イトーヨーカドーやセブン-イレブンでお得に使えるクレジットカードが、セブンカード・プラスです。
このカードが注目されるのは、クレジットカード本体の機能だけが理由ではありません。
むしろ、電子マネーの「nanaco」を使える点こそが重要です。
nanacoへのチャージ、オートチャージができてポイントが貯まる点がセブンカード・プラスを使う最大の理由になります。
※本記事の価格は全て税込みです。

年会費 | 永年無料 | 追加カード | ETCカード/家族カード |
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還元率 | 0.5%~ | ポイント | nanacoポイント |
マイル | ANA | 付帯保険 | ショッピング |
電子マネー | QUICPay/nanaco | スマホ決済 | Apple Pay/Google Pay |

セブンカード・プラスの特徴・基礎知識
セブンカード・プラス | ||
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還元率 | ポイント | 0.5~1.5% |
マイル | 0.25~0.725% | |
年会費 | 初年度 | 無料 |
2年目以降 | ||
家族カード | ||
旅行保険 | 海外 | なし |
国内 | ||
ETC | 年会費 | 無料 |
発行手数料 | ||
電子マネー | QUICPay、nanaco | |
国際ブランド | VISA、JCB | |
発行会社 | 株式会社セブン・カードサービス | |
発行期間 | 最短3~4週間 |
セブンカード・プラスには下記のような特徴があります。
- セブン&アイグループで高還元
- 電子マネーnanacoにチャージしてポイントの貯まる、(新規では)現在唯一のカード
- Wポイントでnanacoポイントが貯まる
以下、さらに詳しく見ていきます。
電子マネーnanacoの基本
- nanacoはタッチだけで決済ができる電子マネー
- プリペイド式なので、あらかじめチャージが必要
- セブンカード・プラスからチャージをする際と、nanacoを利用する際の両方でポイントが貯まる(Wポイント)
nanacoは電子マネーであり、クレジットカードとは別の決済方法です。
ですが、セブンカード・プラスの場合、nanacoを使いこなさないと最大の効果を発揮しません。
最初に、電子マネーnanacoの説明から始めましょう。
nanacoはレジに置いてある端末にタッチして使う電子マネーです。
電車・バスに乗る際に使う、Suicaなどの交通系電子マネーと同じ仕組みなので、使ったことがない人もイメージしやすいでしょう。
特に「セブンカード・プラスnanaco一体型」の場合、クレジットカードとnanacoの使い分けをまずしっかり理解しておきましょう。
クレジットカード端末にカードを通せばカード決済ですし、利用者が「nanacoで」と店舗スタッフに申し出て、電子マネー端末にタッチすればnanacoで支払われます。
nanacoを端末に触れて決済が完了すると、やわらかい「ピュリーン」という音が鳴ります。
どちらが得かというのは、利用シーンによるため、後ほど説明します。
nanacoとの組み合わせ
nanacoへのチャージでクレジットカードのポイントが貯まるのは、現在セブンカード・プラスだけとなってしまいました。
nanacoを新規に使い始めたいユーザーからすると、セブンカード・プラス以外に選択肢がないのです。
例えば、リクルートカードからnanacoへのチャージではポイント還元率1.2%ですが、すでに2020年3月をもって新規登録を打ち切っています(事前の登録があれば、引き続きチャージでポイントが貯まる)。
改悪ともいえますが、セブンカード・プラスユーザーの側から見れば、nanacoに対する独占的地位を得たわけです。
現在では、むしろ大きなメリットといえるでしょう。
nanacoを使う意味
“多くの場所で快適に決済できるから“これがnanacoを使う意味でしょう。
nanacoは、「nanacoで」と店員に声を掛けて、端末にタッチするだけ。これで決済が済みます。
特にイトーヨーカドーやセブン-イレブンでは、オートチャージ(後述)も使えますから、ストレスフリーで買い物ができます。
nanacoの使えるお店
nanacoで会計できるお店を確認しておきましょう。2020年4月末時点の最新情報によると、全国に661,000店あります。
その一部です。
