アメックスは世界を代表する高グレードのカードブランドです。
そんなアメックスの基本のカードは、緑色のデザインが特徴のアメリカン・エキスプレス・カード、通称「アメックスグリーン」です。
そしてその上級カードがアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード、通称「アメックスゴールド」です。
今回は、年会費やサービスなどに着目して、アメックスグリーンとアメックスゴールドの比較をしていきます。
まずはグリーンとゴールドの年会費の違いから見てみましょう。
項目 | 年会費 |
---|---|
アメックスグリーン | 13,200円 |
アメックスゴールド | 31,900円 |
一般のクレジットカードの年会費と比べると、
アメックスグリーンは一般的なゴールドカードの価格帯で、アメックスゴールドはプラチナカードの価格帯であることがわかります。
そう考えると、アメックスの各カードのサービスが決して安くないということがわかります。
さらにアメックスゴールドの年会費はアメックスグリーンの2.4倍します。
年会費は、その使い方と家族構成次第で大きく変わってくるので、中にはゴールドのほうがむしろ得になる人もいます。
それから、年会費設定は本カードのみにあるわけではありません。「家族カード」の年会費も重要なので見ておきましょう。
項目 | 家族カードの年会費 |
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アメックスグリーン | 6,600円 |
アメックスゴールド | 1枚目無料/2枚目以降13,200円 |
アメックスゴールドは、家族カード年会費が1枚無料です。
家族カード発行を前提にカードを選ぶ人にとっては嬉しい特典です。
例えば、夫婦の場合「家族2名」でアメックスを使うと、本カードと家族カード1枚の年会費合計は以下のようになります。
項目 | 本カードと家族カード1枚の年会費合計 |
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アメックスグリーン | 19,800円 |
アメックスゴールド | 31,900円 |
本カードのみで比較するとグリーンカードの2倍以上あったゴールドカードとの年会費の差が、
家族カードを発行した場合はかなり縮まるということがわかったと思います。
ちなみに、付属カードにはETCカードもあります。
ETCカードは、発行手数料が935円で年会費は無料です。
グリーンとゴールドで差はありません。
年会費無料ということと、5枚(家族カードによる発行分1枚を含めて合計6枚)発行できるというのはメリットですね。
画像引用元:ポイント・プログラムのご案内 – クレジットカードはアメリカン・エキスプレス(アメックス)
また、ポイントを貯めることがカードを使う楽しみの一つだという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ポイントを貯める際に重要視したいのが、ポイント還元率、つまりカードの「ショッピング利用額に対するポイント付与の割合」です。
多くのクレジットカードは、カードグレードによって還元率が大きく変わるということはありません。アメックスもこの点は同様です。
グリーン・ゴールド共通の、アメックスのポイント還元率の特徴をご紹介します。
「1回ごとのカード利用金額」に応じてポイントが貯まる仕組みのことをポイントプログラムと言うのですが、アメックスグリーンとアメックスゴールドはこのポイントプログラムが全く同じなんです。
基本のプログラムが同じでも、
「グレードの高いほうにボーナスポイント」などが付くカードもありますが、そういったことはアメックスにはないということなんです。
なのでアメックスゴールドの場合、高い年会費を払う分、ポイントだけで元を取ろうとするのはなかなか困難です。
年間3,300円を支払ってメンバーシップ・リワード・プラスに加入しても、マイルに交換しない限り、ポイント還元率はほぼ0.5%に過ぎません。
高グレードカードのメリットは、やはり豊富な特典です。
アメックスグリーンと比較しても、当然ゴールドのほうが特典が豊富です。
世間ではプラチナカード付帯のサービスとなるものが、アメックスゴールドに多くあります。
それではその特典をグリーンのものと比較していきましょう。
高いグレードのカードの場合、ステータスを意識して持つ人も多いので、「年会費の元をとる」ことを考えていない人も多いかもしれません。
ただ、そのような人にとっても、特典が充実しているのは嬉しいですよね。
まずはグリーン・ゴールド共通の特典を紹介します。
これら以外に、実は比較的簡単に年会費の元を取る手段があります。
それが「ゴールド・ダイニング by 招待日和」と呼ばれる特典を使うことです。
画像引用元:ゴールド・ダイニング by 招待日和
ゴールド・ダイニングby招待日和は、アメックスに限らず多くの高グレードカードで提供されているプログラムで、
対象のレストランにおいて所定のコースを頼むと1名分のコース料金が無料になるというもの。
対象レストランは国内だけでなくシンガポールにも存在します。
この特典自体は、2名以上で頼むことが条件ですので、恋人や友人とのディナーでももちろん役立ちます。
夫婦で年1回使いたいという人にもおすすめします。
夫婦なら、家族カード年会費1枚無料の特典と併せて、アメックスグリーンよりもゴールドの年会費が実質割安になる場合があるためです。
さらに、アメックスといえば、旅行の中でも海外旅行に向いたカードです。
アメックスグリーンにもトラベル優待があり、そしてアメックスゴールドにはさらに多くの優待があります。
グリーンとゴールドとの比較において、ここは重要なポイントなので解説しておきます。
まず、国内(+ホノルル)の空港ラウンジが無料で使えるというのが大きなメリットのひとつです。
