住宅ローンは勤続年数1年でも、転職すぐでも組める?

勤続年数は住宅ローン審査を通過する際に重要な審査項目の1つですが、全ての金融機関で重要視している訳ではありません。勤続年数が短くても、転職したばかりでも、住宅ローンが組める金融機関はあります。転職の状況によっては審査に有利に働く場合もあります。
  • 2021年4月6日
  • 2021年4月7日
住宅ローンは勤続年数1年でも、転職すぐでも組める?

住宅ローン審査には勤続年数が重視されるので、就職して間もなかったり、転職したばかりだと不安ですよね。しかし、そこで諦めるのはまだ早いですよ。

勤続年数に決まりを定めていない金融機関もありますし、転職はキャリアアップ・スキルアップのためだと認識され、審査にプラスになることもあります。

本記事では、住宅ローン審査は勤続年数が少なくても組めるのか不安に思っている方々のために、その不安を解消できる情報をまとめています。

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勤続年数1年でも、住宅ローンを組める可能性はある
  • 勤続年数を重視しない金融機関がある
  • 転職の状況によっては審査にプラスとなる
  • 金融機関に収入の安定性を示せればOK
  • まずは金融機関に問い合わせてみることが大事

住宅ローン審査に勤続年数は影響する?

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住宅ローン審査についての基準は、金融機関によって多少の違いがあるものの、勤続年数が影響する可能性は高いです。

「令和2年3月国土交通省 情報局発表の「令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、融資先の審査で勤続年数を重視している金融機関は95.6%でした(令和元年度)。

その他にも重視している項目はあるにしても、勤続年数はほとんどの金融機関が重視していることがわかります。

審査項目構成比
完済時年齢99.0%
健康状態98.5%
担保評価98.2%
借入時年齢96.8%
年収95.7%
勤続年数95.6%
連帯保証94.2%
金融機関の営業エリア90.6%
返済負担率89.2%
融資可能額(融資率)①購入の場合77.1%
雇用形態77.6%
融資可能額(融資率)②借換えの場合69.8%
国籍67.8%
カードローン等の他の債務の状況や返済履歴61.8%
申込人との取引状況42.6%
業種27.1%
家族構成20.1%
雇用先の規模17.9%
所有資産17.1%
性別14.0%
その他4.3%

引用元:民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書

過去のデータを見ても平成30年度は95.7%、平成29年92.8%と、以前から多くの金融機関が住宅ローンの貸し出しに勤続年数を重視しているスタンスに変わりありません。

 令和元年度調査平成30年度調査平成29年度調査
完済時年齢99.0%97.7%97.3%
健康状態98.5%98.6%95.8%
担保評価98.2%97.2%95.6%
借入時年齢96.8%98.3%95.7%
年収95.7%95.6%93.7%
勤続年数95.6%95.7%92.8%

金融機関としては、貸したお金が返済されないことを最も嫌います。

そのため、金融機関は住宅ローンの審査において安定した収入があるかを重視する傾向があります。

その収入の安定性を見る重要な要素の1つが勤続年数なのです。

勤続年数が1年未満、転職すぐでも住宅ローンは組めるの?

悩んでいる女性

勤続年数1年未満でも住宅ローンを組める可能性はゼロではありません。

先ほどご紹介した「令和元年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、以下の調査結果が示されています。

勤続年数回答数
3年以上234
2年以上54
1年以上701
その他212

引用元:民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書

(※全回答金融機関数:1,138(複数回答あり))

この表を見ると、ほぼ9割の金融機関では1年以上の勤続年数を審査基準として求めています

3年以上であれば、ほとんどの金融機関では勤続年数の審査基準を満たすことができます。

一方、残り1割の金融機関が「その他」と回答しているのです。

つまりこれは、勤続年数が1年未満でも住宅ローン審査を通してくれる金融機関が存在するということですね。

実際に調べてみると、下表のようにネット銀行では、住宅ローン審査基準について勤続年数を問わない金融機関が多いです。

また、前年度年収についての審査基準も、例えばイオン銀行なら100万円以上と比較的ハードルが低いですね。

他のネット銀行についてもそこまで高い基準ではないですし、雇用形態についても各社制限を設けてありません。

勤続年数が短かったり、転職をして間もない方にとって、ネット銀行は有力な選択肢の1つとなるのではないでしょうか。

銀行名勤続年数前年度年収雇用体型
auじぶん銀行決まりなし
200万円以上決まりなし
ソニー銀行決まりなし
400万円以上決まりなし
ジャパンネット銀行決まりなし
200万円以上決まりなし
イオン銀行6ヵ月以上100万円以上決まりなし
楽天銀行決まりなし
400万円以上決まりなし
(※令和3年3月末時点)