- セブン&アイグループ(セブン-イレブン、イトーヨーカドー、ヨークマート、ヨークベニマル、アリオ、西武そごう、ロフト、デニーズ、アカチャンホンポなど)
- ゆめタウン/ゆめマート
- マクドナルド
- 餃子の王将
- CoCo壱番屋
- 吉野家
- はなまるうどん
- カクヤス
- ジャパン
- しまむら/アベイル/バースデイ
- ビックカメラ/コジマ/ソフマップ
- Joshin
- 大手ドラッグストア
- エネオス
- Round1
- カラオケ館
他にも多数あります。利用する際は公式サイトで確認しておきましょう。
クレジットカードが世界中で使えるのと異なり、電子マネーなので利用範囲は日本国内だけです。
nanaco一体型と紐付型
セブンカード・プラスは、このnanacoをどう使うかによって、形状が2種類に分かれています。カード一体型と紐付型です。
- 一体型・・・クレジットカードとnanacoが同じ券面に一体化している
- 紐付型・・・クレジットカードとnanacoが別(関連付けて使う)
紐付型は、クレジットカードとnanacoが別カード(またはスマートフォンで使うnanacoモバイル)となります。
別カードを新規に持つ意味は薄いので、こちらを選ぶ人はすでにnanacoカードを持っている人か、nanacoモバイルをすでに使っている人、nanacoモバイルを使いたい人でしょう。
nanacoモバイルは便利ですが、セブンカード・プラスを新規に持ちたい場合、選ぶならカード1枚で事足りる一体型がおすすめです。
一体型を選んでも、nanacoモバイルをセブンカード・プラスからチャージして使うことは可能です。
ただし、カード一体型とnanacoモバイルの2種類を持つ場合、nanacoの残高は別々の扱いとなります。
国際ブランドは2種類
セブンカード・プラスは、JCBとVISAの2ブランドを選択できます。
ブランドごとに発行会社が異なり、JCBはJCBカードが、VISAは三菱UFJニコスが発行しています。
ただし、入会の審査については、ブランドを問わず一括してJCBが行っています。
JCBブランドに限り、一般デザイン以外にディズニー・デザイン(ミッキーマウス)も選べます。
セブン&アイグループ以外のお店であっても、JCBまたはVISAの加盟店であれば、日本でも世界でも問題なく利用できます。
セブンカード・プラスカードのポイントプログラム
セブンカード・プラスの利用で貯まるクレジットカードのポイントは、nanacoポイントです。
貯めたnanacoポイントは、電子マネーnanacoに移行して買い物に利用することができます。
移行が必要であるということは、ポイントと電子マネーが別のものだということです。
チャージとポイントと、同じnanacoという名前が付いていても別ものなので、わかりにくいのですが間違えないようにしましょう。
クレジットカード本体だけでなく、nanacoで決済する場合もnanacoポイントが貯まります。
特に一体型の場合、1枚のカードで「クレジットカード」と「電子マネー」の両方を使うわけですから、nanaco利用で貯まるポイントについて理解しておきましょう。
セブンカード・プラスの本体利用と、電子マネーnanacoの利用、両方のポイント還元率を見てみます。
区分 | ポイント還元率 | ポイントの付き方 |
---|---|---|
セブンカード・プラスの利用(一般の加盟店) | 0.5% | 200円の決済につき1ポイント |
セブンカード・プラスの利用(セブン&アイグループ) | 1.0% | 200円の決済につき2ポイント |
セブンカード・プラスの利用(nanacoへのチャージ) | 0.5% | 200円のチャージにつき1ポイント |
電子マネーnanacoの利用 | 0.5% | 200円の決済につき1ポイント |
クレジットカードのポイントは、買い物単位で付く場合と、月の引き落とし合計に付くものとがあります。
セブンカード・プラスの場合、明確に書かれているものが少なく、どちらなのかよくわかりません。ですが、実際に発行される明細から計算すると、月合計で付与されています。
セブン&アイグループでの利用金額合計を倍にして、一般店舗利用やチャージで使った金額との合計額に0.5%を乗じると、月のポイント数が算出されます。買い物ごとに切り捨てられる端数が出ないのは助かります。
nanacoの場合は、利用ごとにポイントが付きます。
さらにセブンカード・プラスと、nanacoとでポイントの付く対象が以下の通り微妙に異なります。覚えておくと良いでしょう。
- セブンカード・プラス・・・税込価格
- nanaco・・・税抜価格
