突然ですが、生活保護を受けている人はクレジットカードの作成や利用はできるのかどうか、ご存知ですか。
「OKかな」「なんとなくダメそう…」
意見が分かれるかもしれませんね。
結論としては「生活保護でもクレジットカードの作成・利用は可能。でも実態はなかなか厳しい」のです。
複雑な事情がありそうですね。
今回は生活保護受給者のクレジットカード利用や作成について解説します。
- 生活保護受給者もクレジットカードの作成・利用は可能
- 生活保護法など関連法でカード利用は禁止されていない
- しかし現実的にはカード利用は制約も多く困難
- 制約が将来的に緩和されることに期待
カード名 | 三井住友カード(NL) | JCB CARD W | dカード GOLD | New! JCBカード S | JCBゴールド | 楽天プレミアムカード | セゾンプラチナ・ビジネス アメリカン・エキスプレス(R)・カード | リクルートカード | アメックスグリーン |
年会費 (税込) | 永年無料 | 無料 | 11,000円 | 無料 | 11,000円(税込) 初年度無料 | 11,000円 | 22,000円 条件付きで11,000円 | 無料 | 月会費制1,100円/月 (年合計13,200円) |
還元率 | 0.5%~7%※M1 | 1.00%~10.50%※J1 | 1.0%~10% | 1.00%~10.50%※J1 | 1.00%~10.50%※J1 | 1.0%~5.0% | 0.5%〜1.0% | 1.2%~4.2% | 0.3%~1.0% |
国際ブランド | Visa、Mastercard | JCB | Visa、Mastercard | JCB | JCB | Visa、Mastercard、 JCB、American Express | American Express | JCB | American Express |
キャンペーン | 新規入会&条件達成で 最大5,000円分 プレゼント 2024年11月1日~2025年2月2日 | 新規入会 +Amazon利用で最大12,000円 キャッシュバック 2024年10月1日(火)~2025年3月31日(月)まで | 新規入会&利用 +公共料金などすべて支払い 最大11,000ポイント プレゼント 2024年6月1日(土)〜 | 新規入会 +Amazon利用で最大15,000円 キャッシュバック 2024年10月1日(火)~2025年3月31日(月)まで | 新規入会 +Amazon利用で最大23,000円 キャッシュバック 2024年10月1日(火)~2025年3月31日(月)まで | 新規入会& 1回利用で 5,000ポイント プレゼント | 最大6,000円相当 プレゼント | 合計35,000ポイント プレゼント |
|
申込対象 | 18歳以上 (高校生を除く) | 18歳以上39歳以下 | 18歳以上 | 18歳以上 | 20歳以上 | 20歳以上 | 20歳以上 個人の方も申込可能 | 18歳以上 | 20歳以上 パート・アルバイト・学生不可 |
発行スピード | 最短10秒
| 最短5分※J1 | 最短5営業日 | 最短5分※J1 | 最短5分※J1 ※オンライン口座設定が必要。 | 最短3営業日 | 最短3営業日 | 1~2週間 | 1~3週間 |
公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
重要:そもそも生活保護とはどんな状態か
まず生活保護受給者とクレジットカードについて解説するにあたり、生活保護とはどういう状態なのかを振り返ります。
クレジットカードの作成・利用についての説明に前提となる重要な情報ですので、よく理解しておいてくださいね。
生活保護の4つの条件
まず、生活保護受給の条件を確認しましょう。
下記の4つを満たすことで、生活保護の受給対象となります。
- 援助してくれる身内や親族がいないこと
- 全く資産が無いこと
- 収入が最低生活費を満たしていないこと
- 病気やけがその他の事情でやむなく働けないこと
よほど厳しい生活環境でなければ、生活保護の受給は認められないことがわかりますね。
生活保護受給者もクレジットカードの作成は可能
それではまず「生活保護受給者はクレジットカードの作成が可能か」について解説していきます。
結論的には、生活保護受給者もクレジットカードの作成は可能です。
生活保護受給者のカード作成は禁止されていない
上記で「生活保護受給者もクレジットカードの作成は可能」と書いた根拠は、それを法律(生活保護法)が禁止していないからです。
つまり生活保護受給者でも、通常の申し込み手続きをして審査をクリアすれば、クレジットカードを作成して所持する権利があるのです。
生活保護受給者のカード作成は現実的に困難
さて上記で「生活保護受給者もクレジットカードの作成は可能」とは書きました。
しかし、現実的には生活保護受給者はクレジットカードを作成するのは難しいのが実態です。
いくら法律的にOKでも、カード会社の審査をクリアするのが困難なのがその理由です。
生活保護受給者は安定収入がない
ではなぜ生活保護受給者は審査をクリアできないのか、それは「生活保護受給者には安定収入がないから」です。
カード会社は支払い能力(収入)をチェックする
カード会社が、カードを発行するにあたりもっとも重視するのは「この人は確かな支払い能力があるのかどうか」です。
カードの申込書には職業や年収を書く欄がありますが、この内容によって支払い能力を評価しているのですね。
つまり「安定収入がある=支払い能力がある」と判断されるわけです。
ところが生活保護受給者には安定収入がありません。
冒頭で述べた通り、記載した生活保護を受給するための条件に「収入が最低生活費を満たしていないこと」が挙げられるからです。
そのため、生活保護受給者はクレジットカードの審査に通りにくくなってしまうのです。
生活保護受給者がカードを作成するための方法
さきほど、生活保護受給者のクレジットカード作成は現実的には困難と書きましたが、作成できる可能性はゼロではありません。
カード作成にトライしてみる価値はあるといえるでしょう。
とはいえ闇雲にクレジットカードを申し込んでも、審査落ちしてしまうだけでなく、生活保護の視点でデメリットが発生する可能性もあります。
クレジットカード作成手続きは、以下の方法に従って進めるようにしてください。
福祉事務所担当者もしくはケースワーカーに相談
生活保護受給者は、基本的に福祉事務所やケースワーカーの指導に基づいて生活することになっています。
クレジットカードの作成や利用は、日常生活の変化とみなされます。
勝手に申し込んだりせず、事前に必ず福祉事務所やケースワーカーに相談するようにしましょう。
節約のためのクレジットカード活用であること
相談と言っても、「ただなんとなくクレジットカードを作成したい」では話になりません。
きちんと目的を説明する必要があります。
その目的はズバリ「節約のため」です。
例えば日用品は通販で安く購入して節約したり、クレジットカードによるポイントを活用して節約するといった内容ですね。
生活保護法において節約は生活保護受給者の義務
上記で「節約のため」と書きましたが、実は節約は生活保護法にも記載されている、生活保護受給者の義務なのです。
第六十条 被保護者は、常に、能力に応じて勤労に励み、自ら、健康の保持及び増進に努め、収入、支出その他生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならない。
(届出の義務)引用元:生活保護法
つまり、生活保護受給者は常に節約に努めなければなりません。
そのため、節約のための手段がクレジットカードの利用ということであれば、話としての筋は通っているといえるでしょう。
勝手なカード作成はリスク大
福祉事務所やケースワーカーに相談しなかったり、目的が疎かなままにクレジットカードを作成することはおすすめしません。
クレジットカードが作成できなかっただけで済めばまだいい方です。
場合によっては「収入があるのに生活保護を受給している」と判断され、いわゆる「生活保護の不正受給」扱いされる可能性があるのです。
生活保護受給者と二人三脚の関係にある福祉事務所やケースワーカーとは、確実に情報共有するようにしましょう。
クレジットカード作成手続きにおける注意事項
福祉事務所やケースワーカーからの了解を得られたら、いよいよクレジットカード作成手続きです。
当然審査はありますので、カード会社の基準に満たなければカードの入手はできないことはご了承ください。
作成手続きにおいて注意したい事項を下記に記載します。
職業に「無職」と書かない
非常に重要な項目です。
先述したとおり、カード会社は申込者の支払い能力をチェックします。
職に就いていない人は支払い能力がないと判断されるのは当然ですよね。
とはいえ嘘の職業を書くべきでないことは言うまでもありません。
実は生活保護を受給していても仕事をすることは可能です。
アルバイトでもパートでも、職業は必ず記入するようにしてください。
逆に言えば、クレジットカードを作成したければ最低限なんらかの仕事に就いている必要があるということです。
利用限度額は最小にしておく
クレジットカードの作成にあたっては、月間いくらまでカード払いできるようにするかという「利用限度額」を設定するはずです。
この利用限度額は、必ず選択肢の中の最小額を選ぶようにしましょう。
生活保護受給者は収入が少ない状況ですので、身の丈以上の利用限度額を設定すると審査落ちする可能性が高まります。
分割払いやリボ払い、キャッシング等は設定しない
クレジットカードによっては、分割払いやリボ払い、キャッシング等を利用するか。
また、利用する場合は限度額などを設定する項目があります。
これら分割払い等は利用しないように設定してください。
理由は上記の「利用限度額は最小に」と同様で、身の丈以上の支払いをする意思がないこと。
また、返済を遅らせる意思がないことを明確にするためです。
審査にマイナスの影響を及ぼす可能性があるものは、全て設定しないことをおすすめします。
カード作成に関する注意事項は以上です。
それでも審査に通るかどうかはカード会社次第ですので、あとは祈るしかないですね。
生活保護受給者はカードの利用も可能
生活保護受給者も、クレジットカードは利用可能です。
カード作成できるのですから、利用できるのも当然ですよね。
生活保護法でも、クレジットカード利用を禁止するようなものはありません。
ただし、いくつかの注意事項はありますのでそれらをご紹介します。
生活に必要な支払いでのみ利用すること
言うまでもないことですが、クレジットカードで支払っていいのは生活に必要なもののみです。
また生活保護受給者は贅沢品の購入は控えるべきです。
くれぐれもうっかり購入しないようにしてくださいね。
現金と違い、支払いの履歴は明確にカード会社に記録されます。不要なものの購入はすぐに発覚しますのでご注意を。
生活保護受給前に作ったカードは利用不可
さきほど、クレジットカードの作成は生活保護受給者にとってなかなかハードルが高いということを説明しました。
ただ中には、生活保護認定された時点ですでにクレジットカードを持っているというケースもあると思います。
自分用のクレジットカードなのだから、それを使用するのは問題ないのでは…と、思う方もいるかもしれません。
原則として、生活保護になる前に作成したクレジットカードの利用はできません。
その理由は、「支払い能力に変更があるから」です。
支払い能力変更時には申告が必要
クレジットカード作成時には、職業や年収を申告したと思います。
カード会社はその情報をもとにカードを発行したのですから、職業や収入が変わった場合は申告が必要なのです。
支払い能力に影響があるのですから、当然ですよね。
申告の結果、継続してクレジットカードの使用が許されるかどうかはカード会社次第です。
くれぐれも無申告のまま、使用し続けることのないようにしてください。
信用情報に大きく傷が付き、クレジットカードの作成が二度とできなくなるリスクもあります。
クレジットカードの制約は緩和される可能性もあり
現時点では、生活保護法などでのクレジットカードの利用、作成は可能です。
しかし、生活保護受給者にとってクレジットカードに関する制約が多いことがご理解いただけたかと思います。
ただ、今後はこの制約も緩和されていくのでは、と期待もしています。
クレジットカード払いのほうが節約になるケース
制約緩和を期待する理由として、クレジットカード払いのほうが節約になるケースがあることが挙げられます。
先述の通り生活保護受給者は節約に努める必要がありますが、クレジットカード払いで節約に貢献できるなら、活用する価値があるからです。
具体的には以下のケースが考えられます。
ネット通販などでの購入による節約
ネット通販は販売のための店舗や多くの従業員を抱える必要がないため、実店舗よりも安く買えるケースが多くあります。
またこれらの通販での支払い方法として、クレジットカード払いが事実上の標準となっているのが実態です。
クレジットカード以外の支払い方法では、別途手数料などがかかるケースが多いのではないでしょうか。
クレジットカードによって必要なものが安く買える節約の事例と言えるでしょう。
ポイント還元による節約
クレジットカードによっては利用額に応じたポイントが得られるものもあります。
固定費の支払いや日常生活費の支払いをクレジットカードに集約することで得たポイントを、次回の支払いに充てるといったこともできます。
一回一回で得られるポイントは少額ですが、積み重ねることで節約効果は得られるでしょう。
キャッシュレス推進による緩和への期待
国が進めているキャッシュレス化の推進もまた、クレジットカードの制約緩和につながることが期待できます。
現金決済に伴う管理費を削減するためにキャッシュレス化を推進しています。
したがって、生活保護受給者の決済手段を現金に限定するのは、あまり望ましい方向ではないでしょう。
現時点では法関連に大きな変化はありません。
しかし、キャッシュレス化が浸透していくにつれて生活保護受給者のキャッシュレス事情にも良い影響がでてくるといいですね。
審査をクリアした上で…おすすめのクレジットカード
カード会社の審査をクリアできることが前提になりますが、生活保護受給者におすすめのクレジットカードをご紹介します。
- dカード
- JCB CARD W
- 三井住友カード
dカード
dカード | ||
---|---|---|
還元率 | ポイント | 1.0%~ |
マイル | 0.5%~ | |
年会費 | 初年度 | 無料 |
2年目以降 | ||
家族カード | ||
旅行保険(29歳以下の本会員と家族会員が対象) | 海外 | 最高2,000万円(利用付帯) |
国内 | 最高1,000万円(利用付帯) | |
ETCカード | 発行手数料 | 無料 |
年会費 | 550円 ※前年度1度でも利用すれば無料 | |
ポストペイ型電子マネー | iD | |
国際ブランド | Visa、Mastercard | |
発行会社 | 株式会社NTTドコモ | |
発行期間 | 最短5日 |
dカードはドコモが発行するクレジットカードです。加盟店も多く、ポイントの使い勝手のよいカードです。
dカードで支払うと100円ごとにdポイントが1ポイントが貯まります。
dポイントは利用シーンが多く、加盟店での支払いにおいて1ポイント1円換算で使用することができます。
また、ドコモのスマホを使用している場合はその使用料に充てることもできるなど、無駄なくポイントを活用できる点がメリットです。
dカードを利用するだけで、1%の節約ができるといっていいでしょう。
JCB CARD W
JCBカード W | ||
---|---|---|
還元率 | ポイント | 1.0%~10.5%※J1 |
マイル | 0.6%~ | |
年会費 | 初年度 | 無料 |
2年目以降 | ||
家族カード | ||
旅行保険 | 海外 | 最高2,000万円(利用付帯) |
国内 | なし | |
ETCカード | 発行手数料 | 無料 |
年会費 | ||
ポストペイ型電子マネー | QUICPay ApplePay GooglePay |
|
国際ブランド | JCB | |
発行会社 | 株式会社ジェーシービー | |
発行期間 | 最短5分※J1 |
こちらはJCBが発行するクレジットカードで、40歳未満の方であれば作成可能です。
JCB Wのメリットはネット通販でのお得度が高いという点です。
JCB独自のポイントモールを経由して買い物することで、例えばAmazonであれば通常の2倍のポイントが貰えたりします。
ポイントの使い勝手そのものはdポイントほどではありませんが、得たポイントはJCBギフト券など各種商品に交換することができます。
ただし、JCBギフト券と交換した場合の還元率は0.6%と低めです。
しかし、ポイントモールを経由したAmazonでの買い物だけで利用すれば還元率1.2%ということになります。
使い方次第ではdカードよりお得になることもありますよ。
三井住友カード
三井住友カード | ||
---|---|---|
還元率 | ポイント | 0.5%~7%※M1 |
マイル | 0.25%〜2.5% | |
年会費 | 初年度 | 1,375円(税込) |
2年目以降 | 1,375円(税込) ※条件達成で割引 |
|
家族カード | 初年度:本会員に準ずる 2年目以降:440円(税込) ※条件達成で無料 |
|
旅行保険 | 海外 | 最高2,000万円(利用付帯) |
国内 | なし | |
ETCカード | 発行手数料 | 無料 |
年会費 | 初年度無料 次年度550円(税込) (ETCの利用が前年に1回以上の場合、無料) |
|
電子マネー | iD(専用) | |
国際ブランド | Visa、Mastercard | |
発行会社 | 三井住友カード株式会社 | |
発行期間 | 最短翌営業日発行 |
- 日本のクレジットカードとして非常に長い歴史と実績がある
- セキュリティ面に強く、不正利用検知の精度が高い
生活保護の状態とは何かと不安な点も多いと思います。
クレジットカードを選ぶにしても、還元率の高さやポイントに目がくらんで、つい無駄遣いをしてしまうと考える人もいるでしょう。
そんな方には三井住友カード。
還元率などの表面的なお得度では他社に劣りますが、上記したように三井住友カードには目に見えない安心感があります。
とにかく信用度を重視したいという方には、三井住友カードがおすすめです。
最大16,000円相当プレゼント
生活保護者のクレジットカード利用には希望がある!
- 生活保護受給者もクレジットカードの作成・利用は可能
- 生活保護法など関連法でカード利用は禁止されていない
- しかし現実的にはカード利用は制約も多く困難
- 制約が将来的に緩和されることに期待
現時点ではクレジットカードの視点でも厳しい制約のある生活保護受給者。
しかしカードを作成できる望みはありますし、今後制約が緩和されていく可能性もあります。
ポイント還元を含めた節約という観点で、生活保護の方も上手にクレジットカードを利用しましょう。