クレジットカードでは、決済サービス以外にも各社さまざまな特典や優待サービスを提供しています。
優待サービスを使いこなせば、年会費以上のメリットを享受することもできます。
とはいえ、クレジットカードの優待サービスはたくさんの種類があって内容が把握しづらいのが難点です。
そこで今回は、一般カードとゴールドに分けて特典・優待が充実しているカードを厳選し比較しました。
自分にぴったりなクレジットカードを選ぶ参考にしてください。
- 特典の種類は、旅行・ショッピング保険/旅行サポート/優待割引に分類できる
- 年会費と優待サービスの内容は比例する傾向
- 年会費が高くても特典の内容次第では一般カードよりお得になる場合も
- 弱点を補えるカードを複数持ちするのがおすすめ
クレジットカードの特典・優待の種類
クレジットカードの特典・優待はカードごとに異なりますが、概ね以下のような種類に分類できます。
- 旅行・ショッピング保険
- 旅行サポート
- 提携店舗・カード会社優待
旅行・ショッピング保険
旅行・ショッピング保険とは、旅行先でのさまざまなリスクに対する補償、カードで買った品物が壊れた場合の補償サービスです。
クレジットカード旅行傷害保険には、カードを持っているだけで補償の対象となる自動付帯と、旅行代金をカードで決済した場合のみ補償対象となる利用付帯の2種類があります。
特に海外旅行の際は、現地で入院などをすると日本とは比較にならないほど高額な医療費がかかる場合もあります。
旅行の際はクレジットカードでカバーできる保険の内容を確認しておきましょう。
旅行サポート
主にゴールド以上のカードでは、空港ラウンジが無料で利用ができるものも多いです。
また、海外での日本語対応デスクなど、旅行時に役立つさまざまなサービスが用意されています。
提携店舗・カード会社優待
日常的なシーンで利用しやすいのは、提携店舗での割引やポイントアップなどの特典です。
自分がよく使う店で割引やポイントアップが受けられるカードを選べば、食費や日用品費などの節約につながります。
クレジットカードの特典は年会費に比例して充実する傾向
クレジットカードには、年会費がかかるものとかからないものがあります。その違いは、優待サービスの内容にあります。
たとえば、一般ランクの三井住友カードとゴールドランクの三井住友カード ゴールドを比較してみます。
サービス内容 | 三井住友カード | 三井住友カード ゴールド |
---|---|---|
カードデザイン | ![]() | ![]() |
通常年会費 | 1,375円 | 11,000円 ※条件を満たすと4,400円 |
家族カード年会費 (1枚目は共に無料) | 440円 | 1,100円 |
申込条件 | 満18歳以上の方 | 満30歳以上で安定継続収入のある方 |
ショッピング利用枠 | 最大80万円 | 最大200万円 |
国内旅行保険 | なし | 最高5,000万円(うち1,000万円自動付帯) |
海外旅行保険 | 最高2,000万円(利用付帯) | |
ショッピング補償 | 年間100万円まで | 年間300万円まで |
空港ラウンジ利用 | なし | 無料 |
三井住友カード ゴールドは、「カードご利用代金WEB明細書サービス」の利用+前年度のカード利用累計額に応じて、年会費を4,400円(税込)まで抑えることができます。
つまり、三井住友カードとの年会費の差は3,000円余り。
ゴールドの優待サービス・特典に3,000円以上のメリットがあれば、年会費を払ってでもゴールドカードを申し込んだほうが得ということになります。
三井住友カード ゴールドであれば空港ラウンジを無料で利用でき、旅行傷害保険の内容もクラシックに比べて充実しています。
たとえば羽田空港のラウンジ利用料金は1,100円なので、年間3回以上ラウンジを利用する機会があるのであれば年会費の元が取れると言えるでしょう。
万人に最適の優待サービスは存在しない
結局どのクレジットカードの優待サービスが最強なのかを知りたいという人も多いと思いますが、残念ながら万人に最適なクレジットカードは存在しません。
年齢や家族構成、生活スタイルで、メリットがあるか否かは大きく変わってくるからです。
年間1回も飛行機に乗らない人にとって空港ラウンジ無料という特典は必要ないですし、自分の生活圏にイオンがない人にはいくらWAONポイントがついてもメリットを享受できません。
ですので、各クレジットカードの特典・優待の特徴をしっかりと把握して、自分の生活スタイルだったらどのクレジットカードが最適なのかを正しく見極める必要があります。
また、メインで使いたいカードの弱点をカバーしてくれるカードをサブカードとして持つのもおすすめです。
一般カードの特典・優待比較