税抜198円の物を買うとき、セブンカード・プラスで決済すれば税込価格(200円超)が対象のため、その月に他の買い物がなくても1ポイント付きます。
同じケースでnanacoを出すと、税抜価格が対象のためポイントは付きません。
この微妙な違いはありますが、一般の加盟店における還元率自体は、どちらもごく普通の数字です。
セブンカード・プラスのメリットは、nanacoへのチャージの際、買い物と同じポイントが付くことです。
nanacoにチャージした際のポイントと、nanaco利用時のポイントを併せると、ポイント還元率1.0%となります。いわゆるWポイントです。
セブンカード・プラスからnanacoにチャージする
nanacoのように、事前にチャージをして使う電子マネーのタイプを「プリペイド式」といいます。
セブンカード・プラス一体型でも紐付型でも、nanacoを使う際には事前のチャージが必要です。
nanacoのチャージは、現金からであればセブン-イレブンのレジやセブン銀行、nanacoチャージ機などで簡単にできます。
ですが、せっかくセブンカード・プラスを持っているのなら、ポイントの貯まるクレジットカードからのチャージにしたいものです。
セブンカード・プラスからnanacoへのチャージは、Webサイトのnanaco会員メニュー、またはnanacoモバイルユーザーの場合はアプリで行います。
セブンカード・プラス一体型の会員が、Webサイトを使ってチャージする場合の手順は次の通りです(クレジットカードの事前登録が必要)。
1nanaco公式サイトにログイン
2セブンカード・プラス裏面にある「nanaco番号」と、その下部に書かれている7桁の番号を入力して「ログイン」
3「nanacoクレジットチャージ」をクリック(タップ)
4事前に設定したクレジットチャージのパスワードを入力し、「次へ」クリック(タップ)
5「クレジットチャージ(入金)」をクリック(タップ)
6チャージ金額を選択
7確認画面で入力内容を確認し、「申込み」をクリック(タップ)
8チャージの申し込み完了
事前登録は、本人認証サービスを済ませるものです。これはチャージに限らず、オンライン決済のために必要な手続きです。
本人認証サービスは、カードが届いてから最初に会員用サイトにログインする際に済ませることができます。
上記①~⑧でチャージが完結しますが、nanacoをお店で使うためにはもうひとつ手続きがあります。
最後に設定反映という作業が必要です。
設定反映は、次のいずれかの手段で行います。
- セブン-イレブン・イトーヨーカドーのレジで「残高確認」を依頼する
- イトーヨーカドー等に設置のnanacoチャージ機で、設定反映をする
- nanacoモバイルアプリの「設定反映」メニューを使う
nanacoの場合、この設定反映を行う必要がしばしばあります。
特に面倒な手続きではなく、残高確認を依頼すれば設定反映となります。
クレジットカードから電子マネーへのチャージ方法は、いろいろなタイプがあります。
特に、イオン系のイオンカードと電子マネーWAONを組み合わせて使っている人にとって、セブンカード・プラスとnanacoのチャージ方法はまるで違うものです。
改めてお伝えしておきますが、チャージした後の設定反映を忘れないようにしましょう。
セブンカード・プラスでnanacoのオートチャージ
イトーヨーカドー、セブン-イレブンのヘビーユーザーなら、セブンカード・プラスからnanacoに都度チャージするのではなく、オートチャージの設定をおすすめします。
オートチャージを設定しておくと、残高不足のときに自動でチャージが行われ、決済されます。決済できなくてレジで困ることがありません。
オートチャージの手順は、次の通りです。随時チャージと同様、本人認証サービスは事前に必要です。
1nanaco公式サイトにログインする。セブンカード・プラス裏面にある「nanaco番号」と、その下部に書かれている7桁の番号を入力して行う
2「nanacoクレジットチャージ」をクリック(タップ)
3パスワード認証画面でパスワードを入力して「次へ」をクリック(タップ)
4「オートチャージ設定・解除」をクリック(タップ)
5「規約に同意の上、次へ」をクリック(タップ)
6「オートチャージ設定」欄で「オートチャージを利用する」を選択。さらに「チャージを実行するnanaco残高」と、「チャージする金額」とをそれぞれ選択
7次の画面で入力内容を確認して「変更する」をクリック(タップ)
8利用するクレジットカード会社の本人認証サービスのパスワードを入力
9オートチャージの設定が完了
オートチャージ設定の場合も、設定反映が必要です。
