クレジットカードをマイル獲得のために活用する人も多いのではないでしょうか?
今回は「マイル獲得に向いているのはどっち?」をテーマに、アメックスとANAの提携カードであるANAアメリカン・エキスプレス・カード(ANAアメックス)と、アメックスの基本のカードであるアメリカン・エキスプレス・カード(アメックスグリーン)を比較します。
まずは、2枚のカードの年会費から見ていきましょう。
カード | 年会費 | 家族カード年会費 |
---|---|---|
ANAアメックス | 7,700円 | 2,750円 |
アメックスグリーン | 13,200円 | 6,600円 |
ANAアメックスは、アメックスグリーンと比べて年会費の安いカードです。
対してアメックスグリーンは、年会費をみるとわかる通り、世間的にはゴールドカード(年会費5,500円~11,000円程度)として通用する1枚です。
航空系カードは、同じグレードであれば一般カードよりも、年会費が高くなるのが普通なのですが、ANAアメックスの年会費はグリーンより高くありません。
しかし両者とも、機能面をみると「海外旅行傷害保険」と「空港ラウンジ利用」などのゴールドらしい点もあります。
まとめると、それぞれカードグレード的にはこう考えられます。
ANAアメックスの年会費は、航空系ゴールドカードとしては非常にリーズナブルだと考えられます。
アメックスの場合はステータス重視の人も多いので、年会費が安ければいいということはないにしても、検討材料の一つにはなるでしょう。
ANAアメックスとアメックスグリーンの比較は、マイル獲得について比較した上で、カードのサービスを加味して決めるのがいいでしょう。
アメックスグリーンは航空系ではないものの、マイルを貯めやすいカードです。むしろ、ポイント還元率の低いこのカードは、マイルを貯めてこそ役立つのです。
2枚のカードのマイル移行率を比較します。
カード名 | マイル移行率 |
---|---|
ANAアメックス | 1,000ポイント=1,000マイル(マイル移行率1.0%) |
アメックスグリーン(ANAへ移行) | 1,000ポイント=1,000マイル(マイル移行率1.0%)※移行上限あり |
アメックスグリーン(ANA以外へ移行) | 1,250ポイント=1,000マイル(マイル移行率0.8%) |
アメックスグリーン(メンバーシップ・リワード・プラスに加入しない場合) | 2,000ポイント=1,000マイル(マイル移行率0.5%) |
アメックスグリーンの場合、メンバーシップ・リワード・プラス(年間参加費3,300円)に加入せず移行することもできますが、その場合はANAかANA以外かを問わず、マイル移行率が0.5%になってしまいますので、選択肢に入れないほうがいいでしょう。
ANAアメックスと違って、アメックスグリーン等、アメックスプロパーカードでは貯めたマイルをANAに移行できるのは年間で40,000マイルまでという移行上限があります。
つまり、メンバーシップ・リワード・プラスに加入して移行する人の場合、1年間で40,000ポイントまでしかマイルへの移行ができないということです。
大量に移行したい場合は複数年度に分けないといけない上に、その年度ごとに費用が必要なのでご注意ください。
アメックスグリーンでマイルを貯めるのならば、ANA以外の航空会社への移行のほうがおすすめです。
マイル移行率0.8%となるためANAよりもレートが落ちますが、移行の際の費用がメンバーシップ・リワード・プラス以外に発生せず、移行上限がないからです。
まとめるとこのようになります。
ANAアメックスで交換できるのは、もちろんANAのマイルだけなのですが、アメックスグリーンはマイルの交換先が豊富にあります。
海外の航空会社のマイルも、使い道がその便に限定されているわけではありません。
とりあえずポイントとして貯めておいて、用途・目的に応じて、必要なマイルに替えるのが賢い使い方かもしれません。
アメックスのカード利用で貯まるマイルは、ポイントを自分で移行しなければいけません。
航空系カードの中には、カード利用によって直接マイルが貯まるものや、マイル直接付与をが選択できるものがあります。
しかし、ANAアメックスも含め、アメックスの場合はこのような自動移行方式ではありません。ポイントを自分でマイルに移行する必要があるんです。
カード名 | 年会費以外のマイル獲得に必要な費用 |
---|---|
ANAアメックス | ポイント移行コース年間参加費6,600円 |
アメックスグリーン | メンバーシップ・リワード・プラス年間3,300円 |
