18.0%
10万円以上100万円未満の場合、上限の金利は18.0%に定められています。
ですから20万円を1年間借りた場合、発生する利息は最大でも3万6,000円ということになります。
100万円以上:15.0%
100万円以上借りた場合、金利の上限は15.0%と定められています。
例えば200万円を1年間借りた場合、最大の利息は200万円×15.0%=30万円です。
このように、利用額が増えるほど金利が低くなっています。
上記が法律で定められた上限の金利です。これを超える利息は違法なので、一般的にはあり得ません。
仮に、上記を超える金利のカードローン会社を見かけた場合、絶対に近づかないようにご注意ください。
実際のカードローンの金利を見てみると、もう少し金利を低く設定しています。
例えばアコムの金利を見てみると以下です。
- 100万円~300万円:7.7%~15.0%
- 301万円~500万円:4.7%~7.7%
- 501万円~800万円:3.0%~4.7%
上限である15.0%と比較すると、やや低めですよね。
カードローンの金利は会社によって違う
- 基本的に簡単にお金が借りられるほど金利は高めな傾向
- 消費者金融系カードローン会社の30日金利0サービスは見逃せない
金利が利息を計算するための割合で、法律によって上限が定められているということは見てきたとおりです。
そんな金利ですが、カードローン会社で一律かというと、そんなことはありません。カードローン会社によってまちまちです。
一般的に消費者金融系など、お金を借りやすいカードローン会社ほど金利は高めに設定されています。
例えば消費者金融系大手であるアコムの金利は3.0%~18.0%です。
一方、審査のきびしい銀行系カードローンは金利が低めで、三菱UFJ銀行のカードローンであるバンクイックは1.8%~14.6%です。
とはいえ、銀行系のほうが絶対にお得なのかというとそうとも言い切れません。
例えば大手消費者金融では「初めての人に限り、最大30日間利息0円」といったサービスを展開しています。
つまり、30日以内に返済すれば、利息はかかりません。借りた額だけを返せばよいということです。
このように、カードローンの金利は金融機関によっても大きく異なります。
カードローン利用の前には、いつまでにいくら必要なのかを考えてみてください。
それによって、選ぶべきカードローン会社が見えてくるはずです。
カードローン利息の計算方法
実際に自分が借り入れた場合に、どの程度の利息がかかるのかイメージできないという方も多いのではないでしょうか。
カードローンの利息は、以下の計算式で算出します。
必要な数字は「金利」「借入額」「借入期間」の3つです。
仮に金利が15.0%、借入額が50万円、借入期間が100日で考えてみましょう。
- 借入金額:50万円
- 金利:15.0%
- 借入期間:100日
利息は、50万円×15.0%÷365日×100日=20,547円(1円未満切り捨て)となります。
うるう年で1年が366日の場合には、365を366として計算します。
利息を少なくするためには金利はもちろんですが、借入額や借入期間を少なくすることも重要です。
カードローンの金利を下げて最安で借りる方法
カードローンを利用する場合、「できる限りお得に」や「利息は小さく」というのは誰もが考えることです。
本章ではカードローンの金利を下げて最安で借りる方法について解説していきます。
- 増額をする
- 信用度を高める
- おまとめローンや借り換えを申し込む
- 最低限のお金を借りて、なるべく早く返す
増額をする
増額申請をして審査に通れば、利用限度額が上がり金利を下げることができます。
例として楽天銀行が取り扱うカードローンの金利をみてみましょう。
利用限度額 | 金利 |
---|---|
800万円 | 年1.9~4.5% |
600万円以上800万未満 | 年3.0~7.8% |
500万円以上600万未満 | 年4.5~7.8% |
350万円以上500万円未満 | 年4.9~8.9% |
300万円以上350万円未満 | 年4.9~12.5% |
200万円以上300万円未満 | 年6.9~14.5% |
100万円以上200万円未満 | 年9.6~14.5% |
100万円未満 | 年14.5% |
このように、借入金額が大きくなれば金利が低くなります。
増額申請の方法はカードローン会社によって異なるためよく確認してくださいね。