イトーヨーカドー、セブン-イレブンのレジで残高確認を依頼するか、イトーヨーカドーのnanacoチャージ機を使いましょう。
Apple PayとGoogle Payが使える
セブンカード・プラスは、JCB、VISAのどちらでも、Apple Pay(iPhone)とGoogle Pay(Android)が使えます。
こちらは「ポストペイ式」というもので、事前のチャージは不要です。
カード本体を出さなくても、QUICPay加盟店でレジにスマートフォンをタッチするだけで、セブンカード・プラスでの決済となります。
ただし気を付けたいのが、セブン-イレブンやイトーヨーカドーではApple Pay、QUICPayを使うべきでないということです。
セブン&アイグループではカード決済やnanacoでのポイントが優遇されているので、Apple PayやGoogle Payでは通常のカード決済とポイント還元率が変わらず、損をしてしまいます。
セブン&アイグループ以外の一般店舗、それもnanaco非加盟店で使えばデメリットはありません。
要するにnanacoが使える店では極力nanacoを使いましょう、ということです。
セブンカード・プラスの優待特典・メリット
セブンカード・プラスのメリットのうち、nanacoにチャージしてポイントが貯まるという、最大のメリットについてはすでに確認しました。
それ以外のメリットを、もう少し掘り下げていきましょう。
セブン&アイグループ商業施設での利用メリットが大部分ですが、JCBカードとして、または三菱UFJニコスのVISAカードとしての特典も多少あります。
JCBブランドのディズニーランド貸し切り利用が当たるキャンペーンなど素敵なものがあります。
セブン&アイグループでポイント還元率1.0%
一般加盟店でのポイント還元率は0.5%です。
しかし、イトーヨーカドーをはじめとするセブン&アイグループで利用すれば、ポイント還元率は倍の1.0%となります。
いずれも200円の決済ごとに2ポイント付与です。次のお店が対象です。
※最後の2店はグループ外ですが、セブン&アイグループ同様にポイント倍となります。
- セブン-イレブン
- イトーヨーカドー
- ヨークマート
- イトーヨーカドーネットスーパー
- デニーズ
- 西武/そごう
- アリオ
- 7netショッピング
- ビックカメラ
- エネオス(ENEOS電気、ENEOSガスの引き落としも対象)
ひとつだけ、ポイント還元率1.5%(200円の決済で3ポイント)となるお店が「バーニーズニューヨーク」です。こちらでは、nanacoでなくカード払いにしましょう。
バーニーズニューヨークを除くと、セブンカード・プラス会員は、カード本体で支払っても、カード付帯のnanacoで支払っても、ポイント還元率は同等です。
しかし、還元されるポイントは同等ではありません。それはカードは税込額、nanacoは税抜額と、ポイント付与対象に違いがあるからです。
支払金額が多額になる場合、カード払いの方がお得になります。
セブン&アイグループでの決済について、セブンカード・プラスのクレジットカードとnanacoとの使い分けについての概略はこうなります。
- 実店舗では、グループ内外を問わず、カード付帯のnanacoを使えばいい
- セブン&アイグループでは、ごくわずかではあるが消費税分、カード払いが得になる
- ただしヨークベニマルについてはカード決済でのポイント倍がないので、nanacoのほうが得
- イトーヨーカドーで毎月8の日はセブンカード・プラスを見せる(決済はカードでもnanacoでも可)
漠然と覚えるのではなく、きちんと理由を含めて最も得になる決済をマスターしましょう。
ただどちらか迷ったときは、nanacoを厚めに使っていけば、損はしないはずです。
8の日はイトーヨーカドーで5%オフ
セブンカード・プラスでもっとも大きなメリットが、イトーヨーカドーでの割引です。
毎月8の日(8日、18日、28日)は、ハッピーデーとしてイトーヨーカドーで5%オフとなります。
近所にイトーヨーカドーがあれば、特に8の日に積極的に使いたいものです。
これはカード提示で得られるメリットなので、カード払い、nanaco払いだけでなく、現金払いも対象です。
ですが、せっかくのセブンカード・プラスをポイントカードのように使ってはもったいない話です。
せめてイトーヨーカドー店内のチャージ機で、nanacoに現金チャージしてから使うほうが、利用でポイントが発生する分、お得になります。
イトーヨーカドー、セブン-イレブンでポイント還元率アップ
8の日以外も、セブンカード・プラスを積極的に使えばメリットがあります。
