iPhoneのモバイルSuicaはすでに始まっていましたが、モバイルPASMOもついに2020年10月からApple Payに対応しました。
首都圏の私鉄のみで通勤や通学する方は、PASMO定期券をiPhoneに取り込むことも可能になりました。
また、モバイルPASMOでは、PASMOカードからの引継ぎ、定期券の購入、区間変更などほとんどの手続きをPASMOアプリで行うことができます。
この記事では、モバイルPASMOの初期設定やチャージ方法、オートチャージ、定期券の購入までを詳しく解説します。
- iPhoneですぐにチャージができる
- PASMOのプラスチックカードがiPhoneに取り込める
- PASMO定期券の新規・継続購入がiPhoneから可能
- エクスプレスカード設定すればApple Payの起動は必要なし
- オートチャージも設定可能
モバイルPASMOの初期設定
iPhoneでPASMOを始める前に端末の設定が必要です。この設定が完了していないとiPhoneでPASMOが使えません。
ここでは、iPhoneで設定が必要な5つの項目について確認方法を解説していきます。
- iCloudにサインインしている
- Touch ID/Face ID もしくはパスコードによるログイン
- インターネットにつながっている
- 「言語と地域」の設定が「日本」になっている
- Apple IDの2ファクタ認証の確認
iCloudにサインインしている
PASMOをApple Payで利用するには、Apple IDと紐づけられているため、iCloudにサインインしている必要があります。
- 設定をタップ
- 最上部のアカウント名をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 「iCloudを使用しているAPP」で「Wallet」と「iCloud Drive」をONにする
Touch ID、Face ID もしくはパスコードによるログイン
端末にロックをかける設定になっていないと、Apple PayでPASMOを利用することができません。
普段からロックをかけていない人は設定をONにしましょう。
また、パスコード設定をOFFにしたり、iCloudからログアウトすると、Walletアプリで設定した全てのクレジットカードが端末から強制的に削除されます。
インターネットにつながっている
iPhoneがインターネットにつながっていないと、PASMOの設定ができません。
通信状況を確認の上で手続きを進めましょう。
また、通信ができる状況でPASMOが設定できない場合は、「設定」から「モバイル通信」を選び、WalletやPASMOがONになっているかを確認しましょう。
「言語と地域」の設定が「日本」になっている
iPhoneが言語や地域が「日本」になっているかも確認しましょう。
- 「設定」から「一般」をタップ
- 「言語と地域」をタップ
- 地域を日本に設定で完了
Apple IDの2ファクタ認証の確認
2ファクタ認証は、Apple IDのパスワードが流出しても、設定した6桁のパスコードが合致しなければ、アクセスできない高度なセキュリティです。
こちらも設定の確認が必要です。
- 「設定」から「ユーザー名」、次に「パスワードとセキュリティ」をタップ
- 「2ファクタ認証を有効にする」をタップ
- 「続ける」をタップ
- サインイン時に確認コードを受け取る電話番号を設定
- 「次へ」をタップ
- 確認コードを入力して、電話でデバイスの認証がとれると完了
PASMOの新規発行
iPhoneでPASMOの新規発行をするには、「Walletアプリ」と「PASMOアプリ」経由での購入方法があります。
ここでは、それぞれの購入方法を解説していきます。
Walletアプリから新規発行
Walletアプリは、最初からiPhoneにインストールされているため、会員登録なしの無記名PASMOをすぐに発行できます。
- Walletアプリ立ち上げ
- Walletアプリ画面の右上にある+(プラス)をタップ
- カード一覧からPASMOを選ぶ
- 最低1,000円をチャージする
- 諸々の条件に同意し、支払いを承認後に新規発行
入金額は新規発行時は最低1,000円ですが、以降のチャージでは100円以上1円単位でチャージが可能です。
PASMOアプリで新規発行
PASMOアプリは、まずApp Storeからアプリをダウンロードする必要があります。
また、アプリからPASMOを新規発行するには、会員登録が必要なる「記名式」と、登録なしの「無記名式」の2つのタイプが購入できます。
ここでは、それぞれの新規発行の方法を紹介していきます。
記名PASMOの新規発行
記名PASMOの新規発行は、個人情報の登録が必要になります。
そのメリットとして、電子マネーとして利用する以外にオートチャージやPASMO定期券の購入、端末の紛失や故障、退会時に払い戻しができます。
一方で、後述する無記名のPASMOは、手軽にPASMOが発行できますが、電子マネーの利用に限定され、サポートもありません。