なお、カードローンで借り入れられる金額は、貸金業法の総量規制で制限されています。
この総量規制という制度により、年収の3分の1を超える借り入れはできません。
そのため、増額申請する際の額が大きすぎると審査に通らない可能性が高まります。
信用度を高める
金利は個人の信用度によっても大きく変わります。
例えばアコムの場合99万円までの利用の金利は7.7%~18.0%です。7.7%と18.0%では大きな違いですよね。
実際、50万円を1年間借りたとすると、7.7%では3万8,500円なのに対し、18.0%ですと9万円となります。
差額は5万1,500円と、決して少ないとは言えない金額です。
どうすれば7.7%を目指せるのか?それは信用度を高めるしかありません。
借りたお金は期日までにきちんと返済する、勤めている会社の勤続年数を増やす、そういった地道なことの積み重ねで信用度は上がるものです。
なお、信用度には他社カードの利用状況なども影響する可能性があります。
というのも信用情報は第三者機関を通じ、金融会社で共有している情報だからです。
返済がちょっと遅れた…なんてことを繰り返していますと、信用度が上がることはありません。
カードローンやクレジットカードなどは計画的に利用することが欠かせません。
おまとめローンや借り換えを申し込む
おまとめローンや借り換えを申し込むのも1つの方法です。
おまとめローンで借金を1本化する
おまとめローンとは、複数の借り入れを1つにまとめて返済することです。
1つにまとめるとその分借入額が増えます。借入金額が大きいほど金利は低くなるため、金利が下がる可能性があるのです。
金利が下がるだけでなく、返済方法や返済日も1つになるため管理しやすいというメリットもあります。
ただし、月々の返済額が減り返済期間が長くなれば返済総額が増えてしまう可能性があります。
もちろん審査も新たに必要なので、必ずしも利用できるとは限りません。
カードローンの借り換えで金利を見直す
借り換えとは、今より金利が低い他社カードローンを契約し直すことです。金利が下がれば利息が少なくなるため、返済総額の負担を抑えられます。
ただし、返済期間が長くなり返済総額が高くなってしまう可能性がある点に注意が必要です。
金利が今より低いからといって必ずしも借り換えするべきだとは限らないことを知っておきましょう。
また、借り換えするためには再度審査が必要です。審査に通らなければ借り換えができない点も頭に入れておきましょう。
借り換えにおすすめのカードローン5選|返済負担が軽くなる低金利銀行を比較最低限のお金を借りて、なるべく早く返す
カードローンを利用する際、金利にばかり目がいきがちですが、利用額を抑え、なるべく早く返済するということも欠かせません。
例えば、50万円を金利15%で、90日借りた場合と120日借りた場合を比較してみましょう。
- 50万円を90日借りた場合
500,000円×15%×90日÷365日=18,493円(1円未満切り捨て) - 50万円を120日借りた場合
500,000円×15%×90日÷365日=24,657円(1円未満切り捨て)
その差は6,164円です。90日と120日というちょっとした違いで、利息が変わることがわかります。
次に、90日借りたという条件は同じにして、50万円と70万円で比較してみましょう。
- 50万円を90日借りた場合
500,000円×15%×90日÷365日=18,493円(1円未満切り捨て) - 70万円を90日借りた場合
500,000円×15%×90日÷365日=25,890円(1円未満切り捨て)
その差は7,397円です。この場合もやはり利息が変化します。
借入金額や借入日数が増えれば、利息の差はさらに大きくなります。
カードローンの利用を検討するうえで、金利は大きなポイントとなることが分かりますね。
金利をチェックして、カードローンをお得に利用
- 増額をする
- 信用度を高める
- おまとめローンや借り換えを申し込む
- 最低限のお金を借りて、なるべく早く返す
カードローンの金利はカード会社や利用金額によっても異なってきます。
そのため、自分がいつまでにいくら必要なのかを明確にすることが、カードローンをお得に利用するための第一歩です。
消費者金融系を利用して、サッと借りてサッと返すほうがお得なこともありますし、しっかりと準備して銀行系を利用したほうがお得になることもあります。
そして、必要最小限のお金を借りて、なるべく早く返済するということも、利息を少なくするために大切なことです。