イトーヨーカドー、ヨークマート、ヨークフーズでの年間利用額(4月から翌3月末)に応じて、次のとおりボーナスポイントが付与されます。
- 100万円(税抜)・・・3,000ポイント
- 150万円(税抜)・・・10,000ポイント
- 以降は100万円ごとに10,000ポイント
年間100万円と150万円とでボーナスが大きく異なりますので、イトーヨーカドーが近くにある人なら、ぜひ年間150万円を狙いたいですね。
月に12万5,000円使う人なら、150万円に到達します。
この場合、カード利用で貯まる基本ポイントが15,000、ボーナスが10,000もらえ、合計25,000ポイントとなります。
- 月8万3,334円×12ヶ月=100万0,008円=3,000ボーナスポイント
- 月12万5,000円×12ヶ月=150万円=10,000ボーナスポイント
- 月20万8万3,334円×12ヶ月=250万0,008円=10,000ボーナスポイント
25,000ポイント ÷ 1,500,000万円 × 100 = 1.666…%
25,000ポイントをポイント還元率に引き直すと、実に1.67%となります。
カード提示のうえ現金またはセブンカード・プラス一体型のnanacoで払った場合も、年間利用額算出の対象となります。
商品によってボーナスポイントがつく
イトーヨーカドーとセブン-イレブンでは、飲料、食品をはじめとしたさまざまな商品を対象に、購入するとnanacoポイントがボーナスで付きます。
決済方法は以下の2つです。
- セブンカード・プラスでのクレジットカード決済
- セブンカード・プラス提示のnanaco払い
こちらは、他の決済にはないメリットです。
対象商品を詳しく知りたい方は、こちらを参照してください。
nanacoで税金や公共料金を支払ってポイントを貯められる
nanaco自体にちょっとしたメリットがあるので、ひとつ挙げておきましょう。もちろん、セブンカード・プラスのメリットでもあります。
ひと頃より範囲が縮小されてきたものの、セブン-イレブンの店頭で現金の代わりにnanacoで決済できる、特殊な支払いがあります。
具体的には次の支払いです。
- 収納代行(一部は不可)
- 税金・国民年金・国民健康保険
- 公共料金
- 切手、ハガキ、印紙
- クオカード、ビール券等の金券
- 前売券
- ゴミ袋、ゴミ処理券
特殊な支払いのため、これらをnanacoで支払っても、nanacoポイントは付きません。ですが、セブンカード・プラスユーザーなら、カードからのチャージ時に0.5%のnanacoポイントがすでに付いています。
現金で支払うより、少しお得になります。
ポイント好きの人はとにかく、何も生み出さない決済が嫌いなので、nanacoで支払えるというだけで嬉しいものです。
セブン-イレブンにおけるこれらの決済が電子マネーで可能なのは長らくnanacoだけでした。(ミニストップで「WAON」により、切手等はOK)。
現在では、税金や公共料金の一部がPayPayやau PAY等QRコード決済で支払えるようになったので、このサービスはnanacoの独占状態とはいえなくなっています。
QRコード決済の場合、セブン-イレブンに行かず、自宅でスマートフォンだけで支払える大きなメリットがあります。
それでもセブン-イレブンに日常的に行っている人にとっては、いまなおnanaco払いのメリットは大きいでしょう。
税金についてはYahoo!公金など、Web上でクレジットカードで支払うことができるものも増えました。ですが決済手数料が掛かるのが難点です。
こちらと比較しても、nanacoでの支払いにはまだアドバンテージがあるといえます。
紐付型なら電子マネーQUICPayも使える
セブンカード・プラスとnanacoの組み合わせには、一体型と紐付型とがあります。
1枚で済む一体型がおすすめですが、すでに独立したnanacoカードやnanacoモバイルを使っている人にとっては、紐付型も便利です。
ただ紐付型の場合、イトーヨーカドーで、nanacoモバイル以外にセブンカード・プラス本体も併せて出さなければいけない点がややストレスかもしれません。
こうしないと8の日に5%割引になりませんし、年間ボーナスも対象外となってしまうので仕方ありません。頑張って提示してください。
使いにくいと感じたかもしれませんが、紐付型だけのメリットがあります。
それは、nanacoカードやnanacoモバイルでQUICPayが使えることです。
QUICPayはポストペイ型電子マネーです。nanacoと違ってチャージが不要です。