ここからは、一般カードの特典・優待を比較していきます。今回は、以下3つのカードをピックアップしました。
エポスカード
エポスカード | ||
---|---|---|
還元率 | ポイント | 0.5%~ |
マイル | 0.25%~ | |
年会費 | 初年度 | 無料 |
2年目以降 | ||
家族カード | なし | |
旅行保険 | 海外 | 最高500万円(自動付帯) |
国内 | なし | |
ETCカード | 発行手数料 | 無料 |
年会費 | ||
電子マネー | QUICPay | |
国際ブランド | VISA | |
発行会社 | 株式会社エポスカード | |
発行期間 | 即日交付可能(郵送は1週間) |
その他の特徴は以下のとおりです。
- 海外旅行傷害保険:最高2000万円/自動付帯
- 海外サポート:現地サポートデスクあり
- 提携店舗優待:エポトクプラザ
エポスカードで特筆すべきは、海外旅行傷害保険の充実ぶりです。
自動付帯なので、旅行代金をエポスカード以外で決済した場合でも、旅先でエポスカードを持っていれば補償対象となります。事前の申込みや手続きは不要です。
年会費無料のカードで最高2,000万円・自動付帯は他に類を見ない内容です。
海外旅行傷害保険の内容だけでも申し込む価値があります。
一方、国内旅行傷害保険とショッピング保険はついていませんが、年間1,000円で「エポスお買いものあんしんサービス」をつけることができます。
補償限度額は年間50万円までとやや少なめですが、自己負担額が0円なので、少額の商品でも補償対象となるのがメリットです。
優待割引も充実しており、タイムズカーレンタルで40%OFF、ノジマでエポスポイント5倍、ユナイテッド・シネマの映画鑑賞券がいつでも1,300円など、さまざまなシーンで役立つ内容です。
イオンカードセレクト
項目 | 内容 |
---|---|
年会費 | 永年無料 |
ポイント還元率 | 0.5~1.0% |
申込可能年齢 | 18歳以上 |
対応ブランド | VISA/MasterCard/JCB |
イオンカードセレクトには以下のような特典が用意されています。
- ショッピング保険:年間50万円まで/1品5,000円以上の商品のみ(WAON、Suica等での決済は対象外)
- 海外サポート:イオンワールドデスク
- 提携店舗優待:イオングループで割引(詳細は後述)
イオンカードセレクトは、イオン銀行キャッシュカード一体型のクレジットカードです。
旅行傷害保険/ショッピング保険はありませんが、その分イオン系列での優待は圧倒的です。
イオングループの対象店舗でポイント2倍、イオンお客様感謝デー(20日・30日)は利用代金から5%OFF、イオンシネマのチケットがいつでも1,000円などの充実ぶりとなっています。
また、銀行取引の手数料がお得なのも嬉しいポイントです。イオン銀行ATMの入出金手数料がいつでも無料、他行宛の振り込みが最大で月5回まで無料となっています。
イオンをよく使う人にはメリットが大きいカードなので、食料品や日用品などの普段遣いはイオンカードで、海外旅行や高額の買い物は補償が充実している別のカードで決済するのがおすすめです。
アメリカン・エキスプレス・カード
項目 | 内容 |
---|---|
初年度年会費 | 12,000円 |
次年度以降年会費 | 12,000円 |
ポイント還元率 | 0.3%~0.4% |
対応ブランド | American Express |
特典には以下のようなものがあります。
- 海外旅行保険:最高5,000万円/利用付帯
- 国内旅行保険:最高5,000万円/利用付帯
- ショッピング保険:年間500万円まで/自己負担額10,000円
- 旅行サポート:現地デスクあり、空港ラウンジで同伴者1名無料など
- 提携店舗優待:USJロイヤル・スタジオ・パスなど
通称「アメックスグリーン」ともいわれるアメックスの一般カードは、ゴールドカードではありませんが年会費は12,000円とゴールドカード並みです。
その分優待も充実しており、特に旅行保険は一般カードの中で最高クラスです。
特筆すべきは空港ラウンジの無料利用で、同伴者が1名無料になるのは他のゴールドカードでも見られない特典です。
その他、海外旅行時のスーツケース無料配送、海外用レンタル携帯電話半額など海外旅行に関するサポートが充実しています。
国内の優待では、USJの人気アトラクション「ウィザーディング・ワールド・オフ・ハリーポッター」入場確約や待ち時間短縮などの特典がある「ロイヤル・スタジオ・パス」を購入できるのが特徴です。
ゴールド/プラチナカードの特典・優待比較
ゴールド/プラチナカードは、年会費が高い分特典も充実している傾向です。
ゴールド/プラチナカードについては、特典が充実している以下の4枚をピックアップしています。
