クレジットカードは、いつまでも持ち続けるものとは限りません。保有期間の長短を問わず、いずれ解約したくなる日が来ることも。
ステータスのある「アメリカン・エキスプレス・グリーン・カード(アメックス)」ですが、環境変化により解約したくなる場合も出てきます。
このような時はクレジットカード解約前の事前調査と手順の確認が重要です。
この記事では、アメックスの解約方法と手順、解約前の注意点・対処法について詳しく解説します。
- 解約の電話は平日のみ受付
- “月会費無料”などで引き留められることも
- メンバーシップ・リワードのポイントは消滅
- リボ残高は一括請求
- ETCカードも無効になる
カード名 | アメックスグリーン | ゴールド・プリファード・カード | ANAアメリカン エキスプレス・カード | ANAアメリカン・エキスプレス ゴールド・カード |
年会費 | 月会費制1,100円/月 (年合計13,200円) | 39,600円 | 7,700円 | 34,100円 |
還元率 | 0.3%~1.0% | 1.0%~3.0% | マイル還元率 0.5%~1.5% | マイル還元率 0.5%~3.0% |
国際ブランド | American Express | American Express | American Express | American Express |
キャンペーン | 合計35,000ポイント プレゼント | 新規入会&条件達成で 合計100,000ポイント 獲得可能 | 合計24,000マイル 相当獲得可能※1 | 合計80,000マイル 相当獲得可能※1 |
申込対象 | 20歳以上 パート・アルバイト・学生不可 | 20歳以上 パート・アルバイト・学生不可 | 20歳以上 パート・アルバイト・学生不可 | 20歳以上 パート・アルバイト・学生不可 |
発行スピード | 最短3営業日 | 通常1~3週間 | 1週間〜3週間 | 1週間〜3週間 |
公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
※1 ANA アメリカン・エキスプレス提携カード メンバーシップ・リワード®のポイントをマイルに移行した場合。
アメックスを解約する理由について
アメリカン・エキスプレス・グリーン・カード(アメックス)を解約する理由として以下のような場合が考えられます。
《カード自体のデメリットによるもの》
- 高い月会費が負担
- ポイント還元率が低い
- 目安としての利用限度額を引き下げられた
- 高額決済をしたところ、通帳の写し提出を要求された
- 海外で意外と加盟店が少ない
《個人の都合によるもの》
- あまりカードを使わない
- 他のクレジットカードがメインになった
- 家庭環境の変化による、ライフスタイルの変更
- 航空系等、アメックス提携カードを入手したので不要となった
- 初年度月会費無料キャンペーンで手に入れたが、月会費を支払いたくはない
口コミには上記の理由をはじめとする、さまざまなコメントが見受けられます。
カードを使わない、使わないのに月会費が高い、ポイント還元率が低いというのは、他のグレードの高いカードでもあることです。
ステータスが良くても月会費に見合った使い方ができないなら、解約する方がよいでしょう。
また、アメックスは利用者の年収に基づき、限度額(アメックスの場合は目安の額)が変動します。
アメックス=海外利用のイメージですが、実際に使おうとすると、特に米国以外の一般クレジットカード加盟店で、意外と利用できないこともあります。
加えて、アメックスにはキャッシング枠がないという、他のカードと大きく違う特徴もあります。
こうしたさまざまな理由で“解約”することとなりますが、手続きはどうしたらいいでしょうか。
アメックスを解約する方法と具体的な手順を見ていきましょう。
アメックスを解約する方法
結論は電話で解約できます。
最近のクレジットカードは、会員用サイトなどにログインして、カードの解約申込みをするだけで解約できるカードも多くなっています。
ですがアメックスの場合、電話でしか解約できません。Q&Aページにも解約の方法が記載されていないため、戸惑う方も多いようです。