一般的には、QUICPayはクレジットカードに付帯していることが多いのですが、nanacoで使うQUICPayの場合、電子マネーに付帯しているのです。とはいえ、セブンカード・プラスとの連携となります。
電子マネーで決済すると同時にセブンカード・プラスで決済が行われるため、nanaco加盟店でもQUICPay加盟店でも決済することができます。
どちらも使えるお店では、QUICPayだとポイント還元率0.5%(セブンカード・プラスでの直接決済と同じ)なので、チャージと利用のWポイントとなるnanacoでの支払いのほうがいいでしょう。
QUICPayが使えるのは間違いなくメリットなのですが、現在QUICPayの主流はモバイルか、電子マネー一体型のクレジットカードとなっています。
セブンカード・プラスをApple PayやGoogle PayにセットするのもQUICPayの利用となります。
そう考えれば、nanacoでQUICPayを使うために、紐付型のセブンカード・プラスを選ぶ必要はないでしょう。
その他の優待
クレジットカードとしてのセブンカード・プラス自体の優待も見ておきましょう。
優待はそれほど多いわけではないものの、次の通り、いくつかあります。
- 「セブン旅デスク」で、大手パッケージツアーが5%オフ(電話で注文可)
- ANAスカイホリデー・ANAハローツアーの申し込みで、ポイント3倍(ポイント還元率1.5%)
- カラオケ館室料30%オフ
セブンカード・プラスのデメリット
セブンカード・プラスのデメリットも見ておきましょう。
イトーヨーカドーやセブン-イレブンなど、セブン&アイグループ系の店舗をほぼ使わない人にとっては、メリットのほとんどないカードだということは、すでにおわかりいただけたでしょう。
ここでは、セブン&アイグループを頻繁に使う人にとってのデメリットを見ていきます。
デメリットの解消法があるものについては、併せて触れています。
nanacoのポイント還元率は決して高くない
- nanacoのポイント還元率は、7Pay導入時に半分になった
- 7Payの消滅後も、還元率がかつての数字に戻らない
- クレジットカードと電子マネーを組み合わせた還元率が、他と比べて高い水準ではない
- イトーヨーカドーやセブン-イレブンでの決済が、ポイント還元率でSuicaに負けている現状
- セブン-イレブンではさらに得なカードが多数ある(後述)
nanacoですが、かつては利用によるポイント還元率だけで1.0%と、電子マネーでもトップの数字でした。
2019年、QRコード決済の7Payが導入される際に、nanacoのポイント還元率が半分に切り下げられたのです。
その後、大規模不正使用問題により、あっという間に7Payが廃止されました。その後もnanacoの還元率は(一時的なキャンペーンを除いて)戻っていません。
セブン-イレブンでは、nanaco払いによる100円で1ポイントの還元率を実施していますが、これも2020年8月までの期間限定であって、この後の扱いは不明です。
改悪されたのは欠点ではあるものの、nanaco利用の0.5%の還元率自体は、電子マネーのライバルである楽天EdyやWAONと比較しても同等です。
ただ電子マネーの場合、クレジットカードからチャージする際のポイント還元率と併せて比較しないと、正確ではありません。
例として、交通系電子マネーのSuicaと比較してみましょう。こちらは利用によるポイントは基本的に付かないものの、JR東日本系クレジットカードからのチャージの際に1.5%のポイントが付きます。
イトーヨーカドーなどですら、セブンカード・プラスとnanacoの組み合わせはポイント還元率1.0%に過ぎず、1.5%のSuicaに負けています(ハッピーデーやボーナスポイント付与の場合を除く)。
これは、nanaco派にとっては、愉快ではない話ですね。
セブン-イレブンでのカード決済も、他社に負けている
イトーヨーカドーにおいてnanacoの優位性が乏しいことを先に挙げました。
それだけでなく、セブン-イレブンにおいてカード決済するときも、セブンカード・プラスは還元率トップではありません。
他社のクレジットカードの多くが、セブン-イレブンでさらに高い還元率を叩き出している現実があります。
- 三井住友カード・・・還元率2.5%
- JCB CARD R・・・還元率3.0%
- JCBオリジナルシリーズ・・・還元率1.5%
- セディナカード・・・還元率1.5%
- セゾンカードにnanacoを登録・・・還元率1.5%
このような、セブン系以外のカードのほうが得をする状態は、セブンカード・プラスとnanacoのユーザーにとって、ますます愉快ではありません。