勤続年数が短くても住宅ローンが組めるケース

ジャパンネット銀行住宅ローン

ネット銀行であれば、勤続年数が短くても住宅ローン審査基準を満たせる可能性があるということが確認できました。

さらに、ネット銀行でなくても以下の5つの場合は、勤続年数が短くても住宅ローン審査に有利となることがあります。

  • 同業種への転職
  • グループ会社へ転職
  • 士業への転職
  • 公務員・大企業へ転職
  • 年収がアップしている

同業種への転職

同業種へ転職した場合は、前職で得た知識や経験を生かして新しい職場で活躍できます。

そのため、金融機関としては同業種への転職はキャリアアップ・スキルアップを目的とした転職とみなされます。

例えば、プログラマーとして同業他社へ転職した場合は、前職でのプログラミング言語の知識であったり、アプリケーションの開発などの経験が、新しい職場で大いに活かすことができますよね。

このような理由から、同業種へ転職した場合は今後も安定した収入が見込めると判断され、住宅ローン審査に有利に働きます。

グループ会社へ転職

前職と同規模のグループ会社への転職の場合は、異動と同等に捉えられる場合があります。

グループ会社への転職をした場合でも、前職での経験が生かせるでしょう。

さらに、転職するまでに築き上げた人脈も残るので、転職先でも以前と変わりなく、安定して収入を得られる可能性が高いです。

そのため金融機関は、グループ会社へ転職した場合は収入減少が発生しない、もしくは発生したとしても軽微であり、今後も安定した収入が見込めるという判断をします。

士業への転職

弁護士や税理士、公認会計士などの士業への転職をすることにより、住宅ローン審査へ有利に働くことがあります。

士業を得るために必要な資格の取得が難関ですよね。そのため、必然的に士業の希少性は高まるので収入も安定しています。

そのため、金融機関は住宅ローン審査において、士業への転職はプラスに考慮する場合があります。

ただし、これは弁護士事務所や税理士事務所など、被雇用者として転職した場合に限ります。

士業として独立した場合、つまり個人で事務所を開業するために転職した場合には、住宅ローン審査へ不利に働くということです。

独立して事業が成功すればいいのですが、失敗して収入がなくなる可能性も十分にあります。

そのため、金融機関としては独立開業は収入の安定性が低いと判断してしまう場合があります。

公務員・大企業へ転職

安定した収入が見込まれる公務員や大企業への転職をした場合にも、住宅ローン審査では有利に働きます。

例えば公務員ならば、基本的に終身雇用制度が適用されているので、不祥事などを起こさない限りは職を失うことがありません。

また、大企業の場合もよほどのことがない限りは倒産やリストラなどをされる可能性も低いです。

よって公務員・大企業への転職は、収入の安定性が高いと判断され、住宅ローン審査に通過しやすくなるのです。

年収がアップしている

転職することにより、住宅ローン審査に不利になる原因は、収入減少が返済に影響を与えるからです。

つまり、転職したとしても、年収がアップしていれば返済には影響が出ません。

よって、転職先での年収がアップしていれば、住宅ローン審査に不利に働く可能性は低いです。

勤続年数が理由で審査落ちになった場合の対処法

転職などにより勤続年数が短かく、住宅ローン審査を通過できないことがあるかも知れません。

そのような場合は、以下の4つの対処方法をお試しください。

  • 勤続年数の合算
  • 金融機関の変更
  • 審査時期の変更
  • フラット35の利用

勤続年数の合算

インビテーションを待っている間は新たな借入を増やさないように

グループ会社や関連会社に転職した場合には、勤続年数を前職から合算することができます。

勤続年数を合算することができれば、住宅ローン審査申請先の金融機関の基準を満たすことができますよね。

ただし、勤続年数の合算については、対応の可否が金融機関によって異なります。

勤続年数の合算が可能かどうかは、金融機関へ問い合わせてみましょう。

金融機関の変更

住宅ローン審査の基準は、金融機関ごとにそれぞれ異なります。

そのため、申請する金融機関を変えることで、住宅ローン審査に通るかもしれません。

おすすめなのは、メガバンク、地方銀行、ネット銀行それぞれで1機関ずつ審査を受ける方法です。

なぜならそれぞれ住宅ローン審査基準として重視する部分が異なるからです。

メガバンクは、一般的には所得の高い層を相手として、富裕層を取引先として低金利で貸し出しを行います。

一方、地方銀行はメガバンクよりも個々の事情を考慮した審査をしてくれる傾向がありますが、メガバンクよりも金利はやや高めの傾向があります。

そして、先に述べた通りネット銀行は勤続年数や年収要件など間口が広いメリットはありますが、書類診査のみで融通が利きにくいという一面もあります。

このように、住宅ローンの審査に落ちた場合は、特徴の異なる金融機関に改めて審査を申し込んでみると良いでしょう。

しかし、あまり多くの金融機関に審査を短期間に同時に申し込むと、審査にマイナスに働く可能性もあります。

メガバンク、地方銀行、ネット銀行1機関ずつとお伝えしたのは実はこのような理由があるからです。

金融機関は申請履歴を共有している

多くの金融機関に審査を短期間で同時に申し込むと、審査にマイナスに働く可能性があるのはなぜでしょうか。

各金融機関は申込者の信用情報を共有することができ、この信用情報の中には、自動車ローンの返済状況やクレジットカード滞納歴、そして住宅ローンの申請履歴も含まれています。