以下にアメックスの解約手順を説明していきます。
- アメックスのカード裏面の問い合わせ電話番号に電話
- 自動応答で、すぐ解約できる
- オペレーターと話をすることも選べる。その場合、口頭で解約意思を伝える
電話がつながれば、アメックスらしく解約予定者向けに懇切丁寧な対応をしてくれます。
営業時間に注意
アメックスの場合、平日(9:00~17:00)しか電話が通じません。
解約はカード紛失のような緊急案件ではないので、仕方ないでしょう。これは多くのカードでも同様です。
優良顧客は解約を引き留められる
解約の際は自動応答でできるカードも増えましたが、多くのカードではオペレーターに解約の意思を伝える必要があります。
自動応答で解約可能なアメックスの場合も、解約手順確認のため直接オペレーターと話をする機会は多いでしょう。
アメックスに限りませんが、優良顧客が解約の意思を伝えると、引き留められることが多いようです。
自動応答で解約した人であっても、利用実績がきちんとあるユーザーの場合、翌日に電話が掛かってきて引き留められるということもあります。
電話口で解約意思を取り下げてもらう、引き留めの手段として、月会費を1年無料や、ポイントの特別付与などの特典提案のケースもあるようです。
もし、月会費やポイント還元が不満で解約を検討しているなら、提案次第では翌年まで継続も可能です。
引き留めが無い場合も解約の理由は必ず訊かれます。この際は、本音を言っても問題ありません。
解約を利用して、月会費無料やポイントを狙える?
アメックスの解約を引き留めるために、ポイントを付けてくれたり、月会費を1年無料にしてくれたりすることがあると聞けば、これで得ができるのではないかと考える人もいるかもしれません。
しかし、解約引き留めや有利な条件の提案は必ず発生するものではありません。
- 顧客の引き留め内容が利用者にはわからない
- 解約を申し出る時期によって、引き留め内容はバラバラと推測される
- そもそも、自分が引き留め対象であるという保証がない
利用状況の同じ複数の顧客が同じ条件で解約を申し出たとしても、引き留められることも、そのまま解約手続きを進められてしまうこともあり得ます。
またアメックスの優良顧客の基準は公表されていません。他のクレジットカードとは異なっていると考えられます。アメックスはユーザーの年収を重視する傾向にあるからです。
アメックス解約の際の注意点
カードを解約する機会は、たびたびあることではありません。ですから、つい失念してしまう情報も中にはあるでしょう。
アメックス解約の電話を入れる際、オペレーターが注意点を説明してはくれますが、あらかじめ準備しておく方が無難です。
また、公式サイトに明記されている解約時の注意点以外にも、世間の噂レベルの注意点もあります。
例えば、アメックスは退会後1年間は再入会できないというものです。
なんらかの内規は存在するかもしれませんが、明確な根拠まではありません。
貯めたポイントは解約で無効になる
アメックスを解約すると、それまで貯めたメンバーシップ・リワードのポイントがただちに消滅します。
これはアメックスに限らず、楽天スーパーポイントなど共通ポイントを貯めるカードでもない限り、どのカードでも当然です。
解約する際には、できるだけ事前にポイントは使い切りましょう。使い方は後述します。
未請求額はポイント対象外、リボ払い等は一括請求
アメックスの解約は、請求日を迎えていない利用額が残っていても可能です。
まったく使っていない場合を除き、解約後も本来通りに引落しが行われます。解約後も未払い額がある場合は銀行への入金を忘れないようにしましょう。
すでに解約済みなので、この請求額についてはポイントの対象外です。
アメックスのリボ払い「ペイフレックス」を使っていた人は、リボ残高があっても一括払いで請求が来ます。
ボーナス払い、分割払いも同様です。まとめて残高を支払えない人は、そもそも解約をしてはいけません。
会員専用サイトの閲覧はできなくなる
アメックス会員専用サイトも解約後のログインができなくなります。
残った支払額については郵送で明細書が送られてきますので、必ずこちらを確認してください。