もっとも、3大コンビニはいずれもこんな状態で、系列クレジットカードよりも還元率の優れた決済が存在しています。
特に三井住友カードは、3大コンビニすべてで2.5%の還元率となり、タッチ決済でも支払えるため利用もスマートです。
還元率が気になる人は、これらのクレジットカードも併せて持っておくといいでしょう。
セブンマイルプログラムのデメリット
ポイント還元率が低い点、スマホアプリで多少埋め合わせられますので紹介します。
現在、セブン&アイグループからは、「セブンマイルプログラム」というスマホアプリが出ています。ポイントカードと考えればいいでしょう。
セブン&アイグループでの買い物の際は、こちらを提示すると200円につき1ポイントつけてくれます。nanacoと同じく、税抜金額に対しての付与です。
もっとも、このアプリ自体には次のようなデメリットがあります。
- 誰でもどんな決済でも使えるので、ライバル決済方法に還元率が追いつくわけではない
- スマホアプリなので、nanaco一体型セブンカード・プラスを使っているユーザーにとってはわざわざスマートフォンを出してこなければならず面倒
- 「Tポイント」「Ponta」「dポイント」「楽天スーパーポイント」のような共通ポイントではない。セブン&アイ専用アプリ
- ポイントの交換方法がまだ決まっていない
将来的には、セブンマイルプログラムで貯めたポイント(マイルという)はnanacoポイントに移行できる予定ですが、まだ出来上がっていません。
7Payで世間を大混乱させた前歴があるため、慎重にならざるを得ないようです。
とにかく、競争力が下がってしまったところに、迷走気味のアプリが付け加わり、混乱が増すばかりのようです。
nanacoのチャージは5,000円から
nanacoのチャージは、単位が非常に大きいのが難点です。
最低額が5,000円となっており、それ以上は1,000円単位となります。
世にプリペイド式電子マネーや、チャージで使えるQRコード決済など多数あります。nanaco以外の電子マネー等は、いずれも1,000円のチャージが可能です。
nanaco以外では、au PAYのチャージ最低額3,000円というのがやや目立つ程度です。
常に5,000円以上のチャージが加算される点からすると、セブンカード・プラスとnanacoとを使う場合、ライトユーザーではいられないわけです。
カード優待は多くない
先に、セブンカード・プラスで得られる優待を紹介しましたが、旅行関係などのごくわずかなものです。
このカードが、あくまでもセブン&アイグループのためのもの、そしてnanacoを使うためのものだということを物語っているのではないでしょうか。
年会費無料でも多数の優待特典を誇るカードが多数ある中では、ほぼ目立ちません。
メインカードとして使うには、特典が少ないのはやや難点でしょう。
セブンカード・プラスの審査
セブンカード・プラスが気になってきて、ぜひ手に入れたくなった人もいることでしょう。
クレジットカードの入会には審査があります。確実に手に入れられるか、気になるかもしれません。
セブンカード・プラスの申込審査について見ていきましょう。
セブンカード・プラスは手に入れやすい?
セブンカード・プラスは、流通系のカードです。
買い物に使ってもらうことを目的にしているため、商業施設の発行する流通系クレジットカードは、審査はそれほど厳しくないのが一般的です。
厳しい審査ではねることをせず、どんどん買い物をして欲しいからです。
しかし、セブンカード・プラスについては審査をするのがJCBのため、完全な流通系カードともいえないのです。
JCBブランドだけでなく、三菱UFJニコスカードのラインナップであるVISAブランドも、JCBが審査しています。
JCBは銀行系カードの代表です。銀行系は、流通系より審査が厳しいものとされています。
実際、口コミを見ると、セブンカード・プラスに申し込み、審査落ちしている人は珍しくありません。銀行系のカードと考えたほうが無難でしょう。
だからといって、むやみに審査を恐れる必要はありません。審査落ちした人にはそれぞれ事情があったはずです。
過去のクレジット、ローンの滞納がある人が審査落ちしても不思議ではありません。借金の多い人も同様です。
とはいえセブンカード・プラスの場合、それ以外の理由で落ちる人も決して少なくないようです。
審査通過しづらい人の特徴をみてみましょう。
既存のカード枚数が多い(限度額合計が高い)
セブンカード・プラスは、性質上メインカード向けではありません。申し込む人も、サブのカードとして申し込む傾向があります。