JCBゴールド
JCBゴールド | ||
---|---|---|
還元率 | ポイント | 0.3~1.5% |
マイル | 0.3~1.5% | |
年会費 | 初年度 | 無料 |
2年目以降 | 11,000円 | |
家族カード | 1枚目:無料 2枚目以降:1,100円 |
|
旅行保険 | 海外 | 利用付帯:最高1億円 自動付帯:5,000万円 |
国内 | 最高5,000万円(自動付帯) | |
ETCカード | 発行手数料 | 無料 |
年会費 | ||
電子マネー | QUICPay | |
国際ブランド | JCB | |
発行会社 | 株式会社ジェーシービー | |
発行期間 | 最短翌日 |
JCBゴールドには以下の特典が用意されています。
- 海外旅行保険:最高1億円(利用付帯)/最高5,000円(自動付帯)
- 国内旅行保険:最高5,000円(自動付帯)
- ショッピング保険:年間500万円まで
- 旅行サポート:空港ラウンジ無料、JCBプラザなど
- 提携店舗優待:全国250店舗で飲食代金20%OFFなど
海外旅行傷害保険では、海外航空機遅延保険がつくのが特徴です。飛行機が遅れてしまったことが理由による食事代や客室料なども負担されます。
提携店舗優待では全国250店舗で飲食代金20%OFFのほか、海外レンタカーの割引も受けられます。
ゴールドカードとしては標準的な優待サービスとなっていますが、プロパーカード(カードブランド会社が発行するカード)なので他のゴールドカードよりもハイステータスな印象があります。
また、2年連続で年間100万円以上利用すると更に上位クラスの「JCBゴールド ザ・プレミア」の招待が届くのも特徴です。
「クレジットカードを育てたい」「ハイステータスなカードがほしい」という人にもおすすめのゴールドカードです。
dカード GOLD
dカード GOLD | ||
---|---|---|
還元率 | ポイント | 1.0~10% |
マイル | 0.5~5.0% | |
年会費 | 初年度 | 11,000円 |
2年目以降 | ||
家族カード | 1枚目:無料 2枚目以降:1,100円 |
|
旅行保険 | 海外 | 最高1億円(自動付帯) |
国内 | 最高5,000万円(利用付帯) | |
ETCカード | 発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料 ※初年度無料 ※前年度に1回以上の利用で翌年度無料 |
|
電子マネー | iD | |
国際ブランド | VISA、Mastercard | |
発行会社 | 株式会社NTTドコモ | |
発行期間 | 最短5日 |
dカード GOLDには以下のような特典・優待があります。
- 海外旅行保険:最高1億円/自動付帯
- 国内旅行保険:最高5,000円/利用付帯
- ショッピング保険:年間300万円まで/ケータイ補償あり
- 旅行サポート:空港ラウンジ無料、VJデスクなど
- 提携店舗優待:ドコモ料金に対してポイント10%還元など
dカードGOLDはドコモ契約者であれば最大にメリットを享受できるカードです。中でも特筆すべきは、「dカードケータイ補償」です。
dカードケータイ補償は、携帯電話購入から3年以内の紛失・修理不能などで買い替えるときに、買い替え代金を補償してくれるサービスです。
今やスマホは10万円を超えるものもある高級品なので、万が一の際の備えは大切です。
提携店舗優待では、やはりドコモ料金支払いでポイントが10%還元されるのが大きいです。
その他にも、マツモトキヨシで4%、タワーレコード・ジュンク堂・ドトールなど特約店でポイントアップなど充実しています。
ダイナースクラブカード
ダイナースクラブカード | ||
---|---|---|
還元率 | ポイント | 0.25~0.33%程度 |
マイル | ANAマイル:1.0% その他航空会社のマイル:0.5% |
|
年会費 | 初年度 | 24,200円 |
2年目以降 | ||
家族カード | 5,500円 | |
旅行保険 | 海外 | 最高1億円(自動付帯) |
国内 | 最高1億円(利用付帯) | |
ETCカード | 発行手数料 | 無料 |
年会費 | ||
電子マネー | QUICPay | |
国際ブランド | ダイナースクラブ | |
発行会社 | 三井住友トラストクラブ株式会社 | |
発行期間 | カード到着まで2~3週間ほど |
ハイステータスカードとして知られるダイナースクラブカードには、以下の特典・優待が充実しています。
- 海外旅行保険:最高1億円(自動付帯・利用付帯5,000万円ずつ)
- 国内旅行保険:最高1億円/利用付帯
- ショッピング保険:年間500万円