信用情報によって過去に複数回、住宅ローン審査を通過できなかったことが判明すると、各金融機関は「複数の金融機関で審査に通らない理由があるのでは」と考え始めます。

なお、何社まで同時申し込みが問題ないのか、特に基準があるわけでもありません。

メガバンク、地方銀行、ネット銀行と特長の異なる金融機関で比較をしてみたいなど、短期間、同時申し込みの件数は妥当な説明ができる範囲にとどめておきましょう。

審査時期の変更

住宅ローン審査を通らなかった原因が勤続年数なら、審査時期を変更することは有効です。

例えば1年後に変更すれば、勤続年数が1年加算されるので、審査基準をクリアできる場合があります。

また、その間に昇給をして収入アップしていれば、さらに有利に審査を受けることができます。

早急に住宅ローンを組む必要がないのであれば、ライフプランをしっかりと考える時間も確保できます。

審査時期の変更をすることはかなり有益です。

フラット35の利用

フラット35とは住宅金融支援機構の住宅ローン商品であり、審査基準に勤続年数がありません

つまり、転職してすぐであっても審査を通過できる可能性があります

ただし、年収があまりにも低かったり、信頼性のかける要素があれば審査は通過できない場合も十分にあります。

なお、フラット35では以下のデメリットがあるので注意が必要です。

  • 借入金利が相対的に高い
  • 金利は固定であり、市場金利が低下した場合不利になる
  • 購入する住宅に関して独自の基準がある

住宅ローンと勤続年数に関するよくある質問

住信SBIネット銀行 フラット35

自営業であったり、会社が倒産してやむを得ず転職した場合でも、勤続年数で判断されてしまうのでしょうか。

それぞれのケースについて解説していきます。

自営業の場合

住宅ローンも含めてローン全般に言えることですが、金融機関は融資の審査においては安定した収入があることを重視します。

会社員であれば、毎月の収入は給料で大きく変動をすることはあまりないため、収入が安定しているとみなされ融資には有利に働きます。

しかし自営業は、仕事量に変動が大きく収入が安定しないため、金融機関の審査においては厳しく見られがちです。

なお、保険や不動産業など毎月の給料のうち、業績給のウェイトが大きい業種も、実は金融機関にはあまり好まれません。

自営業は過去3年分の確定申告書コピーを提出するなど、過去から安定した収入を維持できていることを証明する必要があります。

まずは事業の安定性や将来性を証明できる資料を事前に準備しておきましょう。

また、電話やメールなどではなく、直接金融機関窓口へ足を運び、担当者と話をすることも大切です。

自営業の方はフラット35の活用も有力な選択肢

フラット35では、審査の最低条件が「直近の1期分の所得が黒字」となっています。

一般的な金融機関ではれば「直近3期分」となっていますので、条件が少し緩いです。

例えば開業して2年目であれば、一般の金融機関住宅ローンでは審査を受けることができません。

しかしそのような時でも、フラット35であれば審査を受けることが可能であり、さらに返済全期間において固定金利が適用されます。

返済金額が完済するまで一定となるので、自営業者にとっては、より事業の計画が立てやすくなるというメリットがあります。

会社の倒産、会社都合の転職

最近では、コロナ倒産も増えており、転職を避けられない状況も十分あります。

会社の倒産や会社都合による転職を余儀なくされた場合、住宅ローン審査に通過できるかどうかは、金融機関の担当者に相談してみないとわからないというのが実情です。

金融機関では、現状だけではなく過去の収入も審査判断の基準に入れています

つまり、前職が大手企業であったり、かなり専門性の高い会社であれば、信用性が評価される場合があります。

また、倒産による転職でも、転職先での収入が転職前と比べてアップしたり、前職と同業の仕事についたりした場合は、勤続年数が短かくても住宅ローン審査を通過できる可能性がありますよ。

無収入の場合

現在の収入が全くない場合は、住宅ローン審査を通過できる可能性がほぼゼロといえるでしょう。

少なくとも転職をして、現在は収入があることを示せる状態にならなければ審査自体を受けられな可能性もあります。

まずは住宅ローン審査を受けるためにも、転職先を見つけ、就職することを優先すべきです。

勤務年数が短くても住宅ローンを諦める必要はない

住宅ローンを諦める必要はない
  • 審査基準は金融機関によって異なる
  • 勤続年数を要件としてない金融機関もある
  • 転職の状況によっては審査にプラスとなる
  • 自営業でも支払能力を証明できればOK
  • 無収入ならまずは就職を

勤続年数は、住宅ローン審査を通過する際に重要な審査項目の1つです。

しかし、勤続年数が短かったり、転職して間もない場合でも審査に通過することは可能です。

ネット銀行であれば勤続年数に基準を設けていない金融機関が多いですし、転職についても収入に大きな影響がなかった場合は、マイナスとはなりません。

勤続年数が短いからと住宅ローンを諦めるのではなく、まずは金融機関へ問い合わせしてみましょう。