高ステータス、特に海外旅行向きで人気の高いアメックスの中にも、グレードがあります。
アメリカン・エキスプレス・カード、通称アメックス・グリーンはよく知られた存在ですが、さらに上のグレードに、アメックス・ゴールドとアメックス・プラチナとがあります。
そこで今回は、これらの3種類のカードの年会費や特典、保険を比較して、「どれを選んだらいいかわからない」とお悩みの人に、最適の1枚をご案内します。
アメックスの3種類のカード、正式名称から確認しましょう。
さらにこの上にセンチュリオン(アメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カード)がありますが、自己申込みが可能なのはプラチナまでです。
アメックス3種の年会費は以下のようになっています。
基本のグリーンカードでも、世間一般のゴールドカードより高めの年会費となっています。
アメックスゴールドが世間のプラチナに、アメックス・プラチナがブラックカードに相当すると考えたほうがいいでしょう。
続いて、家族カードの年会費です。
家族カードは基本的に本カードと同じサービスが受けられるので、活用次第ではかなりお得です。
アメックス・プラチナの高い年会費も、家族カードを4枚発行すれば、家族5人で割ると1人28,600円ということです。
夫婦でアメックスを使う場合も、グリーンよりも、家族カード1枚無料のゴールドのほうがお得になる場合もあります。
画像引用元:ポイント・プログラムのご案内 – クレジットカードはアメリカン・エキスプレス(アメックス)
アメックスのポイント還元については、基本的にカードグレードを問わず同一です。
アメックスの基本還元率は0.3%で、最近の還元率1.0%以上の高還元率カードと比べると、見劣りするのは否めません。
ただ、アメックス・プラチナの場合、オプションである「メンバーシップ・リワード・プラス」加入が無料なので、ポイント還元率0.5%が実質の下限となっています。
アメックスのポイントは、航空会社のマイルに交換すると優れたマイル還元率(0.8~1.0%)となります。航空系クレジットカードと比べても遜色ありません。
他には、ホテルチェーンのポイントに交換する方法もあります。
使い方によっては価値が高くなるものの、ごく普通には還元率0.5%程度なので、マイルほどではありません。
アメックスは海外旅行に向いたカードです。
そのサービスの代表が、海外旅行時に特に役立つプライオリティ・パスです。
画像引用元:世界に広がるラウンジ・ネットワーク | プライオリティ・パス
プライオリティ・パスは、世界中の空港ラウンジを利用できる会員資格のことです。
空港ラウンジにも種類がありますが、プライオリティ・パスで利用できるのは航空会社の上級会員向けのもの、それから空港運営会社のものです。
アメックス会員なら国内線のカードラウンジも使えますが、プライオリティ・パスで入場できるのはさらに格上の施設です。
アメックスの場合、3種類のカードすべてでプライオリティ・パスが入手できますが、内容が違います。
内容の違いは、以下の3点です。
項目 | グリーン | ゴールド | プラチナ |
---|---|---|---|
ラウンジ利用 料金 |
32US$ | 年2回まで 無料 (3回目以降 32US$) |
無料 |
同伴者料金 | 32US$ | 32US$ | 1名無料 (2名以上 32US$) |
家族カード会員 入会資格 |
× | ○ | ○ |
アメックス・グリーンで入手できるプライオリティ・パスは、利用時に毎回料金の発生するタイプです。
本来、お金を払っても入れないラウンジであることを考えれば、日本円で3,000円以上支払っても、なお価値があります。
ただ、家族旅行でラウンジを使いたいのなら、アメックス・ゴールド以上がおすすめです。
アメックス・ゴールドなら、本会員と家族会員でそれぞれ自己名義のプライオリティ・パスを持てるので、年2回までなら、家族2名まで無料でラウンジが利用できます。
さらにアメックス・プラチナなら、同伴者無料なので家族4人無料で利用できます。
アメックスの場合、下位カードの特典は、すべて上位のカードでも利用可能です。
アメックス・グリーンから順にサービスを見ていき、上級カードの特典を追加し、そのサービスを比較していきます。
画像引用元:マイルや提携ポイントに移行する
アメックス・グリーンの特典は、ゴールド・プラチナでも利用可能です。
上級のカードではサービス名称が変わり、内容がさらに充実するものもありますが、基本は同一です。
画像引用元:ゴールド・ダイニング by 招待日和