コンセント、Wi-FI完備でソフトドリンク飲み放題のラウンジは、特にビジネスマンの出張にとって最適なスポットです。
この特典は、一般的なゴールドカードについていることが多いのですが、
アメックスの場合はアメックスグリーンでもアメックスゴールドと同じ特典をうけることができます。
画像引用元:世界に広がるラウンジ・ネットワーク | プライオリティ・パス
そして、通常のラウンジよりもさらに高グレードのラウンジがあるのをご存知でしょうか。
航空会社や空港運営会社が、上級顧客のため用意しているラウンジなのですが、こちらに入室できる会員資格のことをプライオリティ・パスと言います。
アメックスのグリーンとゴールドの場合、どちらにも無料でプライオリティ・パス加入特典があります。
項目 | ラウンジ利用料金 |
---|---|
アメックスグリーン | 32米ドル(およそ3,400円/2020年9月時点) |
アメックスゴールド | 年2回まで無料 |
アメックスゴールドならではのメリットもあります。それは家族カード会員もプライオリティ・パスを申し込めることです。
アメックスグリーンと比較するとこのようになります。
項目 | 家族カード会員のプライオリティ・パス申し込み |
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アメックスグリーン | 不可。ただし家族カード会員に限らず同伴者なら32米ドル(およそ3,400円/2020年9月時点)で入室可 |
アメックスゴールド | 可。自己名義で、無料でプライオリティ・パスを持てる |
家族カード会員もプライオリティ・パスの資格においては、本会員扱いなので別料金がかかりません。
なので、年1~2回海外に家族で行く人にとっては、アメックスゴールドは魅力的と言えます。
アメックスでは、海外にいても日本語で24時間電話応対してくれる「グローバル・ホットライン」
または「オーバーシーズ・アシスト」サービスを実施しています。
海外旅行先で日本語が使えたらとても助かりますよね。
このサポートのアメックスグリーンとアメックスゴールドにおける違いは次の通りです。
項目 | 名称 | サポート内容 |
---|---|---|
アメックスグリーン | グローバル・ホットライン | ホテル・レストラン・公演・現地ツアー・航空便等の相談や予約が可能 |
アメックスゴールド | オーバーシーズ・アシスト | 「グローバル・ホットライン」のサービスに加え、医療相談、医療機関の紹介、法律相談(弁護士の紹介)も可能 |
アメックスグリーンの「グローバル・ホットライン」でも、海外でのサービスとして十分頼りになりますが、
アメックスゴールドのサービスも付いていれば、さらに安心して海外に滞在することができそうですね。
アメックスには宿泊優待が多数あります。
続いて、アメックスグリーンとアメックスゴールドの付帯保険を比較してみましょう。
特に、海外旅行障害保険は重要です。カードの保険だけで済むなら、保険商品に加入する費用も手間も要りません。
海外旅行傷害保険は、アメックスグリーンとアメックスゴールドとで中身が違います。
一言でいうと次のとおり。
海外旅行傷害保険で最も大事なのは、ケガや病気の際でも十分な補償が受けられることです。
治療費補償額を比較してみます。
項目 | 治療費補償額 |
---|---|
アメックスグリーン | 100万円(家族特約100万円) |
アメックスゴールド | 300万円(家族特約200万円) |
アメックスの場合、家族カード会員は本カード会員と同額の補償が受けられます。
18歳未満など家族カードを持てない家族には、家族特約が適用されます。
医療制度の違う海外では、万一手術でも受けると数百万の費用が発生することがあります。
最低でも200万円程度は用意しておきたいですよね。
この点からすると、アメックスグリーンの補償額は、一般的なゴールドカードと比較すると物足りないかもしれません。
そして、アメックスの場合保険で気を付けたいのは、「利用付帯」であること。
ツアー代金や航空機代金をアメックスで事前決済しておかないと、保険適用になりません。
アメックスゴールドの場合は自動付帯(持っているだけで保険が適用)部分もありますが、
家族カード会員や家族特約の適用のためにはやはり事前カード決済が必要です。
アメックスは不正使用などの対策も充実しています。
項目 | 内容 |
---|---|
アメリカン・エキスプレス・セーフキー | オンラインショッピング時に認証コードの入力が必要 |
オンライン・プロテクション | オンライン不正決済の代金を請求されない |
ショッピング・プロテクション | 購入商品の破損・盗難を90日間補償 |
リターン・プロテクション | 購入店が受け付けない返品対応(90日間) |
こちらのサービスはアメックスグリーン、アメックスゴールド共通です。
アメックスグリーンとアメックスゴールドについて、機能を比較してきました。
それぞれのカードをおすすめする人が絞れてきたと思います。
最後にまとめます。
アメックスグリーンは空港ラウンジが無料で使えることや、ポイント還元がアメックスゴールドと変わらないという点を考えると、十分に魅力的なカードと言えそうです。
ただ、海外旅行傷害保険の補償額を充実させたい人や、家族カードを無料で発行したい人は、アメックスゴールドが向いているかもしれません。
アメックスゴールドの魅力は、なんといっても家族カードを一枚無料で発行できる点です。
さらに、海外旅行傷害保険も充実しており、プライオリティ・パスによって使えるラウンジが年2回まで無料だということを考えると、
家族がいて海外旅行に行くことのある方にはまさにぴったりのカードと言えるでしょう。
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはもう少し複雑なので、アメックスゴールドを年会費で切り捨てないほうがいいでしょう。