「三井住友信託ダイナースクラブカード」は三井住友信託銀行と三井住友トラストクラブが提携して発行しているクレジットカードです。
ダイナースのステータスや付帯サービスはそのままに、三井住友信託銀行だけのオリジナル特典がついています。
とくに条件を満たすことで年会費が13,200円になるのは、他のダイナースクラブカードにはない大きなメリットです。
本記事では三井住友信託ダイナースクラブカードの内容や、プロパーのダイナースクラブカードとの違いについて解説します。
- 年会費割引がある
- マイルが貯まらない
- 引き落とし口座は三井住友信託銀行のみ指定可
- コンパニオンカードは発行できない
- ATM手数料割引などの特典あり
※本記事の価格は全て税込みです。
三井住友信託ダイナースクラブカードの特徴・基礎知識
三井住友信託ダイナースクラブカード | ||
---|---|---|
還元率 | ポイント | 0.25~0.33%程度 |
マイル | 交換不可 | |
年会費 | 初年度 | 24,200円 条件達成で13,200円 |
2年目以降 | ||
家族カード | 無料 | |
旅行保険 | 海外 | 最高1億円(自動付帯) |
国内 | 最高1億円(利用付帯) | |
ETCカード | 発行手数料 | 無料 |
年会費 | ||
電子マネー | QUICPay | |
国際ブランド | ダイナースクラブ | |
発行会社 | 三井住友トラストクラブ株式会社 | |
発行期間 | カード到着まで2~3週間ほど |
三井住友信託銀行と提携して発行されているダイナースクラブカードです。
高いステータスやダイニング特典をはじめとする豪華な付帯サービスなど、基本的なカードスペックはプロパーのダイナースクラブカードとさほど変わりません。
しかし、年会費割引や三井住友信託銀行利用者向けの特典など、プロパーのダイナースクラブカードにはないサービスも用意されています。
三井住友信託ダイナースクラブカードのメリット・優待特典
三井住友信託ダイナースクラブカードのメリット・優待特典を見ていきましょう。
- 年会費割引特典
- 卓越したグルメ優待
- 国内外1,300ヶ所以上の空港ラウンジが無料
- 最高1億円の手厚い旅行傷害保険
- 三井住友信託銀行のオリジナル特典
年会費割引特典
三井住友信託ダイナースクラブカードは条件を満たすと年会費が11,000円割引されます。
- 初年度:新規入会後3ヶ月以内のカード利用金額20万円以上
- 次年度以降:年間(前年度)のカード利用金額50万円以上
割引後の年会費は13,200円です。
ダイナースのステータス性と付帯サービスを考慮すると、破格の年会費と言えます。
年間50万円は月換算で4万2,000円ほど。公共料金の支払いや日々の買い物をカードで支払えば容易に達成できますね。
卓越したグルメ優待
グルメ関連の特典が充実しているのも三井住友信託ダイナースクラブカードのメリットです。
- エグゼクティブ・ダイニング
最大2名分のコース料理代金が無料に - ごほうび予約
1人限定の特別な料理を味わえる - ごひいき予約.com
予約が取れないお店の空席情報を案内 - Wishダイニング
予約の取りづらいお店をダイナースクラブが確保 - 料亭プラン
予約が難しい高級料亭をダイナースが予約 - ナイト イン 銀座
銀座のバー・クラブで優待特典を受けられる
中でもお得な「エグゼクティブ・ダイニング」では、対象レストランのコース料理を2名以上で予約すると1名分無料になります。
6名以上なら2名分無料になる「グループ特別プラン」も利用できます。
高級レストランばかりが名を連ねており、エグゼクティブ・ダイニング数回の利用だけで容易に年会費の元を取れます。
恋人や家族のお祝いや同窓会、会食などに役立つ特典です。
国内外1,300ヶ所以上の空港ラウンジが無料
三井住友信託ダイナースクラブカード保有者(家族カード会員含む)は国内外1,300ヶ所以上の空港ラウンジが無料で使えます。
国内の空港ラウンジは無料で、利用できる回数の制限もありません。
海外の空港ラウンジは2021年4月以降、年間10回までの制限付きになりました。