(ANAマイルのみ) メンバーシップ・リワード ANAコース年間5,500円 |
これらの費用は、初年度から毎年支払わなければならないものではありませんが、少なくともマイル移行をする年には、これらの費用を支払うことが求められます。
ANAアメックスの場合、カードをANAカードマイルプラス加盟店で使うと、さらにANAマイルを貯められます。
ANAカードとしてのボーナスなので、アメックスグリーンにはこの機能はありません。
通常のポイントと別に、100円または200円利用ごとに1マイルです。
つまり、マイル移行率0.5%または1.0%のボーナスということになります。
このマイルは、アメックスのポイントを経由せず直接貯まるため、3年のANAマイル有効期限内に使わなければ消滅してしまいますので気を付けましょう。
ANAでの航空券購入や機内販売などはもちろん加盟店となっています。
その他ホテル・旅行関連をはじめ加盟店は多岐にわたっていますが、ここでは日常生活でなじみの深い店舗や公共料金を、一部ピックアップしてみました。
ANAアメックスとアメックスグリーンの、基本ポイント還元率はこちらになります。
ポイント還元率が低いというのはグリーンだけでなく、提携カードを除くプロパーアメックス全般の特徴です。
ANAアメックスも、マイル交換しないで使うならこの還元率となってしまいます。
別途年間参加費を必要とするメンバーシップ・リワード・プラスに加入しても、ポイント還元率は0.5%までしか上がりません。
アメックスのポイント有効期限は通常3年ですが、これを無期限にすることで年会費以外の費用を支払わずに、ずっとポイントを貯めておけます。
そうすると3年以上ポイントを貯めてまとめてマイルに移行することで、マイルの有効期限を考えずにマイルを貯めることができるというメリットもあります。
この方式は、マイル有効期限を気にせず大きくポイントを貯めてから移行できるのが長所ですが、その前に「ポイント有効期限」の問題があります。
具体的には次の2つになります。
ポイント移行コースやメンバーシップ・リワード・プラスに別途加入することは、アメックスでのマイル移行の場合「必須」です(アメックスグリーンの場合、義務ではないが実質必須)。
そうすると、どのみちポイント無期限になるので、1つ目の方法である「一度ポイントを交換」は必要がないように感じるかもしれません。ですがそうではありません。
マイル移行をする年だけ別途コースに加入すればいいので、移行する年までは、一度ポイントを交換しておいてポイント無期限にしておけば、費用を掛けずに大きく貯めることができます。
ポイント移行コースやメンバーシップ・リワード・プラスに加入するとその後毎年自動更新となりますが、ポイントをマイルに移行した翌年に必要がなければ、自分でやめてしまうこともできます。
ANAアメックスとアメックスグリーンのマイル移行とポイント還元率についてここまで説明してきました。
特典についてはどうでしょうか?
例えば、以下の5つの特典については、ANAアメックス・アメックスグリーン共に使うことができます。
手荷物無料宅配サービスについては、アメックスグリーンの場合は出発時にも使えます。
これ以外のサービスの違いを見てみましょう。
画像引用元:世界に広がるラウンジ・ネットワーク | プライオリティ・パス
主にプラチナカード以上のカードの特典として付帯しているのが、プライオリティ・パスです。
プライオリティ・パスでできるのは、空港にある上級ラウンジを利用できることです。
これらの上級ラウンジの中には、アルコールや食事が提供される場所もあります。そして、日本のみならず世界中に存在しています。
ANAアメックスには残念ながらプライオリティ・パスは付帯していません。
アメックスグリーンにはこれが付いているものの、実際のラウンジ利用時に利用料金32US$(2020年9月時点でおよそ3,400円)が必要となっています。
同伴者も同一料金です。家族カード会員については、自分の名前でプライオリティ・パスを入手はできません。
アメックスグリーンはANAアメックスと違って、ANA以外にもマイルを貯めることができるのが1番のポイントですね。プライオリティ・パスにも無料で登録できるというメリットもあります。
ANA以外でも旅行を楽しみたいという人におすすめのカードです。
一方で、ANAアメックスはANAマイルを貯めるのが第一優先の人にとっては最適のカードと言えるでしょう。
高い移行率に加え、ANAカードマイルプラス加盟店であるお店での買い物や、公共料金でもマイルを貯めることができるのはかなりのメリットです。