- 旅行サポート:空港ラウンジ無料、ホノルルのLea Leaトロリー無料など
- 提携店舗優待:エグゼクティブダイニング等、レストラン優待が充実
ダイナースクラブカードはゴールドカードという括りではありませんが、年会費は一般的なゴールドカードよりも高い水準です。
旅行保険やショッピング保険も充実しているのですが、最大の特徴はレストランでの優待サービスです。
「エグゼクティブダイニング」というサービスでは、対象レストランで所定のコース料理が1名分無料になります。
たとえば、神戸三宮で有名な「神戸牛すてーき Ishida. 銀座本店」では15,800円のコースが1名分無料になります。
つまり、11,000円のコースを2店舗で使えば年会費以上のメリットがあるということになります。
その他、予約の取りづらい有名飲食店のキャンセル席を知らせてくれる「ごひいき予約.com」や、事前にweb予約すればレストランでカードを提示せずに支払いができる「スムーズダイニング」など他にはない優待サービスが充実しています。
記念日や大切な接待などに役立つ優待サービスといえるでしょう。
スターウッド プリファード ゲスト アメリカン・エキスプレス・カード
スターウッド プリファード ゲスト アメリカン・エキスプレス・カード | ||
---|---|---|
還元率 | ポイント | 3.0% |
マイル | 1.0〜1.25% | |
年会費 | 初年度 | 34,100円 |
2年目以降 | ||
家族カード | 17,050円 | |
旅行保険 | 海外 | 最高1億円(自動付帯) |
国内 | 最高5,000万円(利用付帯) | |
ETCカード | 発行手数料 | 935円 |
年会費 | 無料 | |
電子マネー | QUICPay | |
国際ブランド | アメリカン・エキスプレス | |
発行会社 | アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド | |
発行期間 | 最短2週間 |
主な特典・優待は以下の通り。
- 海外旅行保険:最高1億円(自動付帯・利用付帯5,000万円ずつ)
- 国内旅行保険:最高5,000万円/利用付帯
- ショッピング保険:年間500万円まで/自己負担額10,000円
- 旅行サポート:現地デスクあり、空港ラウンジで同伴者1名無料など
- 提携店舗優待:一流ホテル無料宿泊など
通称SPGアメックスと呼ばれるこのカードは、マリオット・インターナショナルとアメックスが提携して発行しているカードです。
マリオット・インターナショナルは、リッツ・カールトンやシェラトンなどの一流ホテルを展開しています。
SPGアメックス最大の特徴は、カードを更新する(年会費を支払う)たびに、系列ホテルに無料で宿泊できることです。
リッツカールトン、シェラトン、マリオットホテルなど国内33軒、世界6500軒の有名一流ホテルで利用できます。
宿泊費が高くなる年末年始や連休なども使えるので、この特典だけで年会費の元が取れてしまいます。
その他、系列ホテルの上級顧客向けサービス「Marriott Bonvoyゴールドエリート会員」資格が付与されます。
Marriott Bonvoyゴールドエリート会員資格は通常、対象のホテルに年間25泊以上しないと付与されない資格です。
内容は客室のアップグレード、14時までのレイトチェックアウトなどとなっています。こちらも特典除外日はないため、繁忙期でも利用可能です。
優待を活用してクレジットカードをお得に使いこなそう!
最後に改めて、本記事で紹介したクレジットカードとその特典・優待内容を簡単にまとめます。
- 「エポスカード」:年会費無料にして充実の保険サービス
- 「イオンカードセレクト」:イオン系列が圧倒的にお得
- 「アメリカン・エキスプレス・カード」:空港ラウンジ同伴者1名無料
- 「JCBゴールド」:手厚い保険で旅行時安心
- 「dカード GOLD」:ドコモユーザーは選ぶ価値あり
- 「ダイナースクラブカード」:会食が多い人にメリット大
- 「SPGアメックス」:ホテルでの優待を受けたい人向け
クレジットカードの特典はたくさんありますが、保険・旅行サポート・優待割引に分けて、自分に合ったものを考えるのがおすすめです。
年会費が高いほど優待サービスが充実する傾向にあるので、優待の内容次第では年会費の元がとれる場合もあります。
各クレジットカードの優待サービスは一長一短なので、メインで使うクレジットカードの弱点を補えるカードを2枚目として持つのもおすすめです。
ポイントだけでなく優待サービスを使いこなすと、クレジットカードを最大限お得に使うことができます。
特典・優待サービスに着目して、自分にぴったりのクレジットカードを選びましょう!