うっかり支払い漏れや残高不足のないよう気を付けましょう。解約後の支払い漏れも“個人信用情報に記録”されてしまいます。
ETCカードも無効になる
ETCカードをアメックスで作っている場合、アメックス解約時にETCも無効になります。
これは、どのクレジットカードでも同じでしょう。
アメックスのETCカードは、カードによって年会費とカード発行手数料が異なります。
他のクレジットカードには、ETCカードの年会費・発行手数料ともに無料のものが多数ありますので、アメックス解約前にそちらを変えておくといいでしょう。
公共料金引落しの扱い
アメックスで公共料金や通信費などを支払っている人は多いはず。メインのカードならなおさらです。
解約すると、これらの引落しはすべて無効となります。
解約前の利用日になっている請求は、未払い残高として他のカード利用分と一緒に請求されますが、次月はもう引き落とされません。
カード引落し不能で大変なことになるかというと、各公共料金から請求書が順次届くので、特に心配するほどのことはありません。
請求書払いをしたくない人は、早めに他のカードや銀行に、引落し先変更の手続きをしてください。
公共料金の引落し開始は時間が掛かります。アメックス解約予定の2ヶ月前には切り替えておくのが確実です。
貯まっているポイントを使い切る
アメックスを解約すると、貯めたメンバーシップ・リワードのポイントは無効になります。
一度、ポイントを確認して解約前に使い切るか、メンバーシップ・リワードから他のポイントに移行しておきましょう。
アメックスの場合、もっとも有利な移行はANA等のマイル移行です。
解約直前に、すぐにポイントを消費したいのであれば、以下の方法もおすすめです。
共通ポイントに交換する
貯まっているポイントを無駄にしない方法のひとつが、共通ポイントに移行すること。
共通ポイントは業界をまたいで現金代わりに使えるポイントです。アメックスは、以下の共通ポイントに交換可能です。
- 楽天スーパーポイント
どちらも、それまで使っていなかったとしても簡単にアカウントを作れます。
ただし、交換レートは決してよくはありません。そして、端数が生じやすい単位設定です。
→ 共通ポイント1,000
100円のカード利用で貯めた1ポイントが、最終的に0.33円の価値で交換されることになります。
年間参加費3,300円(税込)のメンバーシップ・リワードシップ・プラスに加入している場合は、多少交換率が上がります。
→ 共通ポイント1,500
この場合だと、1ポイント0.5円の移行です。
共通ポイントへの移行は簡単な方法ですが、端数が多く出るのが難点です。
ヨドバシカメラや高島屋の商品券との交換もありますが、レートと交換単位は、共通ポイントの場合とまったく同じです。
カード利用料金に充当する
端数まで使い切りたい場合は、この方法がおすすめです。
ただし、大前提として最後の利用代金が請求前である必要があります。
解約後の残存利用代金に充当することはできないので、あらかじめ計画し、貯まったポイントを充当してから解約するようにしましょう。
レートは基本的に共通ポイントの場合と同じですが、ポイント充当の単位が1からOKとなっていますので、使いきりやすくなっています。
アメックスの場合、新たなポイントの付与時期は、代金精算後ではなく、データ計上時です。
ですから、最後の代金支払でまたポイントが増えてしまうということはありません。
利用のタイミングを計れば、ポイントをゼロにできます。
充当するカード決済が次の種類である場合、例外的にお得なレートとなります。
ただし、これはメンバーシップ・リワード・プラス加入の人のみの特典です。
アメックス1ポイント → 1円
ホテル・旅行会社での利用
アメックス1ポイント → 0.8円
アメックスの解約に特殊なことはない
以上、アメックスの解約について見てきました。
解約前に確認すべきことを行い、損をしないようにしましょう。
- アメックスは特殊なカードだが、解約については普通
- 他のカードと同様、ポイントと月会費に気を付ける
- ポイントを使い切るためには、利用代金への充当がいい