クレジットカードのなかには、法人限定で発行できるタイプがあります。
また、法人限定タイプのなかにもいくつか種類があり、そのうちの1つが「コーポレートカード」と呼ばれています。
そこで今回は、コーポレートカードの特徴や一般クレジットカードとの違いを解説します。
- 社員数が多い会社(企業)向けのカード
- 仕入れなど事業に関する支払いができる
- 決済方法(引き落とし先)が2つから選べる
- 利用可能枠がカードごとに設定可能
- 会社全体やカード別で利用明細が届く
- キャッシュフローの改善・安定につながる
- 法人特有の特典が得られる
また、コーポレートカードのメリットやデメリットも合わせて解説するので、気になる人は本記事をぜひチェックしてください。
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申込対象 | 18歳以上 (高校生を除く) | 18歳以上39歳以下 | 18歳以上 | 18歳以上 | 20歳以上 | 20歳以上 | 20歳以上 個人の方も申込可能 | 18歳以上 | 20歳以上 パート・アルバイト・学生不可 |
発行スピード | 最短10秒
| 最短5分※J1 | 最短5営業日 | 最短5分※J1 | 最短5分※J1 ※オンライン口座設定が必要。 | 最短3営業日 | 最短3営業日 | 1~2週間 | 1~3週間 |
公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
コーポレートカードとは
画像引用元:三井住友コーポレートカード|三井住友カード
コーポレートカードとは、会社(企業)が発行できる法人向けのクレジットカードのことです。
法人向けのクレジットカードにはもう1つ、ビジネスカードが存在します。
では、コーポレートカードとどのような違いがあるのでしょうか?
- コーポレートカード:20名以上の社員をもつ企業向け
- ビジネスカード:20名以下の社員をもつ企業や個人事業主向け
上記の通り、コーポレートカードは社員数の多い企業が発行できるカードということがわかります。
※カード会社のなかには、決済方法によってコーポレートカードとビジネスカードの呼び方を変えている法人カードもあります。
社員用として20枚以上発行できる
コーポレートカードは、社員用としてクレジットカードを20枚以上発行できます。
事業に関する費用をすべてカード払いにできるため、領収書などを1つのカード会社に集約できます。
今まで社員ごとでバラバラになっていた領収書も1ヶ所にまとめられるので、経理の事務処理も楽になりますね。
以上が、コーポレートカードの概要です。
次の章では、一般のクレジットカードとは何が違うのか、を見てみましょう。
一般のクレジットカードとの違い
コーポレートカードと一般のクレジットカードとの違いは2つあります。
カードで仕入れができる
コーポレートカードは、仕入れの費用も支払うことができます。
一般のクレジットカードの場合、仕入れをカード払いで行うと現金化と見なされ、カード会社の規約違反となる可能性が高いです。
では、一般のクレジットカードとして発行している、三井住友カードの会員規約を見てみましょう。第2章、第6条の2に、以下のような記載があります。
会員は、現行紙幣・貨幣の購入、または、現金化を目的として商品・サービスの購入などにカードのショッピング枠を使用してはならず、また違法な取引に使用してはなりません。
一般のクレジットカードの規約では、上記のように記載されています。
そのため、仕入れをはじめとした「ビジネス目的の利用」が認められていないことが多いのです。
では、何が仕入れと見なされるのでしょうか?仕入れに含まれるのは、売上に直接関わる費用全般です。
- 販売目的で購入する商品や原材料の代金
- 商品や原材料の送料
上記が仕入れとなる項目です。
仕入れは「購入したものを売って現金を手に入れる行為」となり、現金化と見なされて規約違反になってしまいます。
規約違反に該当すると、会員資格が剥奪されてクレジットカードが使用できなくなります。
さらに、強制的に解約になると個人の信用情報にキズがつき、ほかのカード審査に影響が出る可能性が高いのです。
そのため「事業に関する費用をクレジットカードで支払いたい」と考えている法人代表者や企業は、コーポレートカードの発行がおすすめです。
決済方法が2パターンある
コーポレートカードの決済方法は、会社決済と個人決済の2パターンがあります。