以前と比べるとお得度は下がりましたが、毎月海外に行くような方でない限り年間10回も使えれば十分でしょう。
プライオリティ・パスのように別途会員証を持ち歩く必要がなく、三井住友信託ダイナースクラブカードの提示でラウンジが利用できるのもメリットです。
なお、国内・海外問わず同伴者は有料です。
家族会員が家族カードを提示せずに利用すると同伴者とみなされることがあるため、必ず家族カードを提示したうえで利用してくださいね。
最高1億円の手厚い旅行傷害保険
三井住友信託ダイナースクラブカードには最高1億円の旅行傷害保険が付帯しています。
補償の種類 | 補償額 |
---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 最高1億円 自動付帯分:最高5,000万円 利用条件分:最高5,000万円 |
傷害治療費用 | 最高300万円 |
疾病治療費用 | 最高300万円 |
賠償責任 | 最高1億円 |
携行品損害 | 最高50万円 |
救援者費用 | 300万円 |
傷害治療費用300万円、賠償責任保険金1億円など、補償内容は申し分ありません。
旅行代金をカードで決済していない場合、傷害死亡・後遺傷害保険金の金額が下がる点には要注意です。
補償の種類 | 補償額 | |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 最高1億円 | |
入院 | 日額5,000円 | |
手術 | 入院中 | 50,000円 |
入院中以外 | 25,000円 | |
通院 | 日額3,000円 |
国内旅行傷害保険については利用付帯なので旅行代金などをカードで決済しなければ補償が適用されません。
しかし、補償額は最高1億円とこちらも充実しています。
ダイナースクラブカードの海外旅行保険の弱点|補償を手厚くする方法三井住友信託銀行のオリジナル特典
三井住友信託ダイナースクラブカード会員は「三井住友信託ダイナースクラブポイントクラブ」への申し込みが可能です。
三井住友信託ダイナースクラブポイントクラブの会員になると以下の特典を受けられます。
- 投資信託購入10,000円ごとに20ポイント
- 外貨定期預金6ヶ月・1年のお預け入れで10,000円ごとに20ポイント
- ローンの新規借入(1,000万円以上)で10,000ポイント
- 時間外ATM手数料が無制限に無料
- インターネットバンキングによる振り込みが月5回まで無料
- テレフォンバンキングによる振り込みが無制限に無料
三井住友信託銀行のサービスを利用するたびにカードのポイントが貯まります。
中でも投資信託で資産運用するだけでポイントが貯まっていくのはお得です。
さらに、無通帳タイプの口座である「ユア パートナー」なら、時間外ATM手数料や振込手数料も優遇されます。
三井住友信託ダイナースクラブカードのデメリット
三井住友信託ダイナースクラブカードのデメリットは以下の通りです。
- 引き落とし口座は三井住友信託銀行のみ
- マイルを貯められない
引き落とし口座は三井住友信託銀行のみ
三井住友信託銀行ダイナースクラブカードの引き落とし口座は三井住友信託銀行のみです。
他の銀行口座を引き落とし口座に設定することはできません。
すでに三井住友信託銀行の口座を保有・利用中なら手間はかからないでしょう。
三井住友信託銀行の口座を持っていない場合は、カード発行前に口座を作成する必要があります。
マイルを貯められない
三井住友信託ダイナースクラブカードではマイルを貯められません。
ダイナースクラブカードでは「ダイナースグローバルマイレージ」へ参加すれば貯まったポイントをマイルに移行できます。
しかし、三井住友信託ダイナースクラブカードはダイナースグローバルマイレージへ参加できません。
ダイナースグローバルマイレージにはご参加いただけません。
よって、マイルを貯めたい方には向きません。
なお、貯めたポイントをANA SKY コインへ交換することは可能です(10コイン=10円で航空券や旅行商品の購入に使える)。
プロパーダイナースクラブカードと比較
ダイナースクラブと言えば、自社でもクレジットカードを発行しています。