続いて、アメックス・ゴールドの特典を見てみましょう。
アメックス・ゴールドにあるサービスの代表が「ゴールドダイニングby招待日和」です。
これは、日本とシンガポールの特定のレストランで、2名以上でコースを頼むと1名分無料になるサービスです。
他のクレジットカードにも「招待日和」は存在しますが、ほぼプラチナカード限定のサービスです。
アメックス・ゴールドが、実質的にプラチナカードに相当するものであることがよくわかる特典です。
グリーンとゴールドの年会費の差を「家族カードを1枚追加」した場合で考えると12,100円なので、夫婦であれば年1回、招待日和利用で逆転可能です。
画像引用元:プラチナ・カードのご案内 – クレジットカードはアメリカン・エキスプレス(アメックス)
アメックス・プラチナにもなると、高額の年会費に見合ったサービスが充実しています。
ファイン・ホテル・アンド・リゾートやフリー・ステイ・ギフトといった宿泊関連の特典も利用できるようになります。
また、アメックス・プラチナからコンシェルジュサービスも付帯するので、ぜひ使いこなしたいですね。
高ステータスカードのわかりやすい特典が、旅行傷害保険、特に海外旅行傷害保険です。
家族旅行となると保険代も馬鹿になりません。クレジットカードの保険で済むならそれでカバーしたいですよね。
国内旅行では、ケガをしても健康保険証が使えるので、旅行保険は考えない人が多いでしょう。
それでも、日ごろと違う状況にいるため、負傷する可能性も高くなります。
わざわざ加入することはなくても、カードに保険が付帯していれば、まさかのときに助かります。
グリーン | ゴールド | プラチナ | |
---|---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 5,000万円 | 5,000万円 | 1億円 |
入院保険金日額 | なし | なし | 5,000円 |
通院保険金日額 | なし | なし | 3,000円 |
アメックス付帯の国内旅行傷害保険の要件です。
アメックス・プラチナには、カード保持者に自動で適用される(自動付帯)保険金もありますが、上記一覧では省略しました。
プラチナにのみ、入院・通院の補償があります。
海外では医療制度が日本と異なります。
海外旅行傷害保険に入っておくのは必須ですが、アメックス付帯の保険で対応できるでしょうか。
保険種別 | グリーン | ゴールド | プラチナ |
---|---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 5,000万円 | 5,000万円 | 1億円 |
傷害疾病治療費用 | 100万円 | 300万円 (家族特約200万円) |
1,000万円 |
賠償責任保険 | 3,000万円 | 4,000万円 | 5,000万円 |
携行品損害保険 | 30万円 | 50万円 | 100万円 |
救援者費用 | 200万円 | 400万円 (家族特約300万円) |
1,000万円 |
保険適用の種別 | 利用付帯 | 自動付帯あり | 自動付帯 |
健康な人でも盲腸炎など、海外で急遽手術を受けたりすることもあり得ます。
費用が高額になる場合もあり、最低でも200万円程度の治療費補償は用意しておきたいところです。
この観点からすると、グリーンではやや物足りません。
家族揃ってカードの保険で安心して旅行に行けるのは、アメックス・ゴールド以上ということになります。
アメックス・プラチナの場合は持っているだけで適用される自動付帯です。
最後に、アメックス3種のカードの選び方について整理しましょう。
生活様式に合わせて選びたいですが、次の要素が重要です。
世間的に評価の高いアメックス・グリーンにも、海外旅行傷害保険が充実していないという欠点があります。
そこから考えると、アメックス・グリーンはこんな人に向いています。
アメックス・ゴールドは、年会費が高い点が気になるかもしれませんが、家族カード1枚無料の点で大きく埋め合わせができます。
そこから考えると、こんな人に向いています。
もちろん家族と一緒でなくても、食事や旅行にフル活用できます。
ただ家族カードを持たないと、年会費をやや高く感じることもあるでしょう。
アメックス・プラチナの場合、ゴールドを上回る、お金に替えられない価値が豊富についています。
アメックス・プラチナはこんな人に向いています。
以上、アメックス・グリーン、ゴールド、プラチナの比較を行ってきました。
高ステータスで人気のアメックス。自分にぴったりの種類を選び、ぜひ申し込みを検討してみてはいかがでしょうか。