やはり、PASMOを交通機関で継続的に利用するなら、多彩な機能やサポートも充実している記名PASMOをおすすめします。
- PASMOアプリをインストールし起動
- PASMOアプリの「はじめる」をタップ
- 「新しくPASMOを作る」を選択
- 「記名PASMO」を選択
- 会員規約に同意し、メールアドレスなどの個人情報を入力
- 「Apple Payにカードを追加」画面でiPhoneを選択
- PASMO名称に任意の名前を入力
- PASMO新規発行完了
無記名PASMOの新規発行
無記名PASMOの発行は、会員登録の必要がなく記名PASMOより簡単に行えます。
ただし、チャージした金額が引き落とされるSF(ストアードフェア)機能のみの利用になります。
- PASMOアプリをインストールし起動
- PASMOアプリの「はじめる」をタップ
- 「新しくPASMOを作る」を選択
- 「無記名PASMO」を選択
- チャージ金額を選び金額を入力
- 「Apple Payにカードを追加」画面でiPhoneを選択
- エクスプレスカードに設定し完了をタップ
- 規約に同意して新規発行完了
PASMOにチャージする4つの方法
PASMOへのチャージの方法は4つあります。それぞれのチャージ方法を解説していきます。
Walletアプリでチャージ
Walletアプリからはすぐにチャージが行えます。基本的には画面の指示に従っていくだけで簡単に手続きできます。
- Walletアプリを起動しPASMOを選択
- チャージをタップ
- 金額を入力して支払いカードを選択
- Face IDやTouch IDのいずれかで認証して完了
PASMOアプリでチャージ
PASMOアプリ経由でチャージするには、事前にクレジットカードを登録する必要があります。
登録が面倒な半面、Apple Payで非対応だったVISAカードが登録ができるメリットがあります。
- PASMOアプリを起動し「入金(チャージ)」をタップ
- チャージ金額を選択(または金額変更)
- 「クレジットカード」または、「Apple Pay」のどちらかで決済
- 金額を確認し「入金(チャージ)」を選択して完了
現金でチャージ
iPhoneのPASMOに現金でチャージするには、駅構内にあるApple Payに対応している券売機が必要です。
- チャージ可能な券売機でトレイ部分に端末を置く
- チャージ金額を入力
- チャージ完了が表示
- 端末でも金額を確認し完了
上記以外にも、最寄りのコンビニでチャージすることもできます。
対応しているコンビニは、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップなど大手のコンビニです。
また、セブン銀行ATMなどICカードからのチャージに対応しているコンビニATMでもチャージできます。
オートチャージの設定
オートチャージは、都度チャージする必要がなく一定の残高になれば、自動的にチャージされる仕組みです。
ただし、オートチャージはPASMOアプリからの手続きのみとなり、利用にはクレジットカード会社やPASMOの審査通過が条件となります。
- PASMOアプリからの手続き
- クレジットカード決済のみ
- 記名PASMOが対応
- 審査に通過することが条件
ここでは、オートチャージの申し込みから設定完了までの手順を紹介します。
- PASMOアプリを起動
- ホーム画面の右下にある「定期券・管理」をタップ
- オートチャージの設定をタップ
- 同意を確認し、カード情報を入力
- 申し込み確認で登録をタップし完了(審査申し込み)
オートチャージの審査結果は、個人差はありますが、約3週間程度でメールが届きます。 - 審査結果のメールに記載されているリンクからPASMOアプリを起動
- ホーム画面の「定期券・管理」を選択
- 「オートチャージ設定」を選択
- 内容確認後「実行する」をタップで完了
PASMOアプリから定期券を購入する方法
モバイルPASMOでは、新規・継続で定期券の購入や区間変更も可能です。
ここでは、定期券の各手続きの手順を紹介します。
- 定期券の新規購入(PASMOアプリのみ)
- 定期券の継続購入
- 定期券の区間変更
定期券の新規購入
定期券の新規購入は、PASMOアプリからしかできません。
事前にPASMOアプリのダウンロードや会員登録を行いましょう。ここでは、鉄道定期券の新規購入の手順を紹介します。
- ホーム画面の「定期券・管理」をタップ
- 「鉄道定期券」をタップ
- 「新規に入力して購入」をタップ
- 事業者選択(鉄道会社)から路線を選択
- 乗車駅と降車駅を選択し、乗換駅や経路を選択
- 「定期券経路検索」結果から購入したい経路を選択
- 定期券の期間を選択
- 購入確認をし、クレジットカードまたはApple Payで決済完了
バスの定期券購入の場合は、上記の鉄道とほとんど同じ手順ですが、購入した区間のみ利用できる「金額式IC定期券」と、期間中乗り放題になる「フリー定期券」から選択する必要があります。