ここでは三井住友信託ダイナースクラブカードとプロパーのダイナースクラブカードを比較してみましょう。
サービス内容 | 三井住友信託ダイナースクラブカード | ダイナースクラブカード |
---|---|---|
年会費(本会員) | 24,200円 条件達成で13,200円 | 24,200円 |
年会費(家族会員) | 無料 | 5,500円 |
マイル交換 | × | 〇 |
引き落とし口座 | 三井住友信託銀行のみ | 自由に指定できる |
コンパニオンカードの発行 | × | 〇 |
三井住友信託ダイナースクラブポイントクラブ | 〇 | × |
ダイナースクラブのプロパーカードの特典はすべて提携カードでも利用可能です。
そのため、基本的なサービス内容は三井住友信託ダイナースクラブカードもプロパーカードもほとんど変わりません。
しかし、細かく比較すると以下のような5つの違いがあります。
- 年会費
- マイル交換
- 引き落とし口座
- コンパニオンカード
- 三井住友信託ダイナースクラブポイントクラブ
年会費で比較
本会員の年会費は24,200円で共通です。
しかし、三井住友信託ダイナースクラブカードは条件を満たすと13,200円に割引されます。
プロパーのダイナースクラブカードには年会費の割引特典はありません。
また、三井住友信託ダイナースクラブカードは家族会員の年会費がかかりません。
プロパーダイナースの家族会員の年会費は1人につき5,500円です。
ほとんど同じ特典が使えることを踏まえれば、コスパに関しては三井住友信託ダイナースクラブカードが圧倒的に優位です。
マイル交換で比較
三井住友信託ダイナースクラブカードはダイナースグローバルマイレージへ登録できません。
貯めたポイントをマイルへ交換できないわけです。
一方、プロパーダイナースクラブカードはダイナースグローバルマイレージへ登録できます。
ANAやデルタ航空など5社のマイルと交換可能です。
引き落とし口座で比較
三井住友信託ダイナースクラブカードの引き落とし口座は三井住友信託銀行のみですが、プロパーダイナースクラブカードは引き落とし口座を自由に設定できます。
三井住友信託銀行の口座を持っていない方は、プロパーダイナースクラブカードの方が使いやすいでしょう。
コンパニオンカードで比較
プロパーのダイナースクラブカードはMastercardブランドのコンパニオンカードを無料で発行できます。
コンパニオンカードとして発行されるTRUST CLUBプラチナマスターカードは、本来3,300円の年会費がかかります。
しかし、ダイナースクラブの本会員・家族会員なら無料で発行可能です。請求・支払い口座はダイナースクラブカードにまとめられます。
Mastercardブランドなので、ダイナースが使えないお店でも使えるのがメリットです。
対して、三井住友信託銀行ダイナースクラブカードではコンパニオンカードを発行できません。
三井住友信託ダイナースクラブポイントクラブ
三井住友信託ダイナースクラブカード保有者は「三井住友信託ダイナースクラブポイントクラブ」へ申し込みできます。
三井住友信託銀行のサービス利用でポイントが貯まるほか、ATM手数料や振り込み手数料が割引されます。
このサービスは、プロパーのダイナースクラブカードでは申し込めません。
三井住友信託銀行をメインで利用しているなら、三井住友信託ダイナースクラブカードがお得ですね。
なお、ダイナースクラブカードの上位カードである「ダイナースクラブプレミアムカード」はポイントクラブに登録できます。
以上で差異を示しましたが、特典などはほとんど共通です。よって、以下が2枚を選ぶポイントとなるでしょう。
- 三井住友信託ダイナースクラブカード
年会費を節約したい方、三井住友信託銀行の口座を保有している方 - ダイナースクラブカード
マイルを貯めたい方、三井住友信託銀行の口座を持っていない方
三井住友信託ダイナースクラブカードの審査
ここからは三井住友信託ダイナースクラブカードの審査について解説します。
提携カードとは言え、富裕層向けと言われるダイナースクラブカードであることに変わりありません。
他のゴールドカードと比べても審査はやや厳しめです。