- 会社決済:法人口座から利用金額が引き落としされる
- 個人決済:社員名義の個人口座から利用金額が引き落としされる
会社決済は、各社員に渡したカードの引き落とし先を法人口座に指定する方法です。会社決済では、経費を一括で処理できます。
一方、個人決済は社員名義の個人口座を引き落とし先に指定できます。万が一社員の不正利用があっても、会社が負担する必要がない方法です。
一般のクレジットカードの場合、契約した本人の銀行口座が指定できる引き落とし先です。
決済方法が選べることは、コーポレートカードの大きな特徴です
決済方法によって審査対象が異なる
コーポレートカードは会社決済か個人決済かによって、カード審査の対象が異なります。
- 会社決済:法人代表者が審査される
- 個人決済:カード名義になる各社員が審査される
会社決済は、法人代表者1人の信用情報に問題なければスムーズに発行されます。
しかし、個人決済は各社員の信用情報をもとに審査されるため、場合によっては発行不可になる恐れもあります。
このような特徴を加味して、コーポレートカードの決済方法を選択しましょう。
以上が、コーポレートカードと一般のクレジットカードの違う部分です。
次の章からは、コーポレートカードのメリットとデメリットを解説します。
コーポレートカードのメリット
この章では、コーポレートカードのメリットを8つ紹介します。
- 部署別やカード別で利用枠が決められる
- 利用明細を分けてくれる
- 会計・経理ソフトと連携できる
- キャッシュフローの改善・安定
- ポイントやマイルが大きく貯まる
- 空港ラウンジが利用できる
- オフィス用品の購入が便利になる
- 出張や宿泊に関するサービスを用意
では、1つずつ内容を見てみましょう。
部署別やカード別で利用枠が決められる
コーポレートカードは、企業全体の総利用枠に加え、部署別やカード別で利用可能枠を決定できます。
個別で利用可能枠決めることで、経費利用のコントロールが可能です。
また、部署別やカード別で設定することで、社員の利用超過や不正利用を防げます。
利用明細を分けてくれる
カード会社のなかには、利用明細を分けてデータ送信してくれるところがあります。分け方の一例は次の通りです。
- 会社全体
- 部署・事業所別
- カード別、など
上記のように、カード会社が3種類に分けた請求書・利用明細書をカード担当者に送付。
さらに、希望する企業にはデータ伝送や電子書留などを行い、企業独自のシステムに接続させる方法も取れます。
利用明細を最初から分けてくれると、経費の把握や予算管理分析資料として役立てられ、毎回の仕訳も楽になりますね。
会計・経理ソフトと連携できる
近年の会計・経理ソフトは、クラウド型を採用しているタイプも多いです。
クラウド型は、インターネット上でデータを管理するシステムを採用しています。
特徴は、会計・経理ソフトをパソコンにダウンロードしなくても利用できる点です。
IDやパスワードでログインすると、会計・経理ソフトダウンロードしていないパソコンでもデータの閲覧や編集が可能です。
カードの利用を自動で仕分け
クラウド型の会計・経理ソフトの強みは、銀行やクレジットカードなどとシステムを連携できることです。
各サービスとデータ連携させて、利用履歴を経理ソフトに反映させる仕組みになっています。
発行したコーポレートカードとシステム連携させると、自動で仕分けが登録されます。
1つずつ仕訳を手動入力する手間が省けるので、経理担当者の負担や人件費の削減につながります。
ただし、コーポレートカードによって対応している会計・経理ソフトが異なるので、申し込み前にきちんと確認しましょう。
キャッシュフローの改善・安定
資金や現金の収支を表すのがキャッシュフローですが、コーポレートカードの利用で改善・安定がはかれます。
コーポレートカードを利用した分の引き落としは翌月、または翌々月です。
そのため、現金取引で仕入れや経費の支払いを行なっている会社よりも、資金や現金が手元に残る期間が増えます。
資金や現金が手元にある状態は、企業の存続や成長に欠かせない要素の1つといえます。
コーポレートカード利用でまとまった資金や現金を一定期間保持でき、キャッシュフローが改善して安定につなげられるのです。
上記の状態であれば、会計上は黒字でありながら会社が倒産状態(黒字倒産)を防ぐことが可能です。
また、まとまった資金や現金が手元にあるなら、借金を返済できず倒産するという状態も回避できます。
ポイントやマイルが大きく貯まる