定期券の継続購入
継続購入も基本的に新規購入と同じ手順となります。
ここでは、ほぼ同じである鉄道・バス定期券継続購入手順を紹介します。
- ホーム画面の「定期券・管理」をタップ
- 「鉄道定期券」(バスの場合は「バス定期券」)をタップ
- 「継続購入」をタップ
- 定期の期間を選択
- 購入確認をし、クレジットカードまたはApple Payで購入
- 購入完了画面が表示
そのほか、アプリメニューから定期券の区間変更をして購入もできます。
また、期限が過ぎた定期券でも購入可能で、わざわざ窓口へ行く必要もありません。
プラスチックカードからの引継ぎ・移行
PASMOのプラスチックカードをiPhoneに取り込むことは簡単にできます。
WalletアプリとPASMOアプリそれぞれからの手順をみていきましょう。
Walletアプリの場合
インストールされているWalletアプリから移行が行えます。
移行には、カードID番号が必要になるため事前に準備しておきましょう。
手順は以下のとおりです。
- Walletアプリを起動
- Walletアプリ画面の右上にある+(プラス)をタップ
- カード一覧からPASMOを選ぶ
- チャージ画面にある「お手持ちの交通系ICカードを追加」をタップ
- PASMO ID番号の下4桁、または生年月日を入力
- 利用条件を確認し「同意する」をタップ
- PASMOカードの上にiPhoneの上部を置き残額を転送したら完了
PASMOアプリの場合
PASMOアプリからの取り込みはWalletアプリからの手順とほぼ同様です。
- PASMOアプリを立ち上げる
- ホーム画面から「はじめる」をタップ
- 発行画面から「お手持ちのPASMOカードではじめる」をタップ
- Walletアプリが自動的に起動(以降はWalletアプリの手順と同様)
どちらも移行の際にPASMOカードのID番号下4桁の入力や、記名PASMOや定期券の取り込みになると生年月日が必要になります。
引き継いだカードはどうなるか
iPhoneへ移行が済んだPASMOのプラスチックカードは、使用することができません。
プラスチックカードの契約時に支払ったデポジット代金の500円は、移行時にチャージ残高に加算されて戻ってきます。
よって、窓口へ返却する必要がなく、PASMOカードは返却不要のため処分して問題ありません。
プラスチックカードとの併用はできるか
PASMOカードからiPhoneを移行すると、併用することはできません。
仕事やプライベートで、どうしても複数のPASMOを使い分けたい場合は、iPhoneで別途PASMOを新規発行して登録しましょう。
1つのApple IDにつき、PASMOのみなら最大8枚、他カードとあわせて最大12枚まで登録することができます。
タッチ時にApple Payの起動は必要か
通常のApple PayはTouch ID/Face IDを使用しての起動が必要になりますが、エクスプレスカードの設定を行うことで、それが不要になります。
ここでは、エクスプレスカードを設定する手順を紹介します。
エクスプレスカードを設定する手順
ここでは、エクスプレスカードの設定手順を解説します。
- Walletアプリを起動
- Walletアプリ画面の右上にある…をタップ
- エクスプレスカード設定をタップ
- エクスプレスカードに設定するPASMOを選択
- Face IDやTouch ID、パスコードなどで認証して完了
PASMOがはじめてApple Payに登録する交通系ICカードの場合は、自動的にエクスプレスカードに設定されます。
Suicaをすでに利用していた場合は、エクスプレスカードの再設定が必要です。
また、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR以降の機種で、最新のiOSにバージョンアップしていれば、充電が切れても最大で5時間程度なら予備電力機能が働き、PASMOを利用できます。
モバイルPASMO対応のiPhone
モバイルPASMOが使えるiPhone端末は、iPhone 8以降の機種です。
また、iOS14.0以降のバージョンがインストールされていることも条件です。
iPhoneに対応したPASMOを便利に使おう
本記事でお伝えしたPASMOの便利な機能は以下の通りです。
- iPhoneからチャージがすぐにできる
- エクスプレスカード設定にすれば改札もスムーズ
- PASMOアプリ経由ならVISAカードもつかえる
- SuicaとPASMOがiPhoneで使い分けできる
- PASMOと他のカード合わせて最大12枚までApple Payに登録可能
2020年10月からPASMOがApple Payに対応したことで、PASMOカードの出し入れの煩わしさがなくなりました。
Apple Payでは、複数のPASMOを所持することやSuicaとの併用もできるため、ライフスタイルにあわせて使いわけるとよいでしょう。