すると必然的に、既存のカード枚数の多い人が申し込んでいることになります。こうした人が、審査に落ちる傾向があります。
落ちた人自身は把握していないと思われますが、理由は恐らく、既存のカードの限度額合計が高かったためと思われます。
特に、プラチナカード、ゴールドカードを持っている人は、限度額が高い傾向があるため、カードの限度額合計で引っ掛かります。
割賦販売法にも、年収に基づく限度額設定に関するルールがあります。これに抵触しなかったとしても、審査には不利です。
限度額は大きければいいものではありません。信用が上がったと喜ぶのではなく、必要な程度に引き下げて使うなら、新たなカードは格段に入手しやすくなります。
申し込みの際、キャッシング枠を付けた
クレジットカードのキャッシング枠は、海外旅行においては現地通貨を引き出すために大変に役立ちます。
ですが、国内においては借金の手段のひとつに過ぎません。
借金をしない人にも、銀行カードローンなどを使っている人にも、どちらにもキャッシング枠は必要なものではありません。
ところが、キャッシング枠を気軽に付けてクレジットカードを申し込んでしまい、審査に落ちる人は後を絶ちません。
キャッシング枠を付けると、そのための審査が始まります。これは、消費者金融カードローンの審査と同じ種類のものです。
使っていないキャッシング枠限度額の合計が、年収の3分の1を超えていれば、貸金業法のルールにより必ず審査に落ちます。この場合ほぼ、クレジットカード全体の審査にも落ちます。
そこまで借金が多くなくても、借金(限度額があるだけの場合も同様)は審査にマイナスです。
クレジットカードが欲しいなら、極力キャッシング枠はつけないようにしましょう。
審査落ちから6ヶ月が経過していない
クレジットカードも消費者金融のカードローンも、申し込むと個人信用情報に申込記録が付きます。
個人信用情報は、さかのぼって5年間のクレジットやローンの履歴ですが、これ以外に6ヶ月間だけ残る申込記録もあるのです。
申込記録だけがあって、利用記録のないカードやローンがあると、審査落ちがあったことがわかってしまいます。いわば6ヶ月の間、審査落ち履歴が付いてしまっている格好になります。
この場合、どんな理由で審査に落ちたのかを問わず、次の審査では不利になります。
前回、別のカードを申し込んで審査落ちした事実があった場合、6ヶ月間あけてからセブンカード・プラスを申し込むことをおすすめします。
なお、審査に通っていれば問題ないわけではなく、毎月1枚カードを申し込んでいるようなケースでは、高い確率で審査落ちするでしょう。
どう考えても、普通の申し込み方ではないからです。
セブンカード・プラスがおすすめなのはこんな方
セブンカード・プラスを使うべき人は、ここまで見てきておおむねはっきりしていると思います。
次の通りです。
- イトーヨーカドーのヘビーユーザー
- イトーヨーカドーの「8の日」に、狙って行ける消費者
この2つの、いずれかといっていいでしょう。
このカードの絶対的なメリットは、要は年間100万円イトーヨーカドーで使ってボーナスをもらうか、8の日に5%割引してもらうかなのです。
電子マネー「nanaco」のヘビーユーザーにとっても、このカードを持つ価値はありますが、そもそもnanaco自体がセブン&アイグループのための存在なので、結局同じことでしょう。
近所のセブン-イレブンによく行くという人もいるでしょうが、そういった人もイトーヨーカドーには行かないのであれば、このカードを持つ意味はあまりありません。
そういった人は、3大コンビニで還元率2.5%となる、三井住友カードを持ったほうがいいかもしれません。
セブンカード・プラスはイトーヨーカドーが鍵
セブンカード・プラスについて詳細に見てきました。
最後に振り返りです。
- イトーヨーカドーユーザーには、月3回のハッピーデーとポイントボーナスがあり、おすすめ
- イトーヨーカドーを使わない人には、あまり意味がない
- セブン-イレブンを使う人には便利だが、イトーヨーカドーを使わないなら、他にもいいカードが多数ある
- nanacoを使いこなしてこそ意味のあるカード。ただ、nanacoの還元率は決して高くない
- 提示する機会が多いので、選ぶなら一体型がおすすめ
- 流通系でも実質銀行系カードなので、意外と審査は厳しい
クレジットカードにもいろいろあり、「使う楽しみ」を強化しているものも無数にあります。
セブンカード・プラスについてはそうではなく、非常にイトーヨーカドーでの実益に特化したカードです。
イトーヨーカドーを日常的に使う人なら、持っておいて損はないカードでしょう。