コーポレートカードも一般のクレジットカード同様に、ポイントやマイルを貯めることができます。
社員すべてにカードを発行しておくと、事業に関する支払いをすべてクレジットカードで済ませられます。
その分、ポイントやマイルを大きく貯まるのです。貯まったポイントやマイルは、各カード会社の特典と交換することが可能です。
なかには、キャッシュバックが可能なコーポレートカードも存在するので、申し込み前にポイントやマイルの交換先を確認しておきましょう。
空港ラウンジが利用できる
コーポレートカードは空港ラウンジを無料で使用できるなど、法人特有の特典を用意しています。
- ゆったりしたスペースでくつろげる
- 新聞や雑誌を読める
- しっかりしたWi-Fi環境で仕事ができる
- シャワーを浴びられる
法人代表者や社員が空港ラウンジを利用できると、出張など飛行機の搭乗まで、時間を有効活用できます。
オフィス用品の購入が便利になる
コーポレートカードでは、オフィス用品購入の優待を受けることも可能です。
- 事務用品、OA・PC用品、オフィス家具など
- WebやFAXで注文可能
- リーズナブルな価格で提供している
- 配送エリアによっては、当日や翌日に届けてくれる
事業でよく使うオフィス用品に関する特典も、法人だけが発行できるコーポレートカードならではだといえます。
出張や宿泊に関するサービスを用意
コーポレートカードは、出張や宿泊に関するサービスをお得に利用できます。
ANA@deskやJAL ONLINEから、ネットで簡単に航空券の予約が可能です。
また、法人限定のシークレットプランを提示する宿泊サービスが利用できるなど、出張や宿泊の手配、費用を効率化することもできます。
上記のように、コーポレートカードのメリットは8つ存在します。
申し込む際は、自分たちがよく利用する特典があるかを確認してください。
次の章では、コーポレートカードのデメリットを解説します。
コーポレートカードのデメリット
この章では、コーポレートカードのデメリットを3つ紹介します。
- カード分の年会費が発生する
- 分割払いやリボ払いができない
- ポイント還元率は高くない
では、1つずつ内容を見てみましょう。
カード分の年会費が発生する
コーポレートカードのデメリットは、年会費が発生することです。一般のクレジットカードの場合、年会費無料タイプも多く存在します。
コーポレートカードの場合は、代表者と社員分の発行枚数分の年会費が発生します。
なお、年会費の金額は各カード会社によって異なります。
分割払いやリボ払いができない
コーポレートカードなど法人カードと呼ばれるタイプは、分割払いやリボ払いができません。
- 分割払い:2〜24回など利用金額を分けて後払いできる
- リボ払い:5,000円ずつなど一定額で後払いができる
手元に現金がなく支払いが厳しいという場合に利用できると助かるサービスですが、法人カードは一括払いのみというタイプがほとんどです。
コーポレートカードの支払いは翌月や翌々月まで猶予はあります。
しかし、高額の仕入れを行ったり社員の出張が重なったりしたときは、その分の資金や現金を確保しておく必要があります。
ポイント還元率は高くない
コーポレートカードのポイントは利用金額に応じて還元されますが、その割合は高くはありません。
一般のクレジットカードのほうが、高い還元率を実現しているタイプも多いです。
コーポレートカードはビジネス利用がメインです。ポイント還元において大きくメリットが得られるカードではないことを覚えておきましょう。
経理担当者の負担が減るコーポレートカード
今回は、コーポレートとは何か?について解説しました。もう1度ポイントをまとめます。
- 20名以上の社員をもつ企業が発行できる
- ビジネス利用が認められている
- 会社決済と個人決済の2種類がある
- 8つのメリットが得られる
- 年会費がカード枚数分発生する
- 分割払いやリボ払いができない
- ポイント還元率は高くない
コーポレートカードは、法人が発行できるカードならではのメリットや特典が多いです。
20枚以上の社員カードを発行できるので、事業に関するすべての費用を1つのカード会社に集約でき、経理担当者の負担を減らせます。
年会費やポイント還元率に関するデメリットもありますが、特徴や特典を考えると大きなデメリットにはなりえません。
各カード会社で年会費や特典の内容が異なるので、自分たちに必要なサービスを提供しているか確認したうえで申し込みましょう。