申し込みの前に、審査基準や審査に通るコツをしっかりチェックしてくださいね。
三井住友信託ダイナースクラブカードの審査基準
三井住友信託ダイナースクラブカードが公開している審査基準(入会目安)は、所定の基準を満たす方となっております。
ご入会いただける方:ダイナースクラブ所定の基準を満たす方
※カードの入会には所定の審査があります。
20歳以上で申し込めるゴールドカードも多いことを考えると、この時点で審査がやや厳しいことが分かります。
その他の条件は公表されていません。
口コミなどから推測した三井住友信託ダイナースクラブカードの審査基準は以下の通りです。
- 必要な年収は400~500万円前後
- 良好なクレヒスが必要
- 三井住友信託銀行を利用していると審査に有利
基本的な審査基準はプロパーのダイナースクラブカードに近いでしょう。
必要な年収は400~500万円前後と言われています。
他のゴールドカードと比べると高いものの、一般的なサラリーマンでも十分手が届く水準です。
年収だけでなく、良好なクレヒスも重要です。他のカードで利用実績を積んでいれば、審査の際プラス評価につながるでしょう。
また、三井住友信託銀行を利用していると審査に有利という情報もあります。
三井住友信託ダイナースクラブカードを利用するには三井住友信託銀行の口座が原則必須です。
どうせ必要なら事前に口座を開設し、給与振込や固定費の引き落とし先に指定するなど、利用実績を作っておきましょう。
三井住友信託ダイナースクラブカードの審査を通すコツ
三井住友信託ダイナースクラブカードの審査を通すコツは以下の通りです。
- 他のカードでクレヒスを積む
- 三井住友信託銀行の口座を利用する
- 同時に複数のカードを申し込まない
他のカードでクレヒスを積む
クレヒスに自信がない場合は他のカードでクレヒスを積みましょう。
三井住友信託ダイナースクラブカードは審査難易度が比較的高いゴールドカードです。
クレヒスのない方がいきなり申し込んでも審査に通りにくいでしょう。
まずは審査に通りやすい他の一般カードでクレヒスを積んでください。
クレジットカードは発行元によっていくつかの種類に分けられますが、「流通系」や「信販系」のカードは良好なクレヒスがなくても作りやすいです。
小売店の提携カードやオリコカード・ライフカードなどの信販系はクレヒスを積むのに適しているでしょう。
三井住友信託銀行の口座を利用する
三井住友信託銀行の口座を利用すると、三井住友信託ダイナースクラブカードの審査に有利に働くと言われています。
あくまでも大事なのは収入やクレヒスですが、三井住友信託銀行の口座の利用実績があればより審査に通りやすくなるでしょう。
口コミでも「口座にお金を預けたうえで申し込んだら受かった」という意見がありました。
少額でもいいので口座にお金を預けたり、公共料金の引き落としに三井住友信託銀行の口座を利用したりすると良いでしょう。
同時に複数のカードを申し込まない
三井住友信託ダイナースクラブカードを申し込む際は同時に複数のカードを申し込まないようにしてください。
同時に複数のカードを申し込むと「多重申し込み」と判断され、審査に落ちやすくなります。
他のカードを申し込んだ場合は最低でも1ヶ月、可能であれば半年間空けてから申し込みましょう。
三井住友信託ダイナースクラブカードがおすすめなのはこんな方
三井住友信託ダイナースクラブカードは次のような方におすすめです。
- 手頃な年会費で持てるステータスカードが欲しい方
- 三井住友信託銀行を利用している方
三井住友信託ダイナースクラブカードは、条件を満たすと年会費が13,200円になります。
提携カードが多いダイナースクラブですが、ここまで年会費が安いカードは他にありません。
年会費を節約しつつ、ステータスとサービスに優れるダイナースクラブカードを保有したい方におすすめです。
三井住友信託ダイナースクラブカードは引き落とし口座に三井住友信託銀行しか指定できません。
三井住友信託銀行を利用していない場合やや不便です。
逆に、普段から三井住友信託銀行を利用している方にとってはさほどデメリットではありません。
むしろ三井住友信託銀行のサービス利用でポイントが貯まる、各種手数料が割引されるなど特典